話題株ピックアップ【昼刊】:NOK、ウェルスナビ、高島屋
■NOK <7240> 1,780円 +239 円 (+15.5%) 11:30現在 東証プライム 上昇率トップ
NOK<7240>が急騰。同社は自動車向け油封部品(オイルシール)のトップメーカーで、高技術力をバネに電子デバイス分野への展開にも力を入れている。19日取引終了後、株主還元策の強化を発表、26年3月期を最終年度とする新中期経営計画期間中の3年間で総額675億円を下限とした株主還元を実施することを発表、これがポジティブサプライズとなった。なお、23年3月期の年間配当については従来計画に25円増額し、75円とすることを発表している。同社株はPBRが0.5倍台と非常に低く、東証の低PBR改善要請にも反応する形となっており、目先物色人気が集中する格好となった。
■ウェルスナビ <7342> 1,268円 +125 円 (+10.9%) 11:30現在
19日に発表した「WealthNavi預かり資産8000億円突破」が買い材料。
ロボアドバイザー「WealthNavi」の預かり資産が8000億円を突破。
■高島屋 <8233> 2,059円 +65 円 (+3.3%) 11:30現在
高島屋<8233>が3日続伸し、年初来高値を更新した。日本政府観光局が19日発表した3月の訪日外客数(推計)は181万7500人となった。コロナ禍前の19年3月との比較では34.2%減にとどまったが、前年同月となる22年3月比では27.5倍。23年2月との比較では23.2%の増加となった。訪日外客数の回復基調を受け、インバウンド消費の更なる回復を期待した買いが百貨店株に入ったようだ。J.フロント リテイリング<3086>は連日で年初来高値を更新。三越伊勢丹ホールディングス<3099>、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>、松屋<8237>も堅調に推移している。日本に向けた航空路線の座席数が回復途上にあるなか、中国からの訪日外国人客はなお低調な状況となっているものの、米国や欧州、オーストラリア、中東地域からの訪日外客数の大幅な増加が全体を押し上げ、3月の訪日外客数は22年10月の個人旅行再開以降で最高となった。桜の開花が進み訪日需要が高まったことや、クルーズ船の運航再開なども寄与したようだ。
■クボタ <6326> 2,004.5円 +32.5 円 (+1.7%) 11:30現在
クボタ<6326>が反発している。19日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感されている。上限を1300万株(発行済み株数の1.09%)、または200億円としており、取得期間は4月20日から12月18日まで。株主還元策の一環として、1株あたりの価値を向上させることが目的としている。
■T&Dホールディングス <8795> 1,708円 +26 円 (+1.6%) 11:30現在
T&Dホールディングス<8795>や第一生命ホールディングス<8750>など保険株が堅調。みずほフィナンシャルグループ<8411>や三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>など銀行株が上昇している。前日に三井住友フィナンシャルグループ<8316>がAT1債の発行条件を決めた。クレディ・スイス・グループ<CS>がAT1債を無価値として以降、発行再開は世界の主要行で初とみられている。またFRBが19日に公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)では、一部地域で銀行の貸出基準が引き締められたとの指摘があった一方、経済活動全般ではほとんど変化が見られなかったとの見方が示された。金融システムの正常化への期待を一段と強める結果となり、金融株への買いを誘ったようだ。更に、19日夜には、日本銀行が今月27~28日に開く金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)政策を修正することに慎重な意見が行内で広がっていると一部で報じられた。決定会合まで残された日数を考慮すると、市場の反応を確かめるための観測気球的な報道と受け止める向きもあり、日銀がサプライズ的に政策修正をするシナリオへの思惑がなお残っているようだ。東証の業種別指数の銀行業と保険業の上昇率は上位にある。
