話題株ピックアップ【夕刊】(3):三井物、三菱UFJ、ストリームM
■三井物産 <8031> 4,262円 -55 円 (-1.3%) 本日終値
三井物産<8031>が軟調。この日、23年3月期の連結決算発表とともに、24年3月期の最終利益が前期比22.2%減の8800億円となる見通しを示した。更に、中期経営計画も公表し、26年3月期の最終利益を9200億円とする目標を掲げた。23年3月期の最終利益(1兆1306億3000万円)を下回る計画となっており、業績のモメンタム鈍化を嫌気した売りに押されたようだ。24年3月期は商品価格の下落を想定。金属資源やエネルギー、化学品などで減益を見込む。中期計画では26年3月期までの3カ年平均でROE(自己資本利益率)を12%超とする目標も設定した。また、年間150円を下限として配当維持または増配を行う累進配当を導入するとともに、3年間累計の基礎営業キャッシュ・フローの37%程度を目安に配当・自己株式取得を行う方針も示した。23年3月期の最終利益は、これまでの予想を上回って着地した。前期の期末配当はこれまでの予想に対し5円増額の75円で決定。年間配当は140円(前の期比35円増配)となる。今期の年間配当予想は前期比10円増配の150円に設定した。
■三菱UFJ <8306> 862.6円 -6.7 円 (-0.8%) 本日終値
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>などメガバンクが総じて軟調な値動き。米地銀のシリコンバレーバンク(SVB)に続きシグネチャー・バンクが破綻、更に中堅銀行であるファースト・リパブリック・バンク<FRC>が経営破綻したことで、米国での金融不安が改めて意識される状況となっている。JPモルガン<JPM>が買収することが決定しており、目先波紋が広がるようなムードはないものの、「今後も断続的に地銀の破綻が出てくる可能性は否定できない」(中堅証券ストラテジスト)という指摘もあり、警戒感は拭えない状況だ。米国事業を展開するメガバンクにも余波が及ぶのではないかとの思惑も一部にあり、きょうは大型連休前ということもあって目先筋の売りが優勢となった。
■ストリームM <4772> 221円 +50 円 (+29.2%) ストップ高 本日終値
ストリームメディアコーポレーション<4772>がストップ高。この日発表した23年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算は、売上高が前年同期比2.3倍の27億4700万円、最終損益が1億7200万円の黒字(前年同期は9900万円の赤字)となった。最終黒字に転換したことに加え、通期の最終損益の黒字額予想(7000万円)を超過して着地しており、材料視されたようだ。世界的に人気を博しているNCT DREAMが2月に京セラドーム大阪にて3公演を開催し、約12万人を動員した。オフラインコンサートを予定通り実施したほか、チケット価格などの一部見直しや放送権の販売により収益を確保し、エンターテインメント事業は大幅な増収、セグメント損益の黒字化を果たした。
■GMB <7214> 1,749円 +300 円 (+20.7%) ストップ高 本日終値
GMB<7214>はストップ高。1日の取引終了後に23年3月期業績予想の上方修正を発表。営業利益を6億円から21億円(前の期比82.9%増)へ大幅増額しており、これを好感した買いが膨らんだ。販売価格の値上げや原材料・物流コスト上昇の落ち着きに加え、韓国子会社での退職給付費用の減少が利益を大きく押し上げる。売上高については概ね想定通りで、870億円から871億円(同22.0%増)へ小幅に見直した。配当予想は据え置いた。
■テラプローブ <6627> 2,942円 +345 円 (+13.3%) 本日終値
テラプローブ<6627>は大幅高で年初来高値更新。同社は台湾の半導体後工程大手パワーテック・テクノロジー(力成科技)の子会社で、半導体テスト工程の受託サービスを手掛ける。車載向けや5G基地局向けなどのロジック製品の受託が好調で、前22年12月期は営業6割増益で過去最高益を達成。足もと今1~3月期も堅調な業績を見込んでいる。いちよし経済研究所が1日付で新規格付けを開始しており、これを買い手掛かりにきょうの同社株は買われた。
