米CPI発表を前に売り仕掛け的な動きがあれば、押し目を狙いたいところ/オープニングコメント
12日の日本株市場は、やや買い優勢の相場展開が見込まれる。11日の米国市場はNYダウが98ドル高だった半面、S&P500、ナスダックは下落した。イエレン財務長官が信用縮小の兆候が見られないと金融混乱の悪化回避を示唆、国内経済が並外れて強いとの見解を示したためダウは続伸した。一方で、重要インフレ指標の発表を控えた警戒やNY連銀のウィリアムズ総裁があと1回の利上げが妥当と言及すると、金利が上昇に転じたためハイテクは終日軟調に推移。シカゴ日経225先物清算値は大阪比85円高の28025円。円相場は1ドル133円60銭台で推移している。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買いが先行する格好となろう。日経225先物はナイトセッションで27870円まで売られる場面が見られたが、その後は切り返して28000円を上回っての推移を継続していた。28000円での底固めが意識されるなか、押し目買い意欲は強そうである。12日の米国では3月の消費者物価指数(CPI)の発表を控えていることもあり、買い一巡後は次第にこう着感が強まる可能性はあるものの、売り仕掛け的な動きがあれば、押し目を狙いたいところだろう。
日経平均は昨日はマドを空けての上昇で抵抗線として意識されていた25日線を突破した。25日線辺りまでの調整は想定しつつ、4月4日の戻り高値水準が目先的なターゲットとなりそうだ。昨日のバフェット氏の発言によってショートは仕掛けづらく、商社株のほかバリュエーション面での割安感が意識される銘柄へは資金流入が期待されそうだ。また、為替市場では1ドル133円60銭台と円安傾向を見せていることもあり、輸出関連などへの資金流入もありそうだ。
一方で、米ハイテク株がさえないことから、昨日指数をけん引していた値がさハイテク株などへは利益確定の売りが先行しそうである。そのため、ディフェンシブ銘柄への資金シフトが意識されるほか、決算シーズンに入ってきたことから、業績面を手掛かりとした個別物色は活発になりそうだ。なお、昨夕決算を発表したところでは、パルHD<2726>、セラク<6199>、イオンモール<8905>、竹内製作<6432>、Jフロント<3086>、わらべ日洋<2918>辺りの動向が注目される。
《AK》