話題株ピックアップ【夕刊】(2):アイル、東ガス、ホテル関連
■アイル <3854> 2,617円 +88 円 (+3.5%) 本日終値
アイル<3854>が4日続伸。25日の取引終了後、販売・在庫・生産管理システム「アラジンオフィス」などのサービスが、経済産業省の「IT導入補助金2023」制度における対象ITツールとして認定されたと発表しており、好材料視された。IT導入補助金は中小企業・小規模事業者などを対象に、自社の課題・ニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助する制度。今回の採択を受けて、中小企業や小規模事業者が「アラジンオフィス」などを導入しやすくなり、需要増につながることが期待されている。
■東京ガス <9531> 2,701円 +64 円 (+2.4%) 本日終値
東京ガス<9531>が後場に上げ幅を拡大した。この日、取得総数5300万株(発行済み株式総数の12.2%)、取得総額1130億円を上限とする自社株買いの実施を発表しており、これを材料視した買いが集まったようだ。取得期間は5月8日から24年3月31日。あわせて同社は23年3月期の連結決算の発表とともに、24年3月期の業績見通しを開示した。今期の売上高は前期比11.9%減の2兆8970億円、最終利益は同64.4%減の1000億円を計画する。年間配当は同横ばいの65円を予定。都市ガス販売量は発電用の需要減を背景に今期は減少を見込む。ガス原料費調整に伴う売り上げ単価の減少や電力販売量の減少の影響も織り込んだ。
■藤田観光 <9722> 3,580円 +80 円 (+2.3%) 本日終値
藤田観光<9722>が3連騰で連日の年初来高値更新となったほか、京都ホテル<9723>が大幅反発、共立メンテナンス<9616>、ベルーナ<9997>、ABホテル<6565>などホテル関連株の上値指向が鮮明だ。前日の欧米株市場では金融株やハイテク株が売り込まれており、その流れが東京市場にも波及しているが、内需系の消費関連銘柄はインバウンド需要の追い風が株価にプラスに働いている。特に、モノ消費よりもコト消費に対する訪日客のニーズの強さが浮き彫りとなっている。そうしたなか、宿泊施設の需要が爆発的に伸びており、単価上昇傾向も著しいことから、ホテル関連株への投資資金流入が加速する状況となっている。
■明星工業 <1976> 924円 +13 円 (+1.4%) 本日終値
明星工業<1976>は地合い悪のなか買い優勢。同社は熱絶縁工事に強みを持つ建設工事会社で、LNG工事では国内首位の実績を持つ。高水準の受注残を武器に足もとの収益が急拡大している。25日取引終了後、23年3月期業績予想の修正を発表、営業利益は従来予想の56億円から68億円(前の期比27%増)に大幅増額した。また、好業績を背景に株主還元も強化し、年間配当は従来計画の28円から36円(前の期実績は30円)に大幅上乗せすることも併せて発表した。配当利回りは前日終値換算で4%近くに達し、配当利回りの高さが強く意識される状況となっており、収益上方修正と配当増額を材料視する買いを引き寄せている。
■サンリオ <8136> 6,310円 +80 円 (+1.3%) 本日終値
サンリオ<8136>が高い。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は25日、同社株の目標株価を4020円から6450円に引き上げた。レーティングの「ニュートラル」は継続した。同証券では、23年3月期から27年3月期にかけての業績予想を上方修正した。具体的には23年3月期連結営業利益は従来予想の73億円を129億円(会社計画129億円)、24年3月期の同利益は115億円から188億円に見直した。この要因として、(1)世界的な大人・オタク文化や推し活(おしかつ)の浸透からキャラクター需要拡大に加え様々な施策による多数の自社キャラクター認知度の向上から物販及びライセンスの売上拡大(2)全社的な構造改革による採算性・効率性の向上効果――を指摘。特に、構造改革効果の本格的な発現は24年3月期以降になるとみている。
■ラウンドワン <4680> 577円 +4 円 (+0.7%) 本日終値
ラウンドワン<4680>が全体地合い悪の間隙を縫って3連騰、連日の年初来高値更新と気を吐いている。ボウリングやカラオケ、ゲームなど複合アミューズメント施設を展開するが、リオープン(経済再開)によるレジャー需要の復活に加え、訪日外国人観光客急増に伴うインバウンド特需が収益環境に強い追い風をもたらしている。今週末から最大9連休となるゴールデンウィークに突入することで、全国で遊戯施設を展開する同社にとって集客増が期待できる状況にあり、株価上昇を後押ししている。足もとの業績も回復色が著しく、23年3月期営業損益は158億5300万円(前の期は17億2600万円の赤字)と様変わりが予想され、これは12年3月期以来11期ぶりの高水準となる。
■ゴールドクレスト <8871> 1,781円 +8 円 (+0.5%) 本日終値
ゴールドクレスト<8871>がしっかり。25日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を20万株(発行済み株数の0.60%)、または4億円としており、取得期間は4月26日から7月25日まで。株主還元の充実や資本効率の向上を目的としている。
■富士ソフト <9749> 7,950円 +30 円 (+0.4%) 本日終値
富士ソフト<9749>が3日続伸。25日の取引終了後、6月30日を基準日として1株を2株に株式分割すると発表したことが好感された。投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性の向上と投資家層の更なる拡大を図ることが目的という。効力発生日は7月1日。
■ispace <9348> 1,590円 -400 円 (-20.1%) ストップ安 本日終値
ispace<9348>がストップ安。民間企業として世界初となる月面着陸を予定していた同社だが、26日朝、月着陸船との通信の回復が見込まれないとして、完了が困難と判断したと発表した。これを嫌気した売り注文が殺到した。同社によると、月着陸船は月面に対し垂直状態になったことを確認したものの、着陸予定時刻を過ぎても、着陸を示すデータの確認には至らなかった。急速な降下速度の上昇などから、「最終的に月面へハードランディングした可能性が高い」との見方を示している。
■シマノ <7309> 20,000円 -2,635 円 (-11.6%) 本日終値 東証プライム 下落率トップ
シマノ<7309>は大幅安。25日の取引終了後に23年12月期業績予想の下方修正を発表。売上高を5000億円から4600億円(前期比26.9%減)へ、営業利益を1050億円から830億円(同50.9%減)へ引き下げており、これを嫌気した売りが出た。第1四半期の市場在庫が高い水準にあり、需給調整に伴い注文の見直しが進んでいる現時点の動向を踏まえ通期予想を見直した。同時に発表した第1四半期(1~3月)決算は、売上高が1260億7100万円(前年同期比12.5%減)、営業利益が280億900万円(同26.4%減)だった。あわせて、上限70万株の自社株取得枠設定と、70万100株の自社株消却を発表している。
株探ニュース