話題株ピックアップ【夕刊】(1):マキタ、JVCケンウ、三井E&S
■未来工業 <7931> 2,178円 +400 円 (+22.5%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
未来工業<7931>がストップ高。27日の取引終了後、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績・配当予想を開示した。今期の最終利益は前期比42.1%増の38億9700万円を見込むほか、年間配当予想は同64円増配の114円を計画する。大幅な増益・増配見通しを評価した買いを集めたようだ。今期の売上高は同9.0%増の431億2800万円を見込む。更に、同社は中期経営計画も発表した。26年3月期に売上高を460億6800万円、最終利益を42億6600万円とする目標を掲げる。中期計画の期間中は、配当性向50%または自己資本配当率(DOE)2.5%を目安に配当を実施する株主還元方針も示した。電材及び管材事業では、関東地区を中心とした再開発や物流施設、データセンターなど非住宅分野などを攻略。配線器具事業では利益率の高い製品のラインアップを充実させる。23年3月期の連結決算は、売上高が前の期比7.2%増の395億6800万円、最終利益が同8.3%増の27億4200万円だった。住宅建設市場はおおむね想定通りに推移した一方、半導体などの資材不足の影響で設備投資の遅れが発生。減価償却費や経費が計画を下回ったことを背景に、業績は計画を上振れて着地した。
■マキタ <6586> 3,820円 +645 円 (+20.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
マキタ<6586>が大きくマドを開けて上昇、一時685円高(21.6%高)の3860円とストップ高まであと15円に迫る急騰を演じた。電動工具のトップメーカーで、原料コスト高騰の影響で足もとの収益環境は厳しく、23年3月期の最終利益は前の期比82%減の117億500万円と低調だった。しかし、これは株価面では既に織り込みが進んでいる。一方、24年3月期見通しについては、前期比2.8倍の333億円と急拡大を見込んでいる。在庫調整の一巡と製品価格の値上げによる原料コスト相殺が利益回復に寄与する。これに加え、発行済み株式数1.14%相当の310万株、金額ベースで100億円を上限とする自社株買いを実施することも併せて発表しており、これを材料視する投資資金の流入が加速した。信用買い残は枯れた状態で、株式需給面でも上値の軽さが意識された。
■JVCケンウッド <6632> 461円 +70 円 (+17.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
JVCケンウッド<6632>が3連騰し年初来高値を更新。27日の取引終了後、上限を1200万株(発行済み株数の7.32%)、または40億円とする自社株買いを実施すると発表したことが好感された。取得期間は5月8日から9月29日までで、株主還元と資本効率の向上を図るためとしている。同時に発表した23年3月期連結決算は、売上高3369億1000万円(前の期比19.4%増)、営業利益216億3400万円(同2.4倍)だった。モビリティ&テレマティクスサービス分野で自動車向けスピーカー、アンプ、ケーブルなどの販売が拡大したほか、半導体などの部品不足の解消などが貢献した。また、パブリックサービス分野の無線システム事業の販売も想定を大幅に上回って好調に推移した。なお、24年3月期は売上高3500億円(前期比3.9%増)、営業利益134億円(同38.1%減)を見込む。各分野で堅調な販売を予想することから増収を見込むが、為替ヘッジによるマイナス影響を見込むほか、戦略投資、生産設備増強を実施する予定であることから営業減益を見込んでいる。
■三井E&S <7003> 519円 +71 円 (+15.9%) 本日終値 東証プライム 上昇率4位
三井E&S<7003>がカイ気配スタートで急反騰。同社は27日取引終了後、23年3月期通期の連結業績予想修正を発表。営業損益の見通しを従来の10億円の黒字から90億円の黒字(前の期は100億2900万円の赤字)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高予想も2400億円から2600億円(前の期比55.1%減)に上方修正した。エンジニアリング事業の売上高が増加したほか、機械事業も順調に売り上げを積み上げたことが主な要因。また、保守的に見込んでいた費用などの減少もあわせて見直したことが寄与した。
■山崎製パン <2212> 1,825円 +220 円 (+13.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
