30日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場はまちまち、債務上限合意も議会採決に懸念
■NY株式:米国株式市場はまちまち、債務上限合意も議会採決に懸念
ダウ平均は50.56ドル安の33,042.78ドル、ナスダックは41.74ポイント高の13,017.43で取引を終了した。
週末にバイデン大統領とマッカーシー下院議長が債務上限の引き上げで合意したことを受け、寄り付きは上昇。しかし、合意案に民主・共和両党それぞれから一部議員の反対が予想されていることから、議会採決の行方に対する警戒感が相場の重しとなった。ダウ平均は終盤にかけて下げ幅を縮小し、小幅安で終了。ナスダック指数は長期金利の低下やエヌビディア(NVDA)の上昇が相場を支えるも伸び悩んだ。セクター別では自動車・自動車部品が大きく上昇したほか半導体・同製造装置、テクノロジー・ハード・機器などが上昇。一方で家庭・パーソナル用品、食品・飲料・タバコの下げが目立った。
半導体メーカーのエヌビディアは先週の好決算が引き続き上昇を後押しし、一時、時価総額が1兆ドルを突破。同業のブロードコムなど他のAI関連株にも買いが入った。自動車メーカーのフォード(F)、暗号資産取引所のコインベース(COIN)はアナリストの投資判断の引き上げを受けて上昇。電気自動車(EV)メーカーのテスラは、イーロン・マスクCEOが中国を訪問し、秦剛外相と会談したことが伝わり上昇した。一方、原油、天然ガス生産のシェブロン(CVX)や石油化学メーカーのエクソンモービル(XOM)は原油および天然ガスの価格が下落したことで売られた。
エヌビディアは一時7%超上昇し、上場来高値を更新するとともに半導体メーカーとして世界で初めて時価総額1兆ドルに達した。1兆ドルを達成したことがある企業はアルファベットやアマゾン・ドット・コムなど世界で9社しかない。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ダラス連銀指数悪化や円安受けた政府・日銀臨時会合が圧迫
30日のニューヨーク外為市場でドル・円は、140円11銭まで上昇後、139円57銭まで下落し、139円79銭で引けた。米国の5月消費者信頼感指数の予想上振れで一時ドル買いになったが、金利の上昇は限定的で再び低下したほか、5月ダラス連銀製造業活動指数の落ち込みを受けてドル売りが強まった。日本政府・日銀が円安を受けて臨時会合を開催しており、全体的に円買いになった面もあったとみられる。
ユーロ・ドルは1.0747ドルから1.0714ドルまで下落し、1.0735ドルで引けた。ユーロ・円は150円27銭まで上昇後、149円74銭まで下落した。ポンド・ドルは1.2446ドルまで上昇後、1.2384ドルまで下落。ドル・スイスフランは0.9018フランから0.9069フランまで上昇した。
■NY原油:反落で69.46ドル、米経済指標悪化を嫌気して70ドル割れ
NY原油先物7月限は反落(NYMEX原油7月限終値:69.46 ↓3.21)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比-3.21ドルの69.46ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは69.02ドル-73.36ドル。アジア市場で73.36ドルまで買われたが、一部米経済指標の悪化を受けて69.02ドルまで反落。通常取引終了後の時間外取引では主に69ドル台で推移。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.26ドル -0.05ドル(-0.18%)
モルガン・スタンレー(MS) 83.42ドル -0.48ドル(-0.57%)
ゴールドマン・サックス(GS)330.83ドル -1.18ドル(-0.36%)
インテル(INTC) 29.99ドル +0.99ドル(+3.41%)
アップル(AAPL) 177.30ドル +1.87ドル(+1.07%)
アルファベット(GOOG) 124.64ドル -0.79ドル(-0.63%)
メタ(META) 262.52ドル +0.48ドル(+0.18%)
キャタピラー(CAT) 209.90ドル -1.90ドル(-0.90%)
アルコア(AA) 32.80ドル -0.89ドル(-2.64%)
ウォルマート(WMT) 146.06ドル -0.36ドル(-0.25%)
《ST》