話題株ピックアップ【夕刊】(1):丸井G、冶金工、テクマト
■山田コンサル <4792> 1,975円 +400 円 (+25.4%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
山田コンサルティンググループ<4792>がストップ高。大手経営コンサルでM&A分野にも傾注、旺盛な企業のコンサルティング需要を取り込み足もとの業績は拡大基調を強めている。9日取引終了後に発表した23年3月期決算は営業利益が前の期比15%増の28億7100万円と2ケタ成長を達成、続く24年3月期も前期比22%増の35億円予想と伸びが加速する見通しとなった。今期は18年3月期以来6期ぶりの過去最高利益更新となる。好業績を背景に株主還元も強化し、年間配当は前期が従来計画の51円に5円増額し56円とし、今期は更に11円の大幅増配となる67円を計画、これも株価を強く刺激する格好となっている。
■矢作建設工業 <1870> 1,014円 +150 円 (+17.4%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率2位
矢作建設工業<1870>がストップ高。午後2時ごろに発表した24年3月期連結業績予想で、売上高1220億円(前期比9.8%増)、営業利益95億円(同31.7%増)、純利益63億円(同39.7%増)と大幅増益を見込み、年間配当で前期比17円増の60円を予定していることが好感された。子会社化した北和建設が加わることに加えて、不動産事業で同社が手掛ける過去最大規模の自社開発用地の販売を予定していることが牽引する。なお、23年3月期決算は、売上高1111億1000万円(前の期比19.4%増)、営業利益72億1200万円(同16.9%増)、純利益45億800万円(同6.9%減)だった。
■丸井グループ <8252> 2,496円 +330 円 (+15.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率3位
丸井グループ<8252>がカイ気配スタートで急騰。9日の取引終了後、取得総数2200万株(自己株式を除く発行済み株式総数の11.62%)、取得総額400億円を上限とする自己株式の取得枠設定を決めたと発表した。また、24年3月期の年間配当予想は42円増配の101円としており、材料視されたようだ。今期から資本政策を変更する。株主資本配当率(DOE)8%程度を目安に長期安定的な増配の実現を目指す。自己株式の取得については、財務状況や株価水準などを総合的に勘案し、資本効率と株主利益の向上に向け、機動的に実施する方針。今回発表分の自己株式の取得期間は6月1日から2024年3月31日までとする。あわせて24年3月期の業績見通しも開示した。売上収益は前期比7.4%増の2340億円、最終利益は同21.1%増の260億円を見込む。小売セグメント、フィンテックセグメントともに営業増益を見込む。
■トーモク <3946> 1,883円 +234 円 (+14.2%) 本日終値 東証プライム 上昇率5位
トーモク<3946>が急騰。同社は9日取引終了後、24年3月期通期の連結業績予想を公表。営業利益の見通しを前期比54.3%増の115億円としていることや、年間配当計画を前期比10円増配の70円としていることが好感されたようだ。売上高は同10.4%増の2350億円を見込む。主力の段ボール事業では、顧客の多様化したニーズに的確に対応できる高品質・高付加価値製品の供給体制をデザイン部門や紙器部門と一体となって強化するとしている。
■日本冶金工業 <5480> 4,560円 +560 円 (+14.0%) 本日終値 東証プライム 上昇率6位
日本冶金工業<5480>が大幅高で3日続伸した。9日の取引終了後、23年3月期の連結決算とともに、取得総数66万6000株(自己株式を除く発行済み株式総数の4.5%)、取得総額20億円を上限とする自社株買いの実施を発表した。あわせて中期経営計画も公表。総還元性向を25年度に35%(22年度見込みは25.3%)に引き上げる方針を示した。PBR(株価純資産倍率)を1倍以上の水準にすべく努めていくとしており、これらを好感した買いが集まったようだ。同社は24年3月期の業績予想も開示し、売上高は前期比3.3%増の2060億円、最終利益は同34.0%減の130億円を見込む。中期計画では川崎製造所における高機能材の増産対応や、カーボンニュートラル関連の戦略投資を中心に、年100億円規模の設備投資を継続する計画も示した。中期的な視点で時価総額1000億円超をターゲットに、財務基盤の強化と収益力向上を図るとしている。
■テクマトリックス <3762> 1,826円 +205 円 (+12.7%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
