買い優勢の展開も半導体株の動向が気掛かりに/オープニングコメント

市況
2023年4月3日 8時25分

3日の日本株市場は、買い優勢の相場展開が見込まれる。3月31日の米国市場はNYダウが415ドル高だった。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視しているコアPCE価格指数が予想外に前月から伸びが鈍化したため、早期の利上げ停止を見込んだ買いが先行した。その後も長期金利が低下を続けハイテクを支援し、相場全体を一段と押し上げた。シカゴ日経225先物は大阪比115円高の28205円。円相場は1ドル133円20銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買いが先行することになりそうだ。金融システム不安が和らぐなか、VIX指数は18.70に低下し、一時18.52まで下げる場面も見られており、金融システム不安が強まった急伸前の水準まで低下した。リスク選好の流れに向かわせるなか、日経225先物は28000円を支持線にリバウンドを見せており、ショートカバーを交えた上昇が意識されそうだ。

また、為替市場ではドル円が1ドル133円台と円高修正の流れが継続しており、輸出関連への買い戻しに向かわせそうだ。一方で、日本政府は先週、先端半導体の製造装置23品目について、輸出規制を強化すると発表した。中国を念頭に置いているとみられるが、中国当局は31日、米マイクロン・テクノロジーをサイバーセキュリティーの観点で調査すると発表した。米中間の緊張が高まる中、半導体関連などは神経質にさせてきそうだ。そのため、指数インパクトの大きい東エレク<8035>などへは短期筋による売り仕掛け的な動きも入りやすく、日経平均の重荷になる。

半導体関連が軟調推移となるようだと、日経平均も次第にこう着感が強まる可能性はあるだろう。また、金融システム不安が和らぐ中、メガバンクの戻りの鈍さも目立つ。国内証券ではメガバンクの格下げも観測されていることから、こちらも相場の重荷になりそうだ。そのため輸出関連の一角が相場の下支えになる展開を想定。また、日経平均がこう着感を強めたとしても、28000円水準での底堅さが意識される局面においては押し目狙のスタンスに向かわせよう。また、こう着ながらも底堅さが見られてくるようだと、個人主体による材料株や中小型株への物色が活発になりそうだ。そのほか、東証の政策に絡んだ流れから、低PBR銘柄への物色も強まるだろう。

《AK》

提供:フィスコ

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