NY株式:米国株式市場は反発、債務上限交渉の進展期待高まる
ダウ平均は47.98ドル高の33,348.60ドル、ナスダックは80.47ポイント高の12,365.21で取引を終了した。
バイデン大統領が債務上限交渉を巡り「妥結は可能」と言及し、警戒感の緩和から上昇して始まった。しかし、5月NY連銀製造業景気指数が前月から大幅に悪化したため景気減速を警戒した売りが強まったほか、アトランタ連銀のボスティック総裁やミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が追加利上げの可能性にも言及したため、金利高を警戒した売りで一時下落に転じた。終盤にかけては、大統領と議会指導者との債務上限交渉を明日に控え、買戻しが強まりプラス圏を回復。セクター別では半導体・同製造装置、銀行が上昇した一方で、公益事業が下落した。
ハンバーガーショップチェーン店を運営するシェイクシャック(SHAK)は物言う投資会社のエンゲージドキャピタルが同社株を購入、委任状争奪戦を計画していると報じられ上昇。半導体のウェスタンデジタル(WDC)は日本のキオクシアホールディングスとの合併協議を加速しているとの報道が好感され買われた。鉱山会社のニューモント(NEM)は、豪州の同業ニュークレスト買収を発表して上昇。ソフトウェアメーカーのマイクロソフト(MSFT)はオンラインゲームソフトウェアメーカーのアクティビジョンブリザード(ATVI)の買収を欧州委員会が承認したことが好感され堅調。アクティビジョンブリザードも上昇したが、英国の反トラスト規制当局がすでに買収阻止を発表しているため上昇も限定的となった。金融サービスのチャールズ・シュワブ(SCHW)は金融安定懸念が同社のビジネスに影響していないと、アナリストが投資判断を引き上げたことで上昇。
会計会社のH&Rブロック(HRB)や会計ソフトウェアメーカーのインテュイット(INTU)は、政府が無料でのオンライン確定申告プロブラムの作成を計画しているとの報道を受けて、それぞれ下落した。
アトランタ連銀のボスティック総裁は、利下げは24年度に入りしばらく経ってからとの見解を示した。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》