ダウ平均は反落 指標はまちまちも売り強める JPモルガンは上昇もボーイング下落=米国株概況
NY株式14日(NY時間16:21)
ダウ平均 33886.47(-143.22 -0.42%)
S&P500 4137.64(-8.58 -0.21%)
ナスダック 12123.46(-42.81 -0.35%)
CME日経平均先物 28555(大証終比:+135 +0.47%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は反落。この日発表の経済指標は強弱まちまちだったが、株式市場は売りの反応を強めた。その中で米小売売上高の数字に着目した指摘が出ている。この数字をきっかけに、場合によっては2回の利上げの可能性を織り込む動きが出ている。5月の利上げ確率は80%まで高まっており、ほぼ確実視している状態。一方、市場は6月の利上げの可能性も一部織り込み始めているという。
米小売売上高は総合と自動車を除いたコアの数字は前月比で予想以上の減少を示したものの、自動車とガソリン、建材を除いた数字が予想ほど減少したかった点に市場は注目したとしている。FRBが年内に少なくとも1回、場合によっては2回の利上げを実施する可能性があるとの見方を示しめたという。
FOMC委員のコメントも、引き続き今後の引き締めを示唆している点もあるとしている。現状、6月の利上げ確率は20%程度。前日は5%程度だった。
一方、先週末の米雇用統計から今週の米CPI、米PPIなど一連の指標を通過して、市場は5月FOMCでの利上げ予想を固めたようだ。半面、早期利上げ停止および年内利下げ期待も同時に高めていた。そのため、今週の株式市場は全体的に堅調な流れを維持していたが、イベントを通過して、本日はポジション調整中心の展開だったのかもしれない。来週は重要な米経済指標の発表は少ない。
取引開始前にJPモルガン<JPM>の決算が発表になり、同社株は買いが強まった。1株利益、経常収益とも予想を上回ったほか、金利上昇の恩恵を受け、純受取利息(NII)も予想以上に拡大した。また、市場が懸念していた預金残高も2.38兆ドルと予想外に拡大し、預金流出は確認されなかった。市場には安心感が広がっている模様。
一方、ダウ採用銘柄の中でJPモルガンの上昇を打ち消したがボーイング<BA>。前日引け後に製造上の問題が報告されたとして737MAXの一部の引き渡しを停止すると発表した。ただ、運航の安全性には影響しないとしている。 737のアルミフレーム組み立ての多くを請け負うスピリット・エアロシステムズ<SPR>から12日に、この問題の報告が正式にあったと説明。
今回の決算にへの期待は小さい。企業が根強いインフレと金利上昇に対処する中、アナリストは第1四半期のS&P500企業の利益は5%以上の減益を予想している。
電気自動車(EV)のルーシッド<LCID>が下落。第1四半期の暫定出荷台数を公表しており、1406台と予想(1835台)を下回った。
電気自動車(EV)のリビアン・オートモーティブ<RIVN>が下落。アナリストが投資判断を「中立」に引き下げ、目標株価を15ドルに設定した。
「VANS」や「The North Face」などのアパレルブランドを所有するVF<VFC>が上昇。アナリストが投資判断を「売り」から「買い」に2段階引き上げた。
ヘリオジェン<HLGN>が大幅高。同社は人工知能(AI)を活用したモジュール式の集光型太陽光発電プラントを開発。同社の発表によると、コンティニューアム・リニューアブルズ社から未承諾で拘束力のない買収提案を受けとったことを明らかにした。
JPモルガン<JPM> 138.73(+9.74 +7.55%)
ボーイング<BA> 201.71(-11.88 -5.56%)
スピリット・エアロ<SPR> 28.22(-7.38 -20.73%)
ルーシッド・グループ<LCID> 7.73(-0.52 -6.30%)
VF<VFC> 22.48(+0.66 +3.02%)
リビアン<RIVN> 13.38(-0.99 -6.89%)
ヘリオジェン<HLGN> 0.34(+0.04 +14.10%)
アップル<AAPL> 165.21(-0.35 -0.21%)
マイクロソフト<MSFT> 286.14(-3.70 -1.28%)
アマゾン<AMZN> 102.51(+0.11 +0.11%)
アルファベットC<GOOG> 109.49(+1.30 +1.20%)
テスラ<TSLA> 185.00(-0.90 -0.48%)
メタ・プラットフォームズ<META> 221.49(+1.14 +0.52%)
AMD<AMD> 91.75(-0.34 -0.37%)
エヌビディア<NVDA> 267.58(+2.95 +1.11%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美