UPSが決算受け下落 取扱数量が予想下回る 通期の売上高見通しも下方修正=米国株個別
貨物輸送のUPS<UPS>が下落。取引開始前に1-3月期決算(第1四半期)を発表し、1株利益、売上高とも予想範囲内となった。ただ、市場は通期の売上高見通しの下方修正を嫌気している。通期の売上高は従来の970億-994億ドルから、そのレンジの下限に修正した。
同社のトメCEOは声明で「第1四半期は米小売売上高が減速したため、予想を下回る取扱数量となり、アジアでは継続的な需要低迷に直面した」と述べた。
同社はパンデミックによる需要減少から、利益率を高めるために中小企業や医療従事者などの高額顧客に焦点を当てた。その一方で、より多くの割引交渉を行うアマゾン<AMZN>など一部の大手電子商取引企業へのサービスを縮小するという戦略を試している。経営陣は効率性を高めるため、すべての荷物に無線周波数識別タグを付けて、荷物の仕分けや配送トラックへの積み込み時のミスを減らすなど、テクノロジーにも注力している。
アナリストからは、「ガイダンスの下方修正を含めて概ね予想通りの内容であった。しかし、ガイダンスの修正と今後の労組チームスターとの交渉も相まって、株価の重荷になりそうだ」との指摘も出ている。
(1-3月・第1四半期)
・1株利益(調整後):2.20ドル(予想:2.20ドル)
・売上高:229.3億ドル(予想:230.0億ドル)
米小包:149.9億ドル(予想:150.2億ドル)
国際小包:45.4億ドル(予想:45.1億ドル)
サプライチェーン:34.0億ドル(予想:35.1億ドル)
・貨物輸送量:14.1億個(予想:14.2億個)
・1貨物当たり売上高:13.74ドル(予想:13.75ドル)
(通期見通し)
・売上高:970~994億ドルの下限(従来:970~994億ドル)(予想:981億ドル)
・営業利益率(調整後):12.8~13.6%の下限
・自社株買いの目標:30億ドル前後
(NY時間09:41)
UPS<UPS> 179.93(-15.92 -8.13%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美