富田隆弥の【CHART CLUB】 「大型連休、休むも相場」
◆日経平均株価は4月18日まで8日続伸し、2万8698円まで上値を伸ばした(4月19日時点)。想定していたスピード調整を挟むことなく、一気に終値ベースで年初来高値を更新した。アノマリー(経験則)通りの強い4月相場となっているが、急騰に伴ってテクニカル指標は過熱感を強めている。大型連休も迫り、そろそろ「調整」を意識すべきタイミングと思われる。
◆日経平均株価のチャートを見ると、「宵の明星」を描いた3月9日のザラバ高値2万8734円に肩を並べ、そこで空けた窓を埋めた。3月16日安値の2万6632円から4月18日高値までの上げ幅は2066円に達し、1月16日安値の2万5748円から2月6日高値の2万7821円までの上げ幅2073円に並んだ。
◆テクニカル指標は、サイコロジカルラインが10勝2敗(4月17日)、騰落レシオ133.2%(19日)、RCI(9日線98%、26日線88%:19日)など過熱を強めている。そして、「5月大型連休の前後に高値を示現する」という次のアノマリーもある。
◆タイムスケジュールでは、27~28日に植田新総裁の下で初となる日銀金融政策決定会合、5月2~3日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が予定され、日米で企業決算の発表も本格化する。これらを踏まえると、大型連休前は様子見気分が強まり、上昇した個別株や先物には「利益確定売り」が出やすくなるとみられる。
◆証券界・金融界にとって、今回の大型連休は年末年始よりも休暇がとれる機会となる。コロナ規制が解除され、新年度4月相場が堅調だったこともあり、市場関係者はいったん先々のことは忘れ、久しぶりにゆっくり過ごすことができるだろう。先人の知恵、相場格言にも「休むも相場」とある。
(4月20日 記、次回更新は5月6日を予定)
情報提供:富田隆弥のチャートクラブ
株探ニュース