株価指数先物【寄り前コメント】 2万9000円処での底堅さ見極め、FOMC前にショートポジション圧縮に向かわせる

市況
2023年5月1日 8時18分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物 29070 +200 (+0.69%)

TOPIX先物 2075.0 +17.0 (+0.82%)

シカゴ日経平均先物 29065 +195

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

28日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。朝方発表された3月の米国個人消費支出(PCE)統計で、PCEコア価格指数(食品とエネルギー除く)は前月比0.3%上昇と予想と一致した。インフレ圧力の根強さが意識されるなか、5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを実施するとの見方が強まり、持ち高調整の売りが先行した。その後、4月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が予想を上回り、4月のミシガン大学消費者態度指数(確定値)も前月から改善したため、リセッション(景気後退)懸念が後退するなかで上昇に転じた。S&P500業種別指数は自動車・同部品、半導体・同製造装置、商業サービス・用品が上昇した一方で、小売、電気通信サービス、公益事業が下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比195円高の2万9065円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比50円高の2万8920円で始まり、直後に軟化し2万8730円まで売られる場面も見られた。売り一巡後はリバウンド基調が強まり、米国市場の開始後に2万9000円を回復。いったんは2万8830円まで上げ幅を縮めたものの、終盤にかけて再びリバウンド基調となり2万9090円まで買われ、2万9070円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になりそうだ。米国では大手ハイテク企業の市場予想を上回る決算が目立っており、この日はインテル<INTC>が4%を超す上昇となった。1-3月期が予想ほど悪化せず、年後半に利益率が改善する見通しを示したことが材料視された。エヌビディア<NVDA>なども買われ、指数インパクトの大きい値がさハイテク株の支援材料になりそうだ。

また、米地銀ファースト・リパブリック・バンク<FRC>が再び40%を超す急落となった。ただし、米連邦預金保険公社(FDIC)が管理下に置くとの見方が強まっているほか、JPモルガン・チェース<JPM>やPNCファイナンシャル・サービシズ・グループ<PNC>が買収を視野に入れていることも報じられており、先行きについてメドが立ったとの見方により、市場全体への影響は限られていた。

28日の日経225先物は2万8870円まで買われ、日中の高値で取引を終えた。日銀の金融政策決定会合の結果判明後のヘッジ対応に伴うショートカバーが中心だったと考えられる。会合後のカバーは一巡したとみられるが、5月2日~3日に開催されるFOMCを控えて、一段とアク抜けが意識されやすく、FOMCを前にショートポジションの圧縮へ向かわせそうである。

日経225先物はナイトセッションで一時2万9090円まで買われ、2万9130円辺りで推移しているボリンジャーバンドの+2σに接近してきた。+2σ水準では過熱感から利益確定の売りが入りやすいが、+3σが2万9590円まで切り上がるなかで先高観は強まりやすく、押し目待ち狙いのロングが入ろう。

そのため、オプション権利行使価格の2万9000円を中心とした上下の権利行使価格となる2万8875円~2万9125円のレンジを想定しつつ、2万9000円処で底堅さが見られるようだと、2万9000円~2万9250円のレンジに切り上がろう。VIX指数は15.78に低下し、終値ベースでは2021年11月4日以来の16.00割れとリスク選好の流れのなか、ショートを仕掛けづらくさせそうだ

なお、先週末のNT倍率は先物中心限月で14.02倍だった。一時13.96倍に低下したものの、日銀会合通過後はNTショートの巻き戻しが優勢となった。14.00倍を挟んだ保ち合いを形成していることから明確なトレンドは見られないが、ややNTロング対応へと向かいそうである。

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