話題株ピックアップ【夕刊】(2):エーアイテイ、イオン、吉野家HD
■エーアイテイー <9381> 1,630円 +70 円 (+4.5%) 本日終値
エーアイテイー<9381>は大幅高。この日正午ごろ、23年2月期の好調な決算と、24年2月期の良好見通しを発表。あわせて、東証プライム市場の上場維持基準に適合したことを開示しており、これらが好感された。23年2月期決算は売上高が前の期比15.9%増の694億6300万円、営業利益が同47.7%増の52億8800万円だった。海上運賃が高い水準で推移したことや円安の進行が追い風となった。24年2月期は売上高が前期比0.8%増の700億円、営業利益が同0.2%増の53億円の見通し。配当は前期比据え置きの80円を見込む。あわせて、東証プライム上場維持基準の適合に向けた計画の進捗状況を開示した。同基準のうち「流通株式時価総額」の条件のみ満たしていなかったものの、改善を行ってきた結果、今年2月28日時点ですべての基準に適合したという。
■イオン <8267> 2,664円 +70 円 (+2.7%) 本日終値
イオン<8267>が4連騰、中期波動の分水嶺である75日移動平均線との下方カイ離を解消し底値圏離脱の動きを鮮明化させている。同社が12日取引終了後に発表した23年2月期の決算は売上高にあたる営業収益が前の期比4.6%増の9兆1168億2300万円と2期連続で増収を確保し過去最高を更新した。また、本業のもうけを示す営業利益も同20.3%増の2097億8300万円と大幅な伸びを達成した。売上高9兆円台は国内小売業界でセブン&アイ・ホールディングス<3382>に次ぐ第2位。プライベートブランド(PB)の売り上げが好調で全体を牽引したほか、事業構造改革による収益体質の向上も寄与した。更に24年2月期の業績予想についても、営業収益が前期比3.1%増の9兆4000億円、営業利益は同4.9%増の2200億円と増収増益を見込んでいる。営業利益は新型コロナウイルスによる影響が出る前の20年2月期に達成した2155億3000万円を4期ぶりに上回る見通しで、ピーク利益更新となる。
■吉野家ホールディングス <9861> 2,524円 +44 円 (+1.8%) 本日終値
吉野家ホールディングス<9861>が5連騰。12日の取引終了後、23年2月期の連結決算発表にあわせ、24年2月期の業績予想を公表した。今期の売上高は前期比4.7%増の1760億円、営業利益は同33.9%増の46億円となる見通しを示した。最終利益は同66.8%減の24億円と大幅な最終減益の計画とあって、朝方はこれを嫌気した売りが膨らんだが、売り一巡後は切り返す展開となった。今期は経済活動の再開による人流増加を想定。客数の獲得と成長投資の加速を最優先として取り組む方針で、グループの基幹事業である吉野家において100店舗以上の改装を行う計画という。
■フジ <8278> 1,788円 +20 円 (+1.1%) 本日終値
フジ<8278>が5連騰。12日の取引終了後、23年2月期の連結決算発表にあわせ、24年2月期の業績予想を開示した。今期の経常利益は前期比1.0%増の135億円と最高益を更新する見通しとなり、好感されたようだ。営業収益は同1.4%増の7959億円を見込む。フジ・リテイリングでは愛媛県や広島県を中心とした新規出店や、既存店の改装による活性化を進める方針。大型改装が完了したエミフルMASAKIの伸長と、ラクア緑井も寄与すると想定する。マックスバリュ西日本は創業40周年を迎えることから、関連企画、記念商品開発などにも取り組むという。
■三菱電機 <6503> 1,559.5円 +10.5 円 (+0.7%) 本日終値
三菱電機<6503>が5日続伸。大和証券は12日、三菱電のレーティングを「3」から「2」に引き上げた。目標株価は1800円。産業エレクトロニクスセクターの23年1~3月期の企業決算に関して、同証券は17社中、三菱電を含む10社が営業増益になると予想。同セクターについて、10~12月期と同様、FA(ファクトリーオートメーション)などの受注残が豊富にあり、部品不足もやや緩和方向にあるとの見方を示した。三菱電に関しては価格改定効果も寄与し始めていると指摘。自動車事業の構造改革に加え、IR体制の強化など企業としての変化も感じられるとしている。