山崎製パン<2212>がカイ気配スタートで上値指向を鮮明とした。製パン大手で菓子パンを主力に国内トップシェアを誇るが、製品値上げ効果もあって足もとの業績は好調に推移している。同社が27日取引終了後に発表した23年12月期第1四半期(23年1~3月)決算は営業利益が前年同期比34%増の93億3500万円と大幅な伸びを達成した。通期予想に対する進捗率も35%に達しており、好決算を評価する買いが流入した。一方、同日に7月1日出荷分から食パンと菓子パンを平均で7%程度値上げすることも発表しており、これも株価の刺激材料となっている。
■キッコーマン <2801> 8,030円 +850 円 (+11.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
キッコーマン<2801>が続急伸した。27日の取引終了後、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。今期の最終利益は439億円と、前期比で微増ながら過去最高益を連続で更新する見通しとなった。更に、自社株買いの実施なども発表しており、これらを評価した買いを集めたようだ。今期の売上収益は前期比3.0%増の6375億円を見込む。引き続き海外のしょうゆ部門で更なる成長を目指す構え。23年3月期の連結決算は、売上収益が前の期比19.8%増の6188億9900万円、最終利益が同12.4%増の437億3300万円だった。前期の期末配当はこれまでの予想の31円から、普通配当で7円増額。記念配当10円を加え48円(前の期末比9円増配)に決定した。年間配当は78円(前の期比17円増配)となる。今期は記念配当を落として、年間配当は69円を予定する。加えて同社は、取得総数200万株(自己株式を除く発行済み株式総数の1.04%)、取得総額100億円を上限とする自社株買いを実施する。取得期間は5月10日から12月29日までとしている。
■新光電気工業 <6967> 4,005円 +365 円 (+10.0%) 本日終値
新光電気工業<6967>が急伸。27日の取引終了後、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示し、最終利益は前期比56.0%減の240億円となる見通しを示した。大幅減益の計画となったものの、主要取引先の米インテル<INTC>が米国時間27日に決算を発表している。決算説明会を受けインテル株は時間外取引で上昇。下半期の工場の稼働率向上の見通しが示されたようだ。新光電工に対しては、業績の底入れを期待した投資家の買いが集まったようだ。新光電工は今期の売上高を前期比8.9%減の2610億円と見込む。パソコンやスマートフォンなどの需要減速や在庫調整の長期化などを背景に、23年の半導体市場は厳しい環境となると想定する。業績予想の前提となる為替レートは1ドル=120円とした。
■関西電力 <9503> 1,470円 +129 円 (+9.6%) 本日終値
関西電力<9503>が急動意、一時13.6%高の1523円と異彩高に買われる場面があった。同社が28日取引終了後に発表した24年3月期の業績予想は、営業損益が4100億円(前期実績は520億5600万円の赤字)と大幅黒字転換を果たすとともに、最終損益は前期比17.3倍となる3050億円と急拡大し、18年ぶりに過去最高利益を大幅更新する見通しを示した。福井県の高浜原子力発電所の1号機と2号機を夏までに再稼働させる計画にあり、これによる稼働率上昇が利益を押し上げる。業績の変貌度合いが顕著で、株価にポジティブザプライスを与えた格好だ。
■カバー <5253> 1,584円 +139 円 (+9.6%) 一時ストップ高 本日終値
カバー<5253>が急反発し、一時ストップ高の1745円をつける場面があった。27日の取引終了後、集計中の23年3月期単独業績について、売上高が従来予想の180億5600万円から204億円(前の期比49.3%増)へ、営業利益が21億6900万円から34億円(同83.3%増)へ、純利益が14億2700万円から25億円(同2.0倍)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。3月18・19日に開催された「hololive SUPER EXPO 2023 Supported By Bushiroad」及び「hololive 4th fes.Our Bright Parade Supported By Bushiroad」における配信チケット販売や、ライセンス/タイアップサービスにおけるライセンス商品の販売などが予測を超えて好調だったことなどが要因としている。
■富士電機 <6504> 5,450円 +400 円 (+7.9%) 本日終値
27日に決算を発表。「今期経常は5%増で3期連続最高益更新へ」が好感された。
富士電機 <6504> [東証P] が4月27日大引け後(15:00)に決算を発表。23年3月期の連結経常利益は前の期比10.7%増の878億円になり、24年3月期も前期比4.8%増の920億円に伸びを見込み、3期連続で過去最高益を更新する見通しとなった。3期連続増収、4期連続増益になる。
株探ニュース