富田隆弥の【CHART CLUB】 「好業績株の押し目を狙う」
◆日経平均株価は連休狭間の5月2日に2万9278円まで上昇し、昨年8月につけた2万9222円を更新、1年4カ月ぶりとなる高値を付けた。こうなると次に目指すのはいよいよ「3万円」大台であり、2021年の2月と9月高値でダブルトップを形成した3万0700円台が視野に入ってこよう。
◆ただし、テクニカル指標の過熱感を踏まえると、すぐに"次の目標"を目指すかは不透明だ。騰落レシオ(5月9日に143.2%)やRCI(順位相関指数)、ストキャスティクスなどはまだ過熱感が拭えず、日柄もしくは値幅調整がほしい状況にある。日柄的には5月2日高値から2~3週、値幅的には25日移動平均線が推移する2万8500円台までの調整余地がある。だが、そうした調整を入れることで、日本株は6月~7月に向けて上昇しやすくなる。
◆11日時点の日経平均株価は2万9126円で、連休後は2万9000円台でもみ合っている。米連邦公開市場委員会(FOMC)や雇用統計、消費者物価指数(CPI)など米国の重要イベントを通過しながら、この水準にとどまる日本株は堅調と言えるだろう。外国人投資家の買い姿勢も続いている。
◆国内主要企業の決算がおおかた出揃った。全体として好調だった前期に対して、今24年3月期は利益率が鈍化する。日経平均株価採用225社ベースの1株当たり利益(EPS)は4月25日1633円から5月11日時点で1577円に低下する。また、商品や海運市況の低迷に伴い、今期大幅減益を予想する企業もある。ここからの個別株の選別では、週足チャートを見て、今期業績が好調で上値余地のある銘柄の押し目狙いが面白くなる。
(5月11日 記、次回更新は5月20日を予定)
株探ニュース