■スガイ化学工業 <4120> 2,343円 +133 円 (+6.0%) 本日終値
スガイ化学工業<4120>が大幅続伸し、3月22日につけた年初来高値2480円に迫る場面があった。同社は1日取引終了後、23年3月期通期の単独業績予想修正を発表。営業利益の見通しを従来の5億円から6億5000万円(前の期比16.1%増)に引き上げたことが好感されたようだ。売上高予想も70億円から70億5900万円(同13.3%増)に上方修正した。国内向け主要農薬中間物の販売が好調に推移。利益面では原燃料価格の上昇による収益圧迫要因があったものの、製品価格への転嫁や経費削減に努めたことなどが寄与した。
■ダブルエー <7683> 3,270円 +130 円 (+4.1%) 本日終値
ダブルエー<7683>が3日続伸。1日の取引終了後に発表した4月度の単体売上高(速報値)が前年同月比39%増となり、4カ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。店舗販売で既存店舗の売り上げが好調だったことに加えて、新規出店した店舗の売り上げが寄与した。また、オンライン販売も引き続き好調に推移した。
■アマテイ <5952> 133円 +4 円 (+3.1%) 本日終値
アマテイ<5952>が後場上げ幅を拡大。午後2時ごろ、集計中の23年3月期連結業績について、営業利益が従来予想の1億200万円から1億6100万円(前の期比9.5倍)へ、純利益が6000万円から7900万円(前の期200万円)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。資材価格高騰による建築コスト上昇を背景とした買い控えなどにより、持ち家(注文住宅)の新設住宅着工戸数が減少した影響を受けて売上高は55億2800万円から54億8500万円(前の期比7.9%増)へ下振れた。ただ、販売価格改定効果に加えて、製造コストの低減や固定費の削減を進めたことで、利益は計画を上振れた。なお、あわせて期末一括配当を50銭引き上げ1円50銭とした。
■ポプラ <7601> 329円 +9 円 (+2.8%) 本日終値
ポプラ<7601>が前日のストップ高に続き、きょうも値幅制限上限まであと1円の水準まで買われる集中人気となったほか、同じく前日急騰のスリーエフ<7544>も目先筋の利食いを吸収。更にシー・ヴイ・エス・ベイエリア<2687>も買い直され、一時496円まで上値を伸ばし、4月14日につけた年初来高値500円に接近するなど、中堅のコンビニエンスストア株が際立ったパフォーマンスをみせている。リオープン(経済再開)の追い風に加え、インバウンド重要が国内小売業界の売上拡大に大きく貢献するなか、コンビニ業界もその恩恵を享受している。今期の業績も各社大幅な伸びを見込んでおり、上値を見込んだ短期資金がなだれ込む形となっている。
■加藤製作所 <6390> 1,292円 +34 円 (+2.7%) 本日終値
加藤製作所<6390>が上値追い鮮明。4連騰で一時1300円台に乗せ、新値街道をまい進している。時価は2020年7月以来2年10カ月ぶりの高値水準に浮上してきた。建設用クレーンのトップメーカーで中国などアジア向けの需要を開拓し足もと業績回復色を強めている。22年3月期まで3期連続の営業赤字と低迷していたが、財務面は強固で年間配当を継続している。一株純資産は実績ベースで3680円と高く、時価予想PBRに換算してわずか0.3倍台と割安感が際立ち、東証の低PBR改善要請を背景に今後の経営活性化策にも期待が高まる状況にある。
●ストップ高銘柄
jig.jp <5244> 406円 +80 円 (+24.5%) ストップ高 本日終値
Fusic <5256> 4,370円 +700 円 (+19.1%) ストップ高 本日終値
アクアライン <6173> 651円 +100 円 (+18.2%) ストップ高 本日終値
など、5銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース