株価指数先物【寄り前コメント】 いったんは利益確定も、オプション権利行使価格の3万1500円から3万2000円のレンジ推移を想定

市況
2023年5月29日 8時20分

大阪6月限ナイトセッション

日経225先物  31500 +540 (+1.74%)

TOPIX先物 2174.5 +30.0 (+1.39%)

シカゴ日経平均先物 31500 +540

(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)

26日の米国市場は、NYダウ S&P500ナスダックの主要な株価指数が上昇。債務上限問題を巡る協議の進展が期待されて、買い戻しが強まった。また、5月のミシガン大消費者態度指数(確報値)が59.2と市場予想を上回ったほか、4月の個人消費支出(PCE)物価指数は、価格変動の大きいエネルギーと食品を除いたPCEコアが前年同月比4.7%の上昇と前月の4.6%から伸びが拡大したことで、米経済の強さを示したとして買いにつながった。個別では予想を上回る決算を発表したマーベル・テクノロジー・グループ<MRVL>が30%超上昇し、アドバンスト・マイクロ・デバシズ<AMD>などへ買いが波及した。S&P500業種別指数は半導体・同製造装置、自動車・同部品、小売が上昇した一方で、エネルギー、保険、医薬品・バイオテクノロジーが下落。

シカゴ日経平均先物(6月限)清算値は、大阪比540円高の3万1500円だった。日経225先物(6月限)のナイトセッションは、日中大阪比20円高の3万980円で始まり、直後に付けた3万930円を安値にリバウンドを強め、米国市場の取引開始直前に3万1200円を回復。米国市場の取引時間中に一段高となり、中盤以降は3万1480円~3万1560円辺りのレンジで推移し、3万1500円とナイトセッションの高値圏で取引を終えた。

日経225先物は、シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になろう。米政府の債務上限を巡り、バイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長が27日、原則合意に至った。今後は合意案が上下両院で可決され、6月5日までにバイデン大統領が署名して成立すれば、デフォルトは回避される。日経225先物はナイトセッションで23日に付けた高値3万1360円を一気に上放れており、ショートポジションを解消する動きに向かわせやすい。また、出遅れている海外ファンドも、エントリータイミングを引き上げざるを得ない状況だ。

今後は6月半ばに控えている米連邦公開市場委員会(FOMC)に市場の関心が移ることから、金融引き締めへの警戒感が燻ることになる。今週は米連邦準備理事会(FRB)の金融政策決定を左右する重要指標として、雇用統計やISM製造業景況指数などの経済指標の発表が予定されており、買い一巡後はいったん、利益確定に伴う売りからこう着感が強まる場面があろう。

ただし、テクニカル面では先週の調整場面でボリンジャーバンドの+1σ水準まで下げ、その後のリバウンドで+2σを捉えてきた。過熱感は警戒されやすいものの、+2σ突破から+3σとのレンジ推移に向かう可能性があり、打診的なショートは避けておきたい。+2σが位置する3万1570円辺りで底堅い値動きが続くようだと、オプション権利行使価格の3万1500円から3万2000円のレンジでの推移が想定される。

また、VIX指数は17.95に下落した。先週は一時20.81まで切り上がり、上値抵抗線として機能していた75日移動平均線を一時上回ったが、週末の下げで25日線水準まで低下してきた。ボトム水準での推移を継続しているため、リスク選好が強まりそうだ。直近の安値は19日に付けた15.85であり、同水準に接近する局面をみせてくるかが注目されよう。

なお、先週のNT倍率は先物中心限月で14.43倍に上昇した。昨年12月の戻り高値14.31倍を上放れ、昨年6月の14.58倍を意識したトレンドを形成。先週はアドバンテスト <6857> [東証P]が上場来高値を更新するなどハイテク株の強い値動きが指数をけん引したが、本日もマーベル・テクノロジーの大幅高が支援材料となり、日経平均型優位の状況は継続すると考えられる。引き続きNTロングでのスプレッド狙いが入りやすい需給状況になりそうだ。

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