話題株ピックアップ【夕刊】(1):日本紙、日新、レオン

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2023年5月23日 15時11分

■日本製紙 <3863>  1,273円  +166 円 (+15.0%)  本日終値  東証プライム 上昇率トップ

日本製紙<3863>が急伸。23年3月期は原燃料価格の高騰や円安の影響に加え、固定資産の減損損失の計上が響き、最終損益は504億600万円と大幅な赤字で着地。安定的に実施してきた配当も無配転落を余儀なくされた。一方、今24年3月期は各種コストダウン策や製品価格修正に取り組み、150億円の黒字に回復する見込み。業績改善見通しを背景に株価に上昇圧力がかかるなか、きょうは野村証券の投資判断引き上げを受けて一気に投資資金が流入したようだ。同社株の上昇が牽引する形で紙パ株全体に物色が波及しており、業種別東証株価指数で「パルプ・紙」は全33業種中上昇率トップに躍り出ている。

■日新 <9066>  2,575円  +285 円 (+12.5%)  本日終値  東証プライム 上昇率2位

日新<9066>は急伸。22日の取引終了後、昨年発表した第7次中期経営計画(23年3月期~27年3月期)について、資本政策に関する方針を定めることにしたと発表。これを評価した買いが集まった。株主還元について、安定配当の継続を基本に下限配当としてDOE(株主資本配当率)2%以上を設定。また、中計期間に100億円程度の自己株取得を行うという。このほか、政策保有株式の縮減やPBR1倍超えを目指す考えを示した。

■レオン自動機 <6272>  1,546円  +130 円 (+9.2%)  本日終値  東証プライム 上昇率3位

レオン自動機<6272>は急騰。同社株は直近まで3連騰と上値追い態勢を強め新値街道に突入しているが、前日は商い急増のなかマドを開けて5%超の上昇をみせていた。製パン機などを主力展開するが海外売上高比率が6割強と高く、北米や南米で展開する製パン事業(冷凍パンの製造・販売)が好調で収益を押し上げている。また、為替市場のドル高・円安も追い風となっている。前日取引終了後に発表した23年3月期決算は営業利益が前の期比2.7倍の30億700万円と従来計画から大幅に上振れて着地した。また、24年3月期についても同利益は前期比15%増の34億5000万円と2ケタ成長を予想しており、これを評価する買いを呼び込んだ。

■デジタルアーツ <2326>  5,860円  +490 円 (+9.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率4位

デジタルアーツ<2326>が3連騰。SBI証券が22日付で投資判断「買い」を継続しつつ、目標株価を1万3100円から1万5900円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同証券では業績予想の見直しを行い、24年3月期の売上高及びコスト見通しを減額修正する一方、営業利益予想を48億7500万円から52億700万円へ引き上げており、利益の順調な推移を見込むとしている。

■芝浦機械 <6104>  4,410円  +330 円 (+8.1%)  本日終値  東証プライム 上昇率5位

芝浦機械<6104>が急騰し年初来高値を更新した。22日の取引終了後、「今後の経営戦略について」と題する投資家向け資料を公表。今後の事業成長を期待した投資家の買いが集まったようだ。中国におけるEV(電気自動車)用BSF(バッテリーセパレーターフィルム)の需要が高水準で推移すると見込まれるなか、今期は押出成形事業が伸長すると予想。既存事業の構造改革や、インド市場での射出成形機の拡販も目指す。資料では、策定中の次期中期計画についても言及。好調な押出成形事業などを背景に、今後数年間は2000億円規模の数値形成が継続する見込みだという。過去最高の収益を目指し、事業ポートフォリオを組み替えていく姿勢を示した。

■芝浦電子 <6957>  6,000円  +240 円 (+4.2%)  本日終値

芝浦電子<6957>が続伸。同社は22日取引終了後、「中期経営計画Sense the Dynamics 2023-2025」を策定したと発表。最終年度となる26年3月期の連結営業利益目標を76億円(23年3月期実績は54億6000万円)としていることが好感されたようだ。26年3月期の連結売上高目標は410億円(同331億9300万円)に設定。経営方針として「品質・生産性向上」「製品開発・マーケティング」「人財育成・ガバナンス強化」を掲げ、成長の持続性や収益力の強化、資産効率を重視した経営を目指すとしている。

■日揮ホールディングス <1963>  1,718円  +44 円 (+2.6%)  本日終値

日揮ホールディングス<1963>が3日続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「カネカは日揮ホールディングス(HD)などと組み、二酸化炭素(CO2)を原料として自然分解するバイオプラスチックを2030年にも量産する」と報じられたことが好材料視されたようだ。記事によると、カネカ<4118>が神戸市に建設するバイオプラの素材を生成する微生物の培養プラントを日揮HDが設計・建設するという。自然分解するバイオプラは環境へ与える影響が小さいことから、ストローなど使い捨ての食器のほか、農業資材などの需要を取り込むのが狙いのようだ。

■リクルート <6098>  4,527円  +113 円 (+2.6%)  本日終値

リクルートホールディングス<6098>が反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が22日付で投資判断「オーバーウエート」を継続し、目標株価を6300円から6700円へ引き上げたことが好感されたようだ。同証券では、求人検索サービス「Indeed」を中心としたHRテクノロジー事業による中期的な利益成長への評価に変わりはないと指摘。5月15日の決算発表で示したHRテクノロジー減収下における収益重視の姿勢を示したことが株式市場に与える安心感は大きいとしており、ダウントレンドの中での収益コントロール力を評価し「オーバーウエート」を再強調している。

■沖縄電力 <9511>  1,201円  +28 円 (+2.4%)  本日終値

沖縄電力<9511>は高い。22日の取引終了後、従来未定としていた24年3月期業績予想を発表。売上高を前期比5.0%増の2347億円としたほか、最終損益を前期の赤字(454億5700万円の赤字)から40億円の黒字に転換する見通しを示しており、これが好感された。経済産業省に電気料金の値上げを申請中だったため合理的な算定が困難だったが、5月19日に値上げが認可されたことから算定を行った。配当予想については引き続き未定とした。

■ヤマハ発動機 <7272>  3,540円  +75 円 (+2.2%)  本日終値

ヤマハ発動機<7272>が4日続伸。22日に提出された変更報告書で、英ファンドのシルチェスター・インターナショナル・インベスターズの保有株比率が5.05%から6.08%に上昇したことが明らかになった。この日は同ファンドの買い増しを受けた思惑買いが膨らんだ。

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