話題株ピックアップ【昼刊】:日野自、エクサWiz、Sansan

注目
2023年5月31日 11時41分

■日野自動車 <7205>  620円  +67 円 (+12.1%)  11:30現在  東証プライム 上昇率トップ

日野自動車<7205>がカイ気配スタート。30日の取引終了後、三菱ふそうトラック・バス(川崎市中原区)と、経営統合することで基本合意を締結することを決めたと発表した。日野自はエンジン認証に関する不正行為の発覚後、業績が悪化し、23年3月期まで3期連続で最終赤字を計上していた。今回の発表をポジティブサプライズと受け止めた買いが集まったようだ。24年3月に最終契約を締結し、同年12月末までの経営統合の実施を目指す。日野自と三菱ふそうが、統合会社の完全子会社となる予定で、統合会社の株式は東証プライム市場及び名証プレミア市場への上場を想定する。トヨタ自動車<7203>と、三菱ふそうの親会社である独ダイムラートラックは、統合会社の持ち分比率を別途決める。経営統合実施後、トヨタは日野自の親会社ではなくなる見込み。日野自と三菱ふそうは商用車の開発、調達、生産分野で協業する。

■エクサウィザーズ <4259>  490円  +28 円 (+6.1%)  11:30現在

エクサウィザーズ<4259>はカイ気配スタートで水準を切り上げている。30日の取引終了後に日鉄ソリューションズ<2327>との業務提携を発表しており、これを好感した買いが集まっている。今回の提携を通じて、両社顧客のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進や、エクサWizが手掛ける新サービスのローンチに向けた販売・提供強化に関する包括的なパートナーシップを構築する。また、中長期的に更に協業や連携を拡大させていく。

■Sansan <4443>  1,725円  +78 円 (+4.7%)  11:30現在  東証プライム 上昇率9位

Sansan<4443>が大幅続伸している。30日の取引終了後、インボイス管理サービス「Bill One」のオプションサービスとして、「Bill Oneビジネスカード」を6月1日に提供開始し、決済領域に参入すると発表したことが好感されている。「Bill Oneビジネスカード」は、Bill One契約中のユーザーは利用手数料なしで利用できるほか、カード利用明細と証憑の自動照合が可能になり、アナログな法人カード業務を効率化できることなどが特徴。同社によると、既に200社が導入を決定しているという。

■第一実業 <8059>  6,010円  +260 円 (+4.5%)  11:30現在  東証プライム 上昇率10位

第一実業<8059>が大幅高で上場来高値を更新している。30日の取引終了後、9月30日を基準日として1株を3株に株式分割すると発表し、あわせて株式分割に伴い100円を予定していた24年3月期の期末配当予想を34円にするとした。株式分割による流動性の向上に対する期待や、前期に対しては実質増配となることが好感されている。

■共英製鋼 <5440>  1,863円  +47 円 (+2.6%)  11:30現在

共英製鋼<5440>が全般下げ相場に逆行し、25日移動平均線をサポートラインとする下値切り上げ波動を維持している。日本製鉄グループに属する電炉大手で、鉄筋コンクリート用棒鋼では業界シェアトップに位置する。グローバル展開に強みを持っているのが特長で、カナダのアルタ・スチールの買収により世界3極体制を確立しており、トップラインは前期に過去最高を更新した。株価指標面ではPER6倍台で、PBRは0.4倍台と超割安圏に放置されている。現状で配当利回りは3.7%前後と高いが、東証の低PBR改善要請を背景に今後の株主還元策のほか、海外での成長戦略推進に向けた期待も大きい。

■四国電力 <9507>  965円  +15 円 (+1.6%)  11:30現在

四国電力<9507>は上値追い継続。30日の取引終了後、従来未定としていた24年3月期業績予想について、最終損益を前期の赤字(228億7100万円の赤字)から285億円の黒字に転換する見通しを発表。あわせて、配当予想を30円で2期ぶりに復配する計画を明らかにしており、これらを好感した買いが入っている。売上高予想については前期比5.0%増の8750億円とした。規制料金の値上げ認可時期を見通すことが難しい状況にあったため未定としていたが、5月19日に経済産業大臣の認可を受けたことから業績予想を公表した。

■サイボウズ <4776>  2,461円  +19 円 (+0.8%)  11:30現在

サイボウズ<4776>が8日ぶりに反発した。30日の取引終了後、4月度の月次業績推移を発表した。売上高は前年同月比16.8%増の20億4200万円、営業利益は同2.3倍の4億1900万円となった。堅調な業況が続いていると受け止めた投資家の買いが株価の支えとなったようだ。クラウド関連事業の売上高は同20.2%増の17億8300万円だった。

■川崎汽船 <9107>  3,195円  -105 円 (-3.2%)  11:30現在

川崎汽船<9107>と日本M&Aセンターホールディングス<2127>は軟調。12日に国際的な株価指数であるMSCIの定期入れ替えで、川崎汽が新規採用され日本M&Aが除外されることが発表された。きょうの引けにかけMSCI入れ替えに伴うリバランス売買が発生する見通しだが、全体相場が下落するなか、新規採用に伴う買い需要が期待される川崎汽も軟調な値動きとなっている。

