株価指数先物【寄り前コメント】 やや売り優勢の展開も、権利行使価格2万7875円処では押し目狙いのスタンス
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 27900 -190 (-0.67%)
TOPIX先物 1990.0 -8.0 (-0.39%)
シカゴ日経平均先物 27945 -145
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
12日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が下落。朝方発表された3月の米消費者物価指数(CPI)では、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が前月比0.4%上昇となり、2月(0.5%上昇)から鈍化した。米国の利上げが長引くとの懸念が和らぎ、景気敏感株の一角に買いが先行するなか、NYダウの上げ幅は一時200ドルを超えた。ただ、買いは続かず、米連邦準備理事会(FRB)が公表した3月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて、金融不安の経済への悪影響が改めて意識されて下落に転じた。S&P500業種別指数は資本財、家庭用品・パーソナル用品、商業サービス・用品が上昇した一方で、自動車・同部品、半導体・同製造装置、食品・生活必需品小売が下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比145円安の2万7945円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比10円高の2万8100円で始まり、2万8070円~2万8130円辺りでこう着。その後レンジを上放れ、一時2万8240円まで買われた。だが、米国市場の取引開始後に軟化し下げに転じると、2万7910円まで下落。売り一巡後に2万8100円とプラス圏を回復する場面も見られたが、終盤にかけて再び下へのバイアスが強まり、2万7900円とナイトセッションの安値で取引を終えた。
日経225先物は、やや売り優勢の展開になりそうだ。米国市場ではCPIの発表を受けて、いったんは買われたものの、FOMC議事要旨で売られる格好だった。米長期金利が低下するなかでもハイテク株が売られ、ナスダックは3日続落となり、SOX指数は1.8%超の下落だった。指数インパクトの大きい値がさハイテク株は手掛けづらくなり、指数の重荷となりそうだ。
日経225先物は一時2万8240円まで買われ、昨年8月以降、上値を抑えられている週足のボリンジャーバンドの+2σ(現在は2万8260円水準)に接近した。テクニカル面では上値追いは慎重になる水準である。一方、日足の+1σ(2万8030円)をキープできなかったことで、オプション権利行使価格の2万7875円を中心とした上下の権利行使価格である2万7750円~2万8000円処での推移が意識されそうである。
とはいえ、バフェット氏の発言によって、ショートは仕掛けづらい需給状況にあるとみられる。そのため、オプション権利行使価格の2万7875円近辺では押し目狙いのスタンスに向かわせよう。底堅さが意識されるなかで再びボリンジャーバンドの+1σを捉えてくる局面に向かうようだと、オプション権利行使価格の2万8000円~2万8250円にレンジを切り上げてくる展開を想定しておきたい。
また、VIX指数は19.09(11日は19.10)に低下した。この日も一時20.70まで上昇する場面が見られたが、その後は落ち着いた動きだったこともあり、リスク回避姿勢は強まっていないだろう。昨日のNT倍率は先物中心限月で13.99倍に低下した。ハイテク株が手掛けづらいなかでNTショートに傾きやすいものの、切り上がる25日移動平均線が支持線として意識されていることもあり、NTショートを組成しつつも、ハイテク株の底堅さが見られる局面では、日経225先物のショート比率を引き下げる格好になりそうだ。
株探ニュース