テクマトリックス<3762>が大幅に3日続伸し、年初来高値を更新した。9日の取引終了後、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。今期の最終利益は前期比8.8%増の32億1000万円と、前期に続き過去最高益を更新する見通しとしており、業況を評価した買いを集めたようだ。売上収益は同7.7%増の495億円の見込み。年間配当は同1円増配の24円を計画する。受注残高が積みあがった状況にあるほか、サイバーセキュリティー対策の製品・サービスの需要が継続すると想定する。23年3月期の決算は、売上収益が前の期比25.8%増の459億5000万円、最終利益が同24.4%増の29億5000万円だった。
■JMDC <4483> 5,500円 +595 円 (+12.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率8位
JMDC<4483>が続急伸。9日の取引終了後に発表した24年3月期連結業績予想で、売上高350億円(前期比25.9%増)、営業利益76億円(同28.2%増)、純利益53億円(同24.2%増)と大幅増益を見込むことが好感された。インダストリー向け事業の拡大や自治体事業の立ち上がりなどにより足もとでヘルスビッグデータ事業が好調に推移しており、引き続き同事業が牽引役となる見通し。遠隔医療や調剤薬局支援事業もトレンドは維持されており、順調な成長を見込むとしている。なお、配当予想は未定(前期12円)としている。23年3月期決算は、売上高278億900万円(前の期比27.5%増)、営業利益59億2600万円(同23.9%増)、純利益42億6700万円(同31.4%増)だった。データアセットの拡充や事業領域の拡大が加速し、ヘルスビッグデータ事業が好調だった。
■三菱ロジスネクスト <7105> 1,162円 +121 円 (+11.6%) 本日終値
三菱ロジスネクスト<7105>は大幅高で7連騰。年初来高値を連日で更新した。この日、23年3月期の連結決算発表にあわせ、24年3月期の業績予想を開示した。売上高は前期比2.4%増の6300億円、最終利益は同88.0%増の130億円を見込む。最終利益は5期ぶりに過去最高益となる見通し。更に年間配当予想は同7円増配の16円を計画し、これらを材料視した買いが集まったようだ。生産性整流化に努めて出荷を促進するとともに、価格改定効果などコスト高への対応を実施していくという。23年3月期の決算は、売上高が前の期比32.2%増の6154億2100万円、最終利益が同9.6倍の69億1300万円だった。米州における好調な受注とともに、価格改定や海上輸送費が落ち着いたこと、実効税率の良化などが寄与し、計画を上回って着地した。
■スクロール <8005> 890円 +91 円 (+11.4%) 本日終値 東証プライム 上昇率9位
スクロール<8005>がマドを開けて買われ、一時110円高の909円まで買われる場面があった。9日取引終了後に発表した23年3月期の決算は営業利益が前の期比13%減の61億2100万円と低調で、24年3月期も前期比横ばいの61億円を予想している。市場で話題となっていたのは、同社が同日にリリースした株主還元に関する基本方針の変更だ。配当については株主資本配当率(DOE)4%を下限とし、連結配当性向40%をメドに実施することを基本目標としたほか、内部留保について、企業価値最大化を目的とした成長投資と安定的利益配分を実施したうえで、更に長期にわたり留保された余剰資金については機動的に自社株買いなどを行うことを明記した。マーケット関係者によると「(同社は)これまでPBRは1倍を下回っており、東証がPBR1倍割れ企業に対する経営改善要請に呼応したもので、この時期タイムリーな発表で投資資金を呼び込んだようだ。やや思惑先行的ではあるが、(同社株は)配当利回りが現状で5.4%前後と高く、インカムゲインの魅力が改めて意識された」(準大手証券ストラテジスト)という。ちなみに、同社の一株純資産は前期実績ベースで914円。きょうの高値はPBR1倍とほぼ同水準に買われた形となっている。
■ラウンドワン <4680> 648円 +58 円 (+9.8%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位
ラウンドワン<4680>が続急伸。9日の取引終了後に発表した24年3月期連結業績予想で、売上高1504億1000万円(前期比5.9%増)、営業利益205億6000万円(同21.5%増)、純利益116億8000万円(同20.0%増)と2割を超える大幅増益を見込み、年間配当10円と実質増配を予定していることが好感された。コラボキャンペーンの開催やアミューズメントの新機種導入などの施策により国内既存店売上高で前期比5.4%増を見込むほか、米国で4店舗、中国で1店舗を新規出店することが業績を牽引する。既存店のギガクレーンゲームスタジアムへの改修を継続して行うことも寄与する。23年3月期決算は、売上高1420億5100万円(前の期比47.3%増)、営業利益169億2100万円(前の期17億2600万円の赤字)、純利益97億3700万円(前の期比2.5倍)だった。コロナ禍からの回復が早い米国が伸びたほか、料金見直しを行った国内でも回復が進んだ。なお、同時に発表した4月売上高速報で、既存店売上高は前年同月比19.7%増となった。
株探ニュース