■スミダコーポレーション <6817>  1,294円  -39 円 (-2.9%)  11:30現在

スミダコーポレーション<6817>が反落。同社は22日に公募増資と売り出しを行うことを発表しており、この日から発行・売り出し価格決定期間に入っている。このため、警戒感からの売りが先行している様子だ。

■日本製鉄 <5401>  2,762.5円  -74.5 円 (-2.6%)  11:30現在

日本製鉄<5401>が下げ幅を拡大した。この日、中国国家統計局が発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.8と、前月(49.2)から低下。市場予想も下回った。中国景気の減速懸念が広がるなか、世界的な鋼材市況に及ぼす影響が懸念され、鉄鋼株の重荷となったようだ。神戸製鋼所<5406>やJFEホールディングス<5411>も軟調に推移。

■日経レバ <1570>  18,130円  -420 円 (-2.3%)  11:30現在

NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>が全般地合い悪のなか大幅反落。足もとで5日移動平均線を下回ってきた。日経平均株価に連動するETFで価格変動率が2倍に基本設定されており、全体相場のボラティリティが高まる場面では個人投資家を中心とした短期筋の売り買いが活発化する傾向が強い。最近は日経平均の高値警戒感から売り残が増加し、直近信用倍率は0.81倍と売り長状態にある。ただ、直近データでは売り残、買い残ともに減少しピーク越えの様相をみせていた。一方、日経平均とは逆方向に連動し価格変動率がマイナス2倍に基本設定されたNEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信<1357>は5日ぶりに反発、こちらも直近データで売り残、買い残ともに減少傾向を示している。

■INPEX <1605>  1,494円  -33 円 (-2.2%)  11:30現在

INPEX<1605>や石油資源開発<1662>、ENEOSホールディングス<5020>といった石油関連株が安い。30日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前週末比3.21ドル安の1バレル=69.46ドルと急反落した。米債務上限問題での議会審議を巡り警戒感が台頭していることが、原油相場の重しとなった。また、6月4日の「OPECプラス」会合では追加減産が見送られるとの観測が出ていることも上値を抑える要因となった。

■トヨタ自動車 <7203>  1,910円  -30 円 (-1.6%)  11:30現在

トヨタ自動車<7203>が軟調。30日の取引終了後、同社傘下の日野自動車<7205>と三菱ふそうトラック・バスの経営統合に向けた基本合意とともに、三菱ふそうの親会社である独ダイムラートラックとトヨタが水素をはじめ、電動化や自動運転などCASE領域で協業すると発表した。日野自と三菱ふそうを子会社に持つ統合会社を設立し、トヨタとダイムラートラックが同じ割合で出資。統合会社は株式公開を目指すという。日野自はトヨタの連結対象から外れる見込み。エンジン排ガス不正問題で業績が低迷していた日野自に対し、トヨタが新たな決断を示したことに対しては、一定の評価を示す向きもある。一方で、外国為替市場ではドル安・円高の流れとなっており、トヨタ株の重荷となった。

■レーザーテック <6920>  21,965円  -250 円 (-1.1%)  11:30現在

レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>など半導体製造装置関連は売りに押される展開となっている。前日の米国株市場ではNYダウは軟調だったものの、画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が大きく買われたことで、ナスダック総合株価指数は上昇して引けたほか、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も小幅ながら上値追い基調を維持した。東京市場でも半導体セクターの主力銘柄は、生成AIに絡む需要拡大をはやし、ここにきて物色人気が活発化している。ただ、きょうは全体相場が軟調で外国為替市場でも1ドル=140円台を下回るなど円高方向に振れていることもあり、目先利食い圧力が表面化している。

■オウケイウェイヴ <3808>  66円  +15 円 (+29.4%)  11:30現在

オウケイウェイヴ<3808>が反発。30日の取引終了後、同日付で資本・業務提携したレダグループホールディングス(東京都千代田区)などを割当予定先とする現物出資による第三者割当増資を発表。財務改善への期待から買いが優勢となっている。発行株式数は1341万7700株で、発行価格は1株33円。希薄化率は議決権ベース(3月末時点)で99.98%。なお、今回の増資は5月の臨時株主総会で承認された株主割当による新株予約権の無償発行で必要な資金が確保できなかった場合に実施する。

■自重堂 <3597>  9,110円  +1,500 円 (+19.7%) ストップ高買い気配   11:30現在

自重堂<3597>がストップ高の9110円水準でカイ気配となっている。30日の取引終了後、23年6月期の期末一括配当予想を300円から500円へ増額修正したことが好感されている。なお、前期実績に対しては200円の増配になる予定だ。

■トラースOP <6696>  508円  +80 円 (+18.7%) ストップ高   11:30現在

トラース・オン・プロダクト<6696>が急騰。今月17日にストップ高に買われた後、前日まで9日続落と調整色を強めていたが、売り飽き気分が漂うなか、きょうは一気に切り返す展開となった。同社はIoT機器の製造販売を主力に手掛けるが、30日取引終了後に不動産再生事業を手掛けるLOOPLACE(東京都千代田区)とAI電力削減ソリューション「AIrux8」の共同実証実験を実施し、LOOPLACE本社の空調設備における電力使用量の大幅削減を達成したことを発表、これが株価を強く刺激する格好となっている。

●ストップ高銘柄

エコム <6225>  2,747円  +500 円 (+22.3%) ストップ高   11:30現在

など、3銘柄

●ストップ安銘柄

なし

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