NY株式:米国株式市場は下落、CPIや債務問題を警戒
ダウ平均は56.88ドル安の33,561.81ドル、ナスダックは77.36ポイント安の12,179.55で取引を終了した。
地銀セクターの売りが再開し、寄り付き後、下落。消費者物価指数(CPI)の発表を明日に控える中、金利が上昇したことも重しとなり日中も軟調に推移した。終盤にかけ、NY連銀のウィリアムズ総裁が講演で利上げ停止の可能性を示唆すると地銀株の回復に連れて株式相場は下げ幅を縮小。しかし、バイデン大統領と議会指導者との会合を控えて債務上限問題への懸念がくすぶる中、マイナス圏で終了した。セクター別では小売りが小幅上昇した一方で、半導体・同製造装置が下落。
地銀のパックウェスト(PACW)やコメリカ(CMA)はNY連銀のウィリアムズ総裁が講演で金融システムに懸念を抱いていないと自信を表明したことが材料視され上昇に転じた。バイオのノババックス(NVAX)はコスト削減の一環として全世界従業員の25%を削減する計画を発表、さらに、開発中の新型コロナ、インフルエンザ両方に対抗するワクチンを巡る良好な治験結果が好感され買われた。航空機メーカーのボーイング(BA)はアイルランドの格安航空会社ライアンエア・ホールディングス(RYA)から同社製造の737マックス機最大300機の大型受注を獲得したことを明らかにし上昇。ソフトウェア会社のパランティア・テクノロジー(PLTR)は第1四半期決算で内容が予想を上回ったほか、通期の業績見通しを引上げ、さらに最高経営責任者(CEO)が人口知能(AI)プラットフォームの需要が強いとの見解を示したことも好感され、大幅高となった。
一方、スポーツ用品メーカーのアンダーアーマー(UAA)は四半期決算の内容は予想を上回ったが、通期見通しが予想を下回ったほか、在庫の積み上がりが嫌気されて下落した。
カジノ運営のウィンリゾーツ(WYNN)は取引終了後に決算を発表。損失予想に反して調整後1株利益を計上し、時間外取引で上昇している。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》