1日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は反落、金融不安緩和もFRBの利上げを警戒
■NY株式:米国株式市場は反落、金融不安緩和もFRBの利上げを警戒
ダウ平均は46.46ドル安の34,051.70ドル、ナスダックは13.99ポイント安の12,212.60で取引を終了した。
連邦預金保険公社(FDIC)が、経営難に陥っていた地銀ファースト・リパブリック(FRC)が破綻してJPモルガン銀(JPM)が買収で合意し、預金や支店業務を引き継ぐと発表したため金融不安が緩和し、寄り付き後、上昇。大手行の上昇がけん引し相場を支援した。しかし、終盤にかけ、明日から2日間にわたり開催される連邦公開市場委員会(FOMC)での連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げがより濃厚となると、金利高を警戒し売りが次第に強まり、主要株価指数は結局マイナス圏で終了。セクター別では半導体・同製造装置や運輸が上昇した一方、小売りが下落した。
銀行のJPモルガン(JPM)は地銀ファースト・リパブリック(FRC)買収でFDICと合意し、同銀の資産を引き継ぐことになったことが好感されて上昇。クルーズ船運営のノルウェ―ジャン(NCLH)は第1四半期決算で調整後の1株損失が予想程には広がらず、さらに、強い需要を背景に通期の業績見通しを引き上げたため買われた。自動車メーカーのゼネラル・モーターズ(GM)はアナリストが同社のコスト削減策の一環である従業員削減などを評価し、現在の株価は過小評価されていると投資判断を引き上げため上昇。
一方、地銀のザイオンズ・バンコーポレーション(ZION)やパックウェスト(PACW)は同業のファースト・リパブリック(FRC)の破綻を受けて預金減の警戒感が強まり、それぞれ下落。石油会社のエクソン・モービル(XOM)はアナリストの投資判断引き下げで下落した。
半導体メーカーのNXPセミコンダクターズ(NXPI)は取引終了後に四半期決算を発表。第1四半期の1株利益や第2四半期の見通しがそれぞれ予想を上回り、時間外取引で上昇している。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル・円は一時137円54銭、米金融不安緩和で5月追加利上げが確実視される
1日のニューヨーク外為市場でドル・円は、136円69銭から137円54銭まで上昇し、137円48銭で引けた。JPモルガン銀による地銀ファーストリパブリック買収で金融混乱が終焉に近づいたとの見方が強まった。また、米4月ISM製造業景況指数が予想以上に改善、同指数の支払い価格が低下予想に反し上昇し活動の拡大域となる50以上を回復、昨年7月来で最高となったため米連邦準備制度理事会(FRB)の5月連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げを確実視する金利上昇にドル買いが加速。日米金利差拡大観測に円売りも強まった。
ユーロ・ドルは、1.1035ドルから1.0964ドルまで下落し、1.0976ドルで引けた。ユーロ・円は150円96銭まで上昇後、150円64銭まで弱含んだのち、再び上昇した。日欧金利差拡大観測にユーロ買い・円売りが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2560ドルから1.2481ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.8915フランから0.8967フランまで上昇した。
■NY原油:反落で75.66ドル、ドル高を嫌気した売りが増える
NY原油先物6月限は反落(NYMEX原油6月限終値:75.66 ↓1.12)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は、前営業日比-1.12ドルの75.66ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは74.53ドル-76.69ドル。アジア市場の序盤で76.69ドルまで買われたが、ドル高を嫌気した売りが強まり、米国市場の後半にかけて74.53ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に75ドル台で取引された。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 29.04ドル -0.24ドル(-0.82%)
モルガン・スタンレー(MS) 87.93ドル -2.04ドル(-2.27%)
ゴールドマン・サックス(GS)340.57ドル -2.87ドル(-0.84%)
インテル(INTC) 30.30ドル -0.76ドル(-2.45%)
アップル(AAPL) 169.59ドル -0.09ドル(-0.05%)
アルファベット(GOOG) 107.71ドル -0.51ドル(-0.47%)
メタ(META) 243.18ドル +2.86ドル(+1.19%)
キャタピラー(CAT) 217.27ドル -1.53ドル(-0.70%)
アルコア(AA) 37.27ドル +0.13ドル(+0.35%)
ウォルマート(WMT) 151.59ドル +0.62ドル(+0.41%)
《ST》