JPモルガンが好決算を受け上昇 NIIの見通しを上方修正 預金流出も確認されず=米国株個別
JPモルガン<JPM>に買いが強まっている。取引開始前に1-3月期決算(第1四半期)を発表し、1株利益、経常収益とも予想を上回った。金利上昇の恩恵を受け、純受取利息(NII)も予想以上に拡大した。また、市場が懸念していた預金残高も2.38兆ドルと予想外に拡大。市場予想(2.33兆ドル)も上回り、預金流出は確認されなかった。
トレーディング部門は株式は予想を下回ったものの、債券・為替・商品(FICC)は好調を維持。また、通期のNIIの見通しを810億ドルに上方修正している。今回は満点の決算だったようだ。
同銀のダイモンCEOは声明で「米経済は引き続き、総じて堅調だ。消費者は支出を続けておりバランスシートも健全で、企業も良い状態にある」と指摘。その上で「しかしながら、過去1年にわたり当行が見守ってきた波乱の前兆は依然として見えており、銀行業界の問題がこうしたリスクに加わった」と指摘した。
(10-12月・第4四半期)
・1株利益(調整後):4.10ドル(予想:3.38ドル)
・経常収益(調整後):393.4億ドル(予想:368.3億ドル)
FICCトレーディング:57.0億ドル(予想:52.5億ドル)
株式トレーディング:26.8億ドル(予想:27.5億ドル)
投資銀行:15.6億ドル(予想:15.4億ドル)
CIB:83.8億ドル(予想:79.9億ドル)
純受取利息(NII):208.3億ドル(予想:191.2億ドル)
・融資残高:1.13兆ドル(予想:1.13兆ドル)
・預金残高:2.38兆ドル(予想:2.33兆ドル)
・利付資産利回り:2.63%(予想:2.39%)
・貸倒引当金:22.8億ドル(予想:23.1億ドル)
(通期見通し)
・純受取利息(NII):810億ドル(従来:730億ドル)(予想:737億ドル)
(NY時間09:32)
JPモルガン<JPM> 135.77(+6.78 +5.26%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美