株価指数先物【寄り前コメント】 ロングは強まりづらいが、権利行使価格の2万8625円と2万8750円処が目先のターゲットに
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 28600 +70 (+0.24%)
TOPIX先物 2036.0 +7.5 (+0.36%)
シカゴ日経平均先物 28590 +60
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
17日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米金融サービスのチャールズシュワブ<SCHW>が発表した1-3月期決算は市場予想を上回った。3月に金融システムを巡る不安が高まったなかでも業績が堅調だったと受け止められ、センチメントの改善につながった。また、4月のニューヨーク連銀製造業景況指数はプラス10.8となり、3月のマイナス24.6から大きく改善し市場予想も上回ったことで、景気敏感株の一角が買われた。経済指標の上振れにより、米連邦準備理事会(FRB)が5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げに踏み切るとの見方は重荷となったものの、終盤にかけて金融株を中心に買い戻された。S&P500業種別指数は不動産、銀行、保険が上昇した一方で、メディア、エネルギー、医薬品・バイオテクノロジーが下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比60円高の2万8590円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比20円高の2万8550円で始まり、その後は売り優勢のなかで2万8430円まで売られた。米国市場の開始後に2万8540円まで買い戻されたが、買い一巡後は2万8470円~2万8520円辺りで保ち合いを継続。ただし、終盤にかけてショートカバーが強まり、2万8600円とナイトセッションの高値で取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い優勢の展開になりそうだ。前日まで7営業日続伸とリバウンド基調を継続するなか、過熱感が警戒されやすい面は意識されそうだ。週足のボリンジャーバンドでは、昨年8月と11月のリバウンド局面で上値抵抗線として機能していた+2σ(現在値:2万8580円水準)を上回ってきたこともあり、ロングポジションを圧縮する動きが入りやすいだろう。
一方で、日足ベースではバンドが切り上がりを見せており、+2σは2万8755円、+3σは2万9320円処で推移しているため、過熱感はそれほど高まっていない。そのため、ショートは避け、押し目狙いのロング対応が有効と考えられる。節目の2万8500円を下回る局面での底堅さも見られている。2万8500円辺りでの底固めを意識しつつ、オプション権利行使価格の2万8625円および2万8750円辺りを目先的なターゲットとして想定しておきたい。
VIX指数は16.95に低下しており、終値で17.00を割り込んだのは2021年12月29日以来となる。日米ともに主力企業の決算発表を控え、積極的なロングが強まる展開は期待しづらいものの、売り圧力が強まる流れにはならないと考えられる。リスク選好のなか、断続的なショートポジションを圧縮する動きになりそうだ。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.06倍に低下した。14日の上昇で14.12倍まで上げており、抵抗線として意識される200日移動平均線を上回る場面を見せてきたこともあり、いったんは利益確定に伴うNTロングのポジションを巻き戻す流れだった。米国ではチャールズシュワブの決算を受けて金融株が買われているほか、為替市場では1ドル=134円40銭台と円安に振れて推移するなかで輸出関連への資金流入が見込まれるため、NTショートによるスプレッド狙いが見込まれる。
株探ニュース