今回の決算はパンデミック以来の最も暗い内容を予想との指摘
来週の米大手銀を皮切りに、いよいよ1-3月期の決算シーズンが開幕する。米大手証券のストラテジストによると、今回の決算はパンデミック以来、最も暗い内容が予想されると指摘している。S&P500企業の1株利益のアナリストによるコンセンサス予想は7%の減益が見込まれ、2020年第3四半期以来の急激な落ち込みが想定されている。もし、アナリストの予想が現実化すれば、1-3月期はS&P500企業の利益の伸びの底になるという。
また、利益幅の大幅な縮小が売上高の小幅な伸びの大半を凌駕する可能性があるとも指摘している。利益率改善が見込まれているのは、エネルギー、工業製品、裁量消費の3部門だけで、その他の大半のセクターの利益率は2%ポイント以上の低下が予想されているという。
投資家は今回の決算から、企業が金利上昇、銀行危機、需要鈍化といった逆風にどう対処しているかを評価したうえで、景気減速の兆候を示す財務諸表を分析することになりそうだ。そのため、今回の決算シーズンは、いつも以上に重要な意味を持つことになるとも言及している。
また、同ストラテジストによると、投資家は決算シーズンに4つの重要なトピックを念頭に置くことが想定されるという。それは、利益見通し、人工知能(AI)への言及、キャッシュの状況、中国経済の再開による後押しのシグナルだという。
さらに、中小型の企業業績は景気に敏感で、地銀のエクスポージャーも大きいことから、大企業よりも銀行の混乱の影響を受けやすいとも指摘している。
そのほか、銀行の利益は前年比11%増が見込まれているが、同セクターは先行きへの不透明感も高まっていることから、投資家は今後の道筋に特に注目する可能性が高いという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美