株価指数先物【寄り前コメント】 2万9250円~2万9500円のレンジに移行、連休前にショートポジションをヘッジ

市況
2023年5月2日 8時21分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物 29260 +100 (+0.34%)

TOPIX先物 2085.5 +4.5 (+0.21%)

シカゴ日経平均先物 29330 +170

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

1日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が下落。米連邦預金保険公社(FDIC)は、米地銀ファースト・リパブリック・バンク<FRC>が経営破綻し、公的管理下に置いたと発表。FRCの預金と資産を買収した米銀大手JPモルガン・チェース<JPM>が買われ、金融システム不安が和らぐなか、NYダウは一時2月半ば以来の水準まで上昇した。ただし、4月のISM製造業総合景況指数が47.1と、市場予想の46.8程度を上回ったことで、米連邦準備理事会(FRB)が5月以降も利上げを継続するとの懸念が強まり、米長期金利が上昇。金利高が嫌気されて、終盤にかけて利益確定の売りに押され下落に転じた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、運輸、医薬品・バイオテクノロジーが上昇した一方で、小売、エネルギー、自動車・同部品が下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比170円高の2万9330円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比10円高の2万9170円で始まり、直後に軟化し2万9110円まで売られる場面も見られた。ただし、売り一巡後はリバウンド基調が強まり、米国市場の開始後に2万9200円を回復。2万9170円~2万9250円水準での保ち合いを経て、終盤にかけて一時2万9360円まで買われ、2万9260円でナイトセッションの取引を終えた。

日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好で、買い優勢の展開になりそうだ。米国市場は下落したが、NYダウが直近2日間の上昇で4月半ばに付けた戻り高値を突破したこともあり、米連邦公開市場委員会(FOMC)や欧州中央銀行(ECB)の理事会を控えて持ち高調整の売りが出やすい水準だったと考えられる。東京市場でもゴールデンウイークに入り積極的な売買は手控えられるものの、ヘッジ対応のショートカバーは入りやすいだろう。

日経225先物はナイトセッションで2万9360円まで買われ、オプション権利行使価格の2万9250円を突破し、その上の権利行使価格である2万9375円水準まで切り上がってきた。先物は中心限月で昨年8月17日に付けた2万9230円を上回った。ボリンジャーバンドの+2σが2万9230円処で推移するなか、同水準での底堅さが意識されるようだと、オプション権利行使価格の2万9250円~2万9500円のレンジに移行する形で、ショートポジションをヘッジする動きを強めてくることになろう。

ボリンジャーバンドの+3σが2万9700円まで切り上がってくるなか、ロング筋にとっても押し目狙いの水準を切り上げてきそうだ。買い一巡後はこう着感が強まろうが、調整場面ではロングでの対応と考えられる。また、NXPセミコンダクターズ<NXPI>は、取引終了後に発表した1-3月期決算で売上高が予想を上回ったことから、時間外取引で4%を超える上昇で推移している。日中取引では米長期金利の上昇が重荷とはなるものの、エヌビディア<NVDA>が4%超の上昇だった。指数インパクトの大きい値がさハイテク株への支援材料になりそうだ。

VIX指数は16.08に上昇した。ただし、一時15.53まで低下する場面も見られ、ボトム水準で推移していることから、リスク選好の状況である。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.01倍と小幅に低下した。25日移動平均線を挟んだレンジ推移を継続しているため、明確なトレンドは出ていない。

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