■三浦工業 <6005> 3,360円 +25 円 (+0.8%) 11:30現在
三浦工業<6005>は反発している。19日の取引終了後、住友ゴム工業<5110>に水素燃料の貫流蒸気ボイラ「SI-2000 20S」を納入し、白河工場(福島県白河市)で今年1月に稼動を開始したと発表しており、好材料視されている。住友ゴは白河工場において新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として「水素エネルギーの地産地消と、工業的熱利用による温室効果ガス総合的削減実証研究」を行っており、その熱利用機器として三浦工の水素燃料の貫流蒸気ボイラ1台が採用さたという。なお同社としては初めて、副生以外の水素を燃料とした高圧貫流ボイラが生産ラインで実運用を行うことになる。
■いちご <2337> 260円 -23 円 (-8.1%) 11:30現在 東証プライム 下落率トップ
いちご<2337>が急落し、年初来安値にツラ合わせした。19日の取引終了後、23年2月期の連結決算発表にあわせ、24年2月期の業績予想を開示した。今期の経常利益は前期比44.7%減の60億円を計画。大幅な経常減益の見通しとなったことを嫌気した売りが膨らんだようだ。金利スワップ差益や、アセットマネジメント部門での物件売却による成果報酬がはく落する。一方、特別損失のはく落などを背景に、今期の最終利益は同6.3%増の100億円を予想する。23年2月期の売上高は前の期比19.6%増の680億9300万円、経常利益は同45.2%増の108億4800万円だった。年間配当はこれまでの予想から1円増額の8円で決定。今期の年間配当も8円を継続する予定とした。
■ソフトバンクグループ <9984> 5,100円 -79 円 (-1.5%) 11:30現在
ソフトバンクグループ<9984>が軟調。スイスの金融大手であるクレディ・スイス・グループ<CS>が、イギリスの金融会社グリーンシル・キャピタルの経営破綻を巡り、SBGに約4億4000万ドルの賠償を請求したことが19日明らかになったと伝わった。これを嫌気した売りが出たようだ。クレディ・スイスはロンドンの高等裁判所に提訴した。報道によると、問題となったのはグリーンシルが関与するサプライチェーンファイナンス(SCF)ファンドにあったクレディ・スイスの顧客資金。2021年に破産申請し、SBGの出資を受けていた米新興建設会社のカテラに、グリーンシルの融資を通じて渡っていた。クレディ・スイスは、同社の顧客資産が実質的に回収できなくなった事実を、SBGが把握していたと主張しているという。SBGは訴えに正当性はないとし、法廷で争う構えだとも報じられている。
■ダイワ通信 <7116> 1,914円 +400 円 (+26.4%) ストップ高 11:30現在
ダイワ通信<7116>がストップ高。同社は19日、ヤマトホールディングス<9064>傘下のヤマト運輸との間で、AI顔認証送迎用バス置き去り防止安全装置「Face Roll Call(フェイス・ロール・コール)」の取り付け業務委託契約を締結したと発表。これを買い材料視する見方が急速に強まっているようだ。これにより、ヤマトグループが持つ物流と自動車整備の全国ネットワークやノウハウを活用し、送迎バスを保有する事業者へ直接訪問した上での設置作業が可能になるという。同装置は国土交通省が策定したガイドラインに適合した製品として、内閣府が作成する適合品リストに掲載されている。
■True Data <4416> 658円 +100 円 (+17.9%) ストップ高買い気配 11:30現在
True Data<4416>がストップ高カイ気配となっている。同社は19日取引終了後、小売業向け顧客ロイヤルティー向上ソリューション「Shopping Scan for LINE」の提供を開始すると発表。これが材料視されているようだ。このサービスは、購買データを有効活用してデジタル販促の効果を高められる点が大きな特徴で、販売開始は5月1日を予定。小売業のID-POSデータで顧客の購買行動や嗜好、ニーズを人工知能(AI)で分析し、顧客のグループ・クラスタリングにもとづいて、小売業のLINE公式アカウントからクーポンやセール情報などを配信することで、より顧客ニーズにあった体験を提供して満足度を高めることができるという。
