C&R社 Research Memo(1):需要拡大と新規サービスの育成により年率2ケタ成長が続く見通し

特集
2023年5月9日 14時01分

■要約

クリーク・アンド・リバー社<4763>は、プロフェッショナル(専門職)のエージェンシーとして、プロデュース事業(開発・請負)、エージェンシー事業(派遣・紹介)、ライツマネジメント事業(知的財産の企画開発・流通)の3つの事業を、クリエイティブ分野(テレビ・映画、ゲーム、Web、広告・出版等)を中心に医療、会計、法曹など現在18分野で展開している。プロフェッショナル人材のネットワークはグループ全体で36万人超、顧客数は4.8万社を数える。

1. 2023年2月期の業績概要

2023年2月期の連結業績は、売上高で前期比5.6%増の44,121百万円、営業利益で同16.0%増の3,956百万円と過去最高を連続更新し、ほぼ会社計画(売上高44,000百万円、営業利益4,000百万円)どおりに着地した※。人件費の増加や新規事業並びに新設子会社の立ち上げ費用があったものの、ゲーム、Web等のクリエイティブ分野の請負案件や医療分野における医師紹介案件が好調に推移し、業績をけん引した。なお、新設及び新たにグループ化した子会社6社合計の売上高は172百万円、営業損失は120百万円であった。

※2023年2月期より「収益認識会計基準」等を適用したことにより、売上高で1,919百万円の減少、営業利益で131百万円の増加要因となっている。旧会計基準ベースで比較した場合、売上高は10.1%増、営業利益は12.1%増となる。

2. 2024年2月期業績見通し

2024年2月期の連結業績は、売上高で前期比13.3%増の50,000百万円、営業利益で同13.7%増の4,500百万円と増収増益が続く見通し。クリエイティブ分野や医療分野など主力事業の拡大が見込まれるほか、投資段階の子会社の収益改善も進む見通し。第1四半期は前年同期の利益水準が高かったこともあり、一時的に減益となる可能性があるものの、受注は順調に推移しており通期業績達成の可能性は高いと弊社では見ている。なお、投資段階の新規事業のなかでは、2022年4月よりサービスを開始したアパレル業界向け3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)サンプル制作サービス「sture(ストゥーラ)」や、2023年3月より開始したモーションコミック「モブコミ」の成長が期待される。

3. 中期経営計画

同社は2026年2月期までの3カ年の中期経営計画を発表した。プロフェッショナル分野のさらなる拡大、新規サービスの創出、経営人材の創出、コーポレートガバナンスの強化に取り組むことで、2026年2月期に売上高605億円、営業利益56.5億円を目指す。プロフェッショナル分野はM&Aも活用しながら現在の18分野から将来的に50分野まで拡大していく方針だ。新規サービスもXR(詳細後述)やAIなど先進技術を活用したサービスを既存リソースをベースにして育成していく考えだ。また、プロフェッショナル人材ネットワークのグローバル化構想も描いており、そのプラットフォームとなる「C&R Creative Studios Metaverse」のβ版を2023年3月に公開した。当面は社内限定で活用し、機能の拡充を図りながら社外クリエイターやクライアントにも開放していく予定だ。こうした取り組みが順調に進めば、長期目標である売上高1,000億円、営業利益100億円の達成も視野に入ってくるものと思われる。なお、2024年2月期より配当方針を見直した。具体的には、配当性向の目安を従来の20%水準から30%水準へと引き上げた。これにより2024年2月期の1株当たり配当金は前期比14.0円増配の41.0円(配当性向30.4%)とする予定だ。

■Key Points

・2023年2月期業績は主力事業の拡大により4期連続2ケタ増益を達成

・2024年2月期もクリエイティブ分野(日本)が引き続きけん引、子会社の収益改善も進む

・2026年2月期に売上高605億円、営業利益56.5億円と年率2ケタ成長を目指す

・配当性向を従来の20%水準から30%水準に引き上げ

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《AS》

提供:フィスコ

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