【クラファン】独自養殖技術で日本産アワビ“復活”へ! 地元いすみ市のにぎわい創出目指すA’Culture、4月13日募集開始
独自の養殖技術で日本産アワビの"復活"を目指すA'Culture株式会社(千葉県いすみ市)が、株式投資型クラウドファンディング(普通株式型)による出資を募集します。申し込みは4月13日19時30分開始を予定しています。
・ | 普通株式型 |
・ | 目標募集額:1499万6000円、上限募集額:5998万4000円 |
・ | 事業会社/CVC出資実績あり |
・ | エンジェル出資実績あり |
・ | エンジェル税制あり(優遇措置B) |
・ | 株主優待あり:大原養殖場で育った養殖アワビ、「アクアポニックス」で育った養殖ノリ、タスマニアの海域で育てた養殖アワビの煮貝のセット |
・ | みなし時価総額:3億6800万円 |
・ | 類似上場企業:ゼネラル・オイスター <3224> [東証G]、東京一番フーズ <3067> [東証P]、フィード・ワン <2060> [東証P]、関門海 <3372> [東証S]、OUGホールディングス <8041> [東証S]、ヨンキュウ <9955> [東証S] |
「幻のアワビ」マダカアワビ復活へ
A'Cultureは、近年、漁獲量が激減している日本産アワビの養殖技術の確立に取り組む企業です。オーストラリアで年間約1600トンの養殖実績がある企業のノウハウの独占使用権を得ており、日本の環境に適合するようアレンジ、また、ICT(情報通信技術)を活用したスマート養殖化にも着手しています。
同社は、いすみ市の養殖ラボで1年3カ月、技術検証を進めており、2022年9月に完成した第一次養殖場では、約14万個のアワビが今年6月ごろに出荷できる状態まで育っているそうです。
現在扱っているエゾアワビ、クロアワビは最大15センチにもなる品種で、ステーキや蒸し物のほか、刺身で食べると、良い風味や食感を楽しめるといいます。
クロアワビとメガイアワビ、今後、同社が取り扱う予定のマダカアワビは絶滅危惧種に指定されており、特にマダカアワビは千葉県大原町(現在のいすみ市の一部)の名物として知られていたものの、現在はほとんど獲れなくなり、「幻のアワビ」と呼ばれているそうです。
そのため、同社はマダカアワビの稚貝生産、育成は養殖品として販売するというよりも、以前生育していた場所に特殊な方法で放流し、自然繁殖ができるように工夫する計画で、再び、巨大な天然アワビとして育つよう努力し、マダカアワビの復活に貢献したいとしています。
(出典:FUNDINNO)
天然アワビの生産量が増えれば、今後、「幻」と言われることはなくなると同社は考えており、いすみ市や漁業協同組合と連携し、地元のパートナー企業にノウハウの使用を許諾するフランチャイズ形式で千葉県の房総エリアが一丸となり、マダカアワビを再び、地域の名物にしたい考えです。
また、アワビ養殖の排水を利用したアクアポニックス(従来の水産養殖と作物の水耕栽培を組み合わせたシステム)によるスジアオノリ養殖の実証研究が終了し、今年4月に本養殖を開始するほか、アワビの排水に含まれる残餌や糞をナマコに食べさせる養殖も展開予定です。
(出典:FUNDINNO)
「弊社は房総エリアの豊かな自然と共存しながら、アワビの食文化を末永く継承していける、SDGsを見据えた養殖スタイルを構築していきたいと考えています」(同社)
年々減少している天然アワビの漁獲量
2022年12月、マダカアワビを含む、日本近海で獲れるアワビ3種が国際自然保護連合により、絶滅危惧種に指定。また、日本の天然アワビ全体の漁獲量も年々減少しており、1970年に6000トン以上あった年間漁獲量は、2000年代に入って約2000トン、2020年には約669トンまで減っているといいます。
同社が養殖に取り組む予定のマダカアワビも大原町の名物として、一時は約300トンの漁獲量があったものの、20年以上、漁獲量がほぼゼロの状態が続いているそうです。
このままアワビの生息数が減少すれば、食用として気軽に楽しめるものではなくなるほか、ワシントン条約で国際取引が禁止される可能性もあると同社は考えています。大原漁港にある漁業協同組合も稚貝の放流などを行っていますが、減少に歯止めはかかっていないそうです。
「これからの日本の食文化のためにも、大原町の名物を再び取り戻すためにも、弊社はエゾアワビ、クロアワビに加え、マダカアワビの放流も含め、養殖体制の確立に取り組もうとしています」(同社)
同社によると、現在、日本国内で流通するアワビの約7割が韓国産の養殖アワビであり、2019年の韓国からの輸入量は約1818トンで、国産天然アワビの漁獲量の2倍以上だといいます。
アワビの養殖に取り組む日本企業もあるものの、人件費や光熱費、燃料費等のコストがかさみ、どうしても販売価格が上がってしまうそうです。一方、韓国では、人件費の安い南部地域で養殖が盛んなことやアワビの餌となる昆布が豊富なこと、初期投資が少なくて済む海面養殖がメインであることから、原価が安く、流通価格もキロ単価3000円ほどと安価だといいます(財務省貿易統計)。
(出典:FUNDINNO)
「日本で安定したアワビ養殖を実現するには、原価を抑えられる日本独自の養殖手法を確立する必要があります。弊社は『コスト削減』『アワビの育成効率向上』の2方向からアプローチすることにしました」(同社)
(出典:FUNDINNO)
水槽の管理要員「12人」→「1人」でコスト削減
同社は、1つ目のアプローチである「コスト削減」については、特殊な養殖設備とIoTの組み合わせにより、人件費を大幅に抑えています。
同社は、海面養殖よりも安定している「かけ流し方式」で陸上養殖を行っていますが、陸上養殖で最も手間がかかるのは、アワビの糞や餌の残りを除去して清潔に保つための水槽の掃除だといいます。清掃はバキュームのような道具で不純物を吸い取るか、いったん水を抜いてから掃除をする必要がありますが、従来の方法では、20メートル水槽1台に6人がかりで2~3時間かかるそうです。
同社が使用している水槽は、津波のような流れを起こして不純物を一気に押し流し、人力をかけずに掃除をすることができるため、1回に1分間、バルブを開けて、水を流す作業を3回繰り返すだけで、3分で掃除が完了するといいます。
さらに、水槽はセンサーによって監視されており、クラウドを通して、水流量・塩分濃度・酸素濃度・pH・水温のデータをPCやスマートフォンから確認でき、異常があれば、アラートが鳴るため、監視カメラと合わせて、見回りのための人件費を削減できるそうです。
これらのシステムにより、従来であれば、水槽50台の管理・清掃に12人必要になるところ、同社は1人で管理できるといいます。
同社によると、アワビは非常にデリケートで、ストレスがかかると餌を食べなくなるため、大きく育たず、死んでしまう場合もありますが、アワビにストレスをかけずに養殖することで死亡率を下げ、成長を早めるのが2つ目のアプローチ「アワビの育成効率向上」だといいます。
同社の養殖場は「海水に液体酸素を注入して酸素濃度を保つ」「適正な水温の管理」「場内を真っ暗にしてアワビを落ち着かせる」「アワビが好む水の流れを作る」等の取り組みにより、アワビにストレスがかからない環境を維持しているそうです。
また、自社の養殖装置に合った餌を開発し、オーストラリアから輸入しているといいます。一般的には魚を原料とした餌が使われますが、同社は小麦とルーピン(植物の一種)の茎を原料とした、環境にやさしい植物ベースの餌を使用、アワビの成長が早く、価格も安いのが特長だそうです。
アワビにとって快適な環境を作ることが、大きく、身のしっかりしたアワビを育てるためのポイントで、死亡率が減少すれば、同じコストで、より多くのアワビを出荷できるといいます。
一般的に、養殖アワビの死亡率は10%ほどですが、同社は5%以内を目標としており、達成に向けて順調に推移しているそうです。
(出典:FUNDINNO)
同社によると、かつて、大原海岸はマダカアワビの産地として、全国から潜水夫が集まり、活気にあふれていたそうです。マダカアワビの復活は雇用創出や地方創生にもつながるため、市や漁業協同組合、地域住民の悲願だといいます。
同社は「美食の街いすみ」を掲げるいすみ市と観光客へのPRや集客で連携していく計画で、漁業協同組合や地元の水産加工業者と協力し、アワビを使った食品の開発や港の朝市での販売等も予定。アワビ養殖場では漁業協同組合関係者や若者を優先して採用し、雇用機会を創出しています。
フランチャイズパートナーを開拓、各地で販売へ
同社は自社の養殖場でアワビの養殖・販売を行いつつ、フランチャイズ形式でパートナー企業に養殖ノウハウの使用を許諾し、収益源を多様化したい考えです。パートナー企業からは契約時にIP(知的所有権)使用料を受け取り、アワビの売上に応じたロイヤリティ(売上の1.5%を予定)や専用餌の販売により、継続した収益を確保するとしています。
すでに千葉県内でパートナー契約に向けた協議を行っており、一大消費地である東京都から近いこともあって、大きなニーズに応えるべく、房総エリアを挙げて取り組んでいきたい考えです。
遠方へ出荷するには輸送コストが大きく、輸送中に鮮度も落ちてしまうため、千葉県以外のエリア(北海道、東北、関東、中部、関西、九州など)ではパートナー企業を募集し、各地で販売を担ってもらうといいます。
同社は養殖アワビを中央卸売市場や大手食品問屋等のマスマーケットには展開せず、レストランや料亭、居酒屋等の飲食店へ直接販売する計画です。広く安く売るよりも「大原の養殖アワビ」ブランドを確立し、安さだけではなく、品質とおいしさも求める顧客に提供していくとしています。
すでに試験養殖のアワビを飲食店に販売し、品質や味について高評価を得ているといい、「自然条件に左右されない安定した価格」「要望に応じたサイズで提供可能」など養殖ならではの強みを生かし、「大原の養殖アワビ」を広めていきたい考えです。
(出典:FUNDINNO)
同社の養殖手法は業務提携先のオーストラリア企業から国内独占使用権を認められた技術を元に、同社が日本の環境に合わせてアレンジしたものであり、特許申請を行うと詳細が公開され、模倣される恐れがあるため、特許化はしていないそうです。
「この養殖手法は、従来、日本で行われてきたアワビ養殖の常識とは異なる画期的な方法であり、強力な競合優位性があると自負しています」(同社)
今後の成長に向けて
(1)稚貝の孵化・育成体制を整え、養殖コストのさらなる削減へ
同社は現在、稚貝を外部から購入して養殖を行っていますが、絶滅危惧種に指定されたこともあり、今後、購入が難しくなる可能性もあるため、稚貝の需要は増加しているといいます。そこで、自社で稚貝を孵化させ、稚貝から成貝まで一貫して養殖できる体制を整える予定です。
稚貝の市場価格は1個90円ほどですが、自前で孵化させて育てれば、半値以下で済むといい、さらなるコスト削減を見込んでいます。また、パートナー企業に稚貝を安価で提供できると考えています。
稚貝の養殖場については、いすみ市内の海岸の敷地を借りる計画で2023年5月に着工、年内をめどに孵化事業を開始する予定です。
(2)アワビ養殖の排水等を活用したアクアポニックスでSDGsに貢献
従来の水産養殖と作物の水耕栽培を組み合わせたアクアポニックスは、SDGsの観点から注目されているシステムだといい、同社もアワビ養殖の排水を活用して今年4月から、スジアオノリ養殖を開始する計画です。排水に含まれるアワビの糞や餌の残りを使ったナマコの養殖も予定しています。
スジアオノリ養殖はテストが完了し、今年4月に商用生産を開始予定です。乾燥海苔1キロは約1キロのCO2を消費するため、カーボンニュートラルの面でも持続可能な社会の実現に貢献できると考えています。
将来的には洋上風力発電と連携し、風力発電でアワビを養殖する「SDGs養殖パーク」の建設も構想しており、養殖場を見学できる観光施設・教育施設としても整備し、環境と地元のにぎわいに貢献していきたい考えです。
(3)将来のEXITはIPOを想定
(出典:FUNDINNO)
(4)2030年までにアワビの年間販売量約9.9万キロを計画
(出典:FUNDINNO)
株主構成