■関門海 <3372> 264円 +26 円 (+10.9%) 11:30現在
関門海<3372>が急騰。ここ活発化している低位株の物色人気に乗り、一時20%を超える上昇をみせ287円まで駆け上がる場面があった。格安ふぐ料理店をチェーン展開するが、コロナ禍から脱して客足が復調し足もとの業績は回復色をみせている。ふぐ料理は訪日外国人にも人気があり、今後はインバウンド特需にも期待がかかる。そうしたなか、同社は19日取引終了後、株主優待券の対象を「税込4000円以上のコース料理すべて」(現行はとらふぐ料理「玄・醍醐・天楽」コースのみ)に変更することを発表した。顧客ニーズに対応し実質的な還元強化に相当する効果がある。これを手掛かり材料に投資資金を呼び込む形となっている。
■Jティッシュ <7774> 568円 +55 円 (+10.7%) 一時ストップ高 11:30現在
ジャパン・ティッシュエンジニアリング<7774>が急伸。100円高はストップ高となる613円をつけた。19日の取引終了後、親会社の帝人<3401>との間で再生医療受託事業(CDMO事業)に関するライセンス契約を締結したと発表。これに伴い、マイルストン収入やロイヤルティー収入を受領するとしており、これを手掛かりにした買いを集めている。今回の契約では、J・TECのCDMO事業に関するノウハウを非独占的に帝人へ提供する。ライセンス供与の対価として、帝人が実施するCDMO事業の立ち上げ段階に応じたマイルストン対価(総額最大3億7000万円)と、同事業の売り上げに連動したランニングロイヤルティーを受領する。マイルストン対価の一部は24年3月期第1四半期に売り上げとして計上する。同件による23年3月期業績への影響はないという。
■八洲電機 <3153> 1,336円 +93 円 (+7.5%) 11:30現在 東証プライム 上昇率5位
八洲電機<3153>が4連騰している。集計中の23年3月期連結業績について、営業利益が26億円から28億円(前の期比31.8%増)へ、純利益が17億円から19億円(同24.4%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感されている。プラント事業における大型案件や産業・設備事業における設備工事案件が延伸したことにより、売上高は620億円から602億円(同0.3%増)へやや下振れたものの、プラント事業における付加価値の高いエンジニアリング案件に注力したことが奏功し利益は上振れたとしている。
■ティアンドエス <4055> 2,167円 +148 円 (+7.3%) 11:30現在
ティアンドエス<4055>の上げ足が鮮烈、前日に続ききょうも一時8.5%を超える大幅高で2191円まで買われ、年初来高値2247円の更新を視野に捉えている。半導体工場向けのシステム開発及び運用・保守などを手掛け、RPAを活用した業務効率化などで高実績を有する。最先端半導体工場向けでも実力を発揮し、主要顧客のキオクシアだけでなく、日の丸半導体新会社のラピダス向け案件獲得でも今後に期待が高まる。機械学習アルゴリズムを駆使して高精度の画像認識機能開発を支援するなどAI領域でも活躍舞台を広げており、今週18日には、画像認識AIアルゴリズムが国内大手精密機器メーカー製の外観検査装置に採用されたことを発表している。株価は週初にマドを開けて売られたが、下値では大口の買いが入り売り物を吸収、その後は一気にリバウンドに転じている。
●ストップ高銘柄
トリプルアイズ <5026> 925円 +150 円 (+19.4%) ストップ高 11:30現在
元旦ビューティ工業 <5935> 4,480円 +700 円 (+18.5%) ストップ高 11:30現在
アクアライン <6173> 541円 +80 円 (+17.4%) ストップ高 11:30現在
など、5銘柄
●ストップ安銘柄
アジア開発キャピタル <9318> 1円 0 円 (0.0%) ストップ安売り気配 11:30現在
以上、1銘柄
株探ニュース