株価指数先物【寄り前コメント】 過熱感からのショートは禁物、バブル後の戻り高値を超えるなかで一段とショートカバーが入りやすい
大阪6月限ナイトセッション
日経225先物 30910 +320 (+1.04%)
TOPIX先物 2173.5 +16.0 (+0.74%)
シカゴ日経平均先物 30905 +315
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
18日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。米新規失業保険申請件数は、前週比2万2000件減の24万2000件と大幅な減少となった。米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め長期化が警戒され、売りが先行して始まった。また、ダラス連銀のローガン総裁が「6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを停止する状況に達していない」との見解を示すと、NYダウは一時200ドルあまり下落する場面も見られた。しかし、米債務上限問題を巡り、共和党のマッカーシー下院議長などの発言を受けて債務不履行(デフォルト)に陥る事態は避けられるとの期待が高まり、ハイテク株を中心に上昇に転じた。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、メディア、ソフトウエア・サービスが上昇した一方で、家庭用品・パーソナル用品、電気通信サービス、不動産が下落。
シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比315円高の3万905円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比70円高の3万660円で始まり、寄り付きを安値に一時3万940円まで買われた。その後は3万830円~3万930円辺りで保ち合ったが、米国市場の取引開始直後には3万730円まで上げ幅を縮めた。ただし、終盤にかけてショートカバーが強まり、3万910円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。
日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になりそうだ。前日の日中取引で3万670円まで買われ、2021年9月高値の3万620円を突破したが、ナイトセッションの開始直後の急伸によって同年2月高値の3万720円を一気に上放れた。3万円回復から上昇ピッチが強まっており、ショート筋によるヘッジ対応の買いが加速しているようだ。バブル後の戻り高値を超えるなか、一段とショートカバーが入りやすいだろう。
ボリンジャーバンドの+2σと+3σの切り上がりに沿った形での上昇トレンドを見せており、テクニカル面での過熱感は警戒されるものの、レバETFの調整買いの動きも膨らんできているなか、ショートは避けておきたい。ボリンジャーバンドの+2σは3万440円に切り上がり、+3σは3万1140円辺りまで上昇している。節目の3万1000円ではいったん達成感が高まるだろうが、海外投資家による日本株選好が強まるなか、出遅れている海外ファンドによる資金流入も意識されやすく、ロング比率を高めたいところだ。
VIX指数は16.05に低下した。ボトム圏での推移を継続しており、リスク選好に向かいやすいだろう。なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.17倍に上昇した。4月半ばの上昇場面で上値を抑えられた200日移動平均線を明確に上放れたことで、昨年12月の14.30倍台および同年5月高値の14.58倍辺りへの上昇を想定した、NTロングでのスプレッド狙いが入りやすいだろう。
株探ニュース