同社は株式で事業会社より、新株予約権で個人より出資を受けています。
類似上場企業(業態やサービス・製品などで類似性の見られる企業)
・ゼネラル・オイスター <3224> [東証G]
・東京一番フーズ <3067> [東証P]
・フィード・ワン <2060> [東証P]
・関門海 <3372> [東証S]
・OUGホールディングス <8041> [東証S]
・ヨンキュウ <9955> [東証S]
株主優待
【基準日】
毎年5月末日
【優待内容】
大原養殖場で育った養殖アワビ、アワビ養殖場の排水で育てる仕組み「アクアポニックス」で育った養殖ノリ、オーストラリア・タスマニア海域で育てた養殖アワビの煮貝をセットで贈呈
・200株以下:養殖アワビ(7センチ)6個、養殖ノリ2セット、煮貝1個
・201~400株:養殖アワビ(7センチ)10個、養殖ノリ2セット、煮貝2個
・401株以上:養殖アワビ(7.5センチ)12個、養殖ノリ4セット、煮貝4個
【申し込み方法】
・毎年12月ごろ発送。
・出荷時期が近づいたらIRで告知。希望者は案内されたメールアドレス宛に申し込む。
【注意事項】
・関東圏在住者は当日便で発送。
・商品到着日当日は、アワビの肝も含めて刺身で食べられる。
・商品到着日翌日は、アワビの身は刺身で食べられるが、肝は要加熱。
・すぐに食べない場合は冷凍し、解凍後なるべく早く、バター焼きや酒蒸しなどで食べるのがおすすめ。
・優待内容は変更の可能性あり。
発行者・募集情報
■募集株式の発行者の商号及び住所、資本金等
A'Culture株式会社
千葉県いすみ市深堀1885番地2
資本金:8,000,000円(2023年1月26日現在)
発行済株式総数:800,000株(同)
発行可能株式総数:3,000,000株
設立日:2020年8月4日
決算日:3月31日
■募集株式の発行者の代表者
代表取締役 小山義彦
■募集株式の種類及び数(上限)
普通株式 130,400株
■募集株式の払込金額
1株あたり 460円
■資金使途
・目標募集額達成時の資金使途内訳
調達額1,499万円を以下の目的に充てる予定。
アワビの孵化場の建設費 1,169万円
手数料 329万円
・上限募集額達成時の資金使途内訳
上記に追加し、調達額4,498万円(目標募集額1,499万円と上限募集額5,998万円との差額)を以下の目的に充てる予定。
第2養殖場の建設費 3,509万円
手数料 989万円
■投資金額のコース及び株数
92,000円コース(200株)
184,000円コース(400株)
276,000円コース(600株)
368,000円コース(800株)
460,000円コース(1,000株)
920,000円コース(2,000株)
1,840,000円コース(4,000株)
2,760,000円コース(6,000株)
3,680,000円コース(8,000株)
4,600,000円コース(10,000株)
5,520,000円コース(12,000株)
6,440,000円コース(14,000株)
7,360,000円コース(16,000株)
8,280,000円コース(18,000株)
9,200,000円コース(20,000株)
※特定投資家口座以外からの申し込みの場合、460,000円コース(1,000株)までしか申し込みできない。特定投資家口座からの申し込みの場合、9,200,000円コース(20,000株)を上限とする。
■申込期間
2023年4月13日~4月22日
■目標募集額
14,996,000円(上限募集額 59,984,000円)
※特定投資家口座全体からの申し込みの上限は47,932,000円とする。
■払込期日
2023年5月18日
■連絡先
A'Culture株式会社
電話番号:0470-62-5235
メールアドレス:ayukurobane@gmail.com
※本株式投資型クラウドファンディングの詳細については、FUNDINNOの下記ページをご覧ください。
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