ターゲットが決算受け上昇 懸念されたほど悪くはないが負のモメンタムは続く=米国株個別
ディスカウントストア大手のターゲット<TGT>が上昇。取引開始前に2-4月期決算(第1四半期)を発表し、既存店売上高が横ばいと予想を下回ったほか、デジタル部門の既存店売上高は予想外の減収となった。一方、売上高は予想範囲内だったものの、1株利益は予想を上回っている。ただ、第2四半期の1株利益のガイダンスは予想を下回る見通しを示した。
また、第1四半期の売上高の軟化を踏まえ、第2四半期の既存店売上高は1桁台前半の減少を見込んでいるほか、通期については、1桁台前半の減少から1桁台前半の増加を見込んでいる。
第1四半期末の在庫は16%減少したが、これは裁量的なカテゴリーで25%の削減を行ったことを反映。ただ、急成長するカテゴリーをサポートするための在庫投資や、長期的な市場機会をサポートするための戦略的投資により一部相殺されたとしている。また、第1四半期は自社株買いを実施せず、四半期末時点で約970億ドルの自社株買い枠が残っていることも明らかにした。
アナリストからは、「第1四半期は懸念されたほど悪くはないが、消費者の動向は明らかに軟化しており、負のモメンタムは第2四半期も続いている。見通しは前途多難で、同社は引き続き経営上の課題を抱え、減速は明らかな問題であり、明白な解決策もない。それは収益を圧迫する」と述べた。「消耗品のインフレが終わり、裁量的な需要が弱まることで、今後の売上げは厳しいものになる」とも語った。
(2-4月・第1四半期)
・既存店売上高:0%(予想:+0.95%)
デジタル:-3.4%(予想:+1.9%)
・1株利益(調整後):2.05ドル(予想:1.77ドル)
・売上高:249.5億ドル(予想:249.7億ドル)
・粗利益率(調整後):26.3%(予想:26.5%)
・営業利益(調整後):13.3億ドル(予想:11.7億ドル)
・営業利益率:5.2%(予想:4.8%)
・EBITDA(調整後):20.2億ドル(予想:18.1億ドル)
(5-7月・第2四半期見通し)
・1株利益(調整後):1.30~1.70ドル(予想:1.91ドル)
(通期見通し)
・1株利益(調整後):7.75~8.75ドル(予想:8.29ドル)
(NY時間10:04)
ターゲット<TGT> 159.80(+2.89 +1.84%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美