■ホギメディカル <3593> 3,150円 +15 円 (+0.5%) 本日終値
ホギメディカル<3593>が堅調。12日の取引終了後に発表した自己株式の消却と、年間配当の増額見通しを好感した買いが入ったようだ。同社は消却前の発行済み株式総数の22.7%に相当する自己株式742万5347株について、4月21日に消却する予定。24年3月期の年間配当は前期比9円増配の80円を見込む。今期の売上高は同4.9%増の408億9000万円、最終利益は同20.5%減の34億3000万円の見通し。医療現場における手術の効率化に寄与する主力製品「プレミアムキット」の需要拡大が見込まれるなか、同製品の生産体制を強化することに伴い、償却費の増加による原価率の上昇を見込む。
■ベル24HD <6183> 1,374円 -49 円 (-3.4%) 本日終値 東証プライム 下落率9位
ベルシステム24ホールディングス<6183>が軟調。12日の取引終了後、23年2月期の連結決算発表にあわせ、24年2月期の業績予想を開示した。今期の最終利益は前期比5.7%減の88億円を見込む。同時に25年度を最終年度とする中期経営計画を公表し、同年度に売上高を1800億円、営業利益を165億円(24年2月期は前期比7.5%減の138億円の見通し)とする目標を示したものの、今期の減益計画を嫌気した売りが優勢となったようだ。24年2月期の売上収益は前期比0.6%増の1570億円を見込む。主力のコールセンター業務において、企業からのアウトソース需要の回復を見込む半面、新型コロナウイルス感染症関連の業務は減少する見込み。新会計システムの導入・運用費用なども業績予想に織り込んだ。
■三菱UFJ <8306> 850.7円 -4.2 円 (-0.5%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>が軟調に推移。米国時間12日公表の3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、米国で地銀の破綻が相次ぎ金融システム不安が広がったことなどを背景に、複数の参加者が、利上げの見送りを検討していたことが明らかとなった。金融市場においては5月のFOMCにおいて0.25%の利上げが実施されるとの見方がなお優勢。だが米短期金融市場が織り込む利上げ据え置きの確率は足もとでやや上昇基調にあり、米長期金利も時間外取引で低下圧力が掛かっている。FRBが利上げを停止すれば、日銀がイールドカーブ・コントロール(YCC)の解除に踏み込むことは難しいとの見方から、銀行株に対しては利ザヤ改善への期待が後退する格好となったようだ。
■ポプラ <7601> 196円 +50 円 (+34.3%) ストップ高 本日終値
ポプラ<7601>が後場ストップ高。この日、23年2月期の連結決算発表にあわせ、24年2月期の業績予想を開示した。営業利益は前期比3.9倍の2億1700万円、最終利益は同2.5倍の2億6700万円を見込む。業績回復を期待した買いが入ったようだ。営業総収入は同7.3%減の121億1000万円を見込む。加えて、26年2月期までの新たな中期事業計画を策定したと発表。最終年度の全店売上高を365億3000万円、営業利益を3億2400万円とする目標を掲げる。同社は23年2月期末時点で債務超過の状況となっているが、収益改善策を進め早期の債務超過解消を目指す姿勢も示している。
■アズ企画設計 <3490> 2,166円 +400 円 (+22.7%) ストップ高 本日終値
アズ企画設計<3490>は急騰。同社は12日取引終了後、24年2月期通期の単独業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比31.0%増の6億4800万円としていることが好感されているようだ。売上高は同26.9%増の118億9200万円を見込む。主力の不動産販売事業では、取り扱い商品の大型化や多様化を進めるために仕入れを強化するほか、新たな事業として取り組んでいる不動産開発事業やプレミアムマンション事業を軌道に乗せ、更なる売り上げ及び利益の拡充を図る方針。不動産賃貸事業と不動産管理事業については、収益の原資となる管理戸数の増加を目指し、営業体制の強化や業務の効率化を進めるとしている。
株探ニュース