23日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は下落、債務上限交渉に不透明感広がる
■NY株式:米国株式市場は下落、債務上限交渉に不透明感広がる
ダウ平均は231.07ドル安の33,055.51ドル、ナスダックは160.53ポイント安の12,560.25で取引を終了した。
債務上限交渉への先行き不透明感から寄り付き後、下落。マッカーシー下院議長の「合意ないが、いままでにない進展」との楽観的見解を好感し一時下落幅を縮小した。しかし、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ継続を見込んだ金利上昇も上値を抑制。債務上限交渉関係者の「依然かなりの隔たりがある」との見解が報じられると不透明感が広がり、終盤にかけ下げ幅を拡大した。セクター別ではエネルギーが上昇した一方で、消費者サービスが下落。
地銀のパックウェスト・バンコープ(PACW)は不動産融資売却を好感した買いが継続した。同業のコメリカ(CMA)やザイオンズ・バンコーポレーション(ZION)もそれぞれ上昇。石油会社のエクソンモービル(XOM)、再生可能燃料会社のシェブロン(CVX)は原油高に伴う収益増期待から上昇した。ホームセンター運営のロウズ(LOW)は四半期決算の結果が警戒された程落ち込まず安心感から買われた。
一方、携帯端末のアップル(AAPL)は国内で製造する半導体の調達強化を目的に半導体メーカーのブロードコム(AVGO)と数十億ドル規模の契約締結を発表し下落、ブロードコム(AVGO)は上昇した。会員制スーパーマーケット運営のビージャーズ・ホールセール(BJ)は四半期決算で売上が予想を下回り、下落。自動車部品販売のオートゾーン(AZO)も四半期の純売上が予想を下回り、売られた。
投資家の恐怖心理を示すVIX指数は一時19台まで上昇した。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米FRBによる早期利下げ観測後退でドルは下げ渋る
23日のニューヨーク外為市場でドル・円は、138円91銭まで上昇後、138円29銭まで反落し、138円59銭で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測の後退でドルの買い戻しが一段と強まった。ただ、バイデン米大統領と下院議長の債務上限交渉は難航していることから、債務不履行を警戒してドル買いは後退した。
ユーロ・ドルは、1.0796ドルまで上昇後、1.0760ドルまで反落し、1.0770ドル引けた。ユーロ・円は149円11銭まで下落後、149円57銭まで反発。ポンド・ドルは、1.2376ドルへ弱含んだ後、1.2434ドルまで上昇した。英5月総合PMI速報値が予想以上に低下したことを受けたポンド売りが継続。ドル・スイスは、0.9030フランへ上昇したのち、0.8986フランまで反落。
■NY原油:強含みで72.91ドル、需給ひっ迫の思惑残る
NY原油先物7月限は強含み(NYMEX原油7月限終値:72.91 ↑0.86)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比+0.86ドルの72.91ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは71.71ドル-73.76ドル。アジア市場で71.71ドルまで売られたが、需給ひっ迫の思惑は消えていないこと、米長期金利の低下を意識して一時73.76ドルまで買われた。ただ、株安を嫌気して上げ渋り、通常取引終了後の時間外取引では主に73ドルを挟んだ水準で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.58ドル +0.24ドル(+0.85%)
モルガン・スタンレー(MS) 82.64ドル +0.37ドル(+0.45%)
ゴールドマン・サックス(GS)323.57ドル -1.35ドル(-0.42%)
インテル(INTC) 29.51ドル -0.77ドル(-2.54%)
アップル(AAPL) 171.56ドル -2.64ドル(-1.52%)
アルファベット(GOOG) 123.29ドル -2.58ドル(-2.05%)
メタ(META) 246.74ドル -1.58ドル(-0.64%)
キャタピラー(CAT) 212.71ドル -1.55ドル(-0.72%)
アルコア(AA) 35.67ドル -0.73ドル(-2.01%)
ウォルマート(WMT) 148.31ドル -0.28ドル(-0.19%)
《ST》