株価指数先物【寄り前コメント】 2万8500円水準での底堅さは意識されやすく、押し目狙いのロング対応は継続

市況
2023年4月21日 8時13分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物 28600 -50 (-0.17%)

TOPIX先物 2036.0 -2.5 (-0.12%)

シカゴ日経平均先物 28605 -45

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

20日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。前日の取引終了後に決算を発表したテスラ<TSLA>が9%を超す下落となり、主要企業の決算が本格化するなかで企業業績に対する不透明感が強まった。4月のフィラデルフィア連銀の製造業景況指数が約3年ぶりの低水準となり、予想以上に悪化したことが景気の減速懸念につながった。また、ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が講演で、インフレを抑制するための利上げ継続を支持したほか、クリーブランド連銀のメスター総裁もあと1回の利上げを支持する考えを示し、米連邦準備理事会(FRB)の利上げが長期化するとの観測が重荷となった。S&P500業種別指数は食品・生活必需品小売、商業サービス・用品、耐久消費財・アパレルが上昇した一方で、自動車・同部品、電気通信サービス、銀行が下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比45円安の2万8605円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比40円安の2万8610円で始まり、その後下げ幅を広げ、米国市場の取引開始時には2万8490円まで下落。売り一巡後は2万8500円水準での底堅さが見られ、中盤にかけて買い戻されて一時2万8680円とプラスに転じる場面も見られた。ただし、日中につけた2万8700円を捉えることができず、終盤にかけては持ち高調整の売りにより、2万8600円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや利食い優勢の展開になりそうだ。テスラの下落影響は昨日の段階で織り込まれているほか、FRB高官らによる追加利上げを支持する発言も目新しさはなく、売り圧力が強まる流れとはならないだろう。そのため、引き続き2万8500円水準での底堅さは意識されやすく、押し目狙いのロング対応は継続したい。

アメックス<AXP>は予想を下回る決算が嫌気され一時6%を超える下落を見せた後に1%安程度まで買い戻されたほか、ラムリサーチ<LRCX>は1株利益が予想を上回ったとして7%を超す上昇となった。来週にかけても主要企業の決算発表が続くため、実績や見通しを見極めたい投資家は多いと見られ、売り買いともに積極的な売買は手控えられるだろう。VIX指数は17.17に上昇し、7営業日ぶりに反発した。依然として下向きのトレンドは崩れておらず、リスク選好の流れは継続するものの、やや投資家心理を神経質にさせそうだ。

日経225先物は2万8500円水準での底堅が見られる一方で、2万8700円水準での上値の重さが意識されてきた。オプション権利行使価格の2万8500円を中心とした保ち合いが想定されるため、ボリンジャーバンドの+1σが位置する2万8400円を支持線に、上値は権利行使価格の2万8750円処が抵抗線となる。ボリンジャーバンドの+2σは2万8980円辺りまで切り上がってきており、2万8500円水準での底堅い値動きが継続するようだと上へのバイアスは強まりやすいが、トレンドが強まるのは主要企業の決算を見極めてからになるだろう。

なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.05倍に上昇し、支持線として意識されている25日移動平均線水準からの反発となった。米国では金融セクターの弱さが目立ったほか、為替市場では1ドル=134円10銭台と前日からやや円高に振れて推移するなか、若干ながらNTロングによるスプレッド狙いが入りやすいと考えられる。

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