ダウ平均は反落 アップルがMRヘッドセット発表後に下げに転じる=米国株概況
NY株式5日(NY時間16:23)
ダウ平均 33562.86(-199.90 -0.59%)
S&P500 4273.79(-8.58 -0.20%)
ナスダック 13229.43(-11.34 -0.09%)
CME日経平均先物 32185(大証終比:-55 -0.17%)
きょうのNY株式市場でダウ平均、ナスダックとも反落。先週末に大幅高を演じその反動が出ていた。アップル<AAPL>が本日開催の世界開発者会議(WWDC23)で注目のMRヘッドセット「ビジョン・プロ」を発表。コンテンツでディズニー<DIS>との協業も発表した。ディズニーのアイガーCEOが登場していた。アップルは一時最高値を更新していたが、発表後に下げに転じた。ヘッドセットの価格が3499ドル(約49万円)と高額なことが影を落としているとの指摘も出ていた。
先週末は物色の矛先もこれまでの人工知能(AI)関連を中心としたIT・ハイテク株に限定されていたものが、他セクターにも広がっていた。6月相場に入ってその流れが継続できるか市場は注目されていたが、きょうは戻り売りに押された格好。
金曜日に強弱まちまちの米雇用統計が発表されていたが、市場はFRBの追加利上げへの期待は正当化される内容ではあるものの、来週のFOMCは様子を見るとの見方を有力視している。むしろ、先週の米雇用統計からソフトランディングへの期待を高めている模様。
「景気後退が近いことを示す先行指標が増加しているにもかかわらず、労働市場の強さが続いている。そのため個人消費の水準が頑強で、景気後退の発症が先送りされている」といった声や、「雇用が大幅に弱まるまでは景気後退に傾くことはない。1950年代まで遡ると、求人数が減少するたびに失業率は急上昇してきたが、今回のサイクルではまだ起きていない。この傾向は続き、景気後退を遅らせる可能性がある」といった声も聞かれた。
ただ、きょうはアップル<AAPL>の動き以外は全体的に様子見気分が強い展開ではあった。
大手銀が軟調。今年の銀行危機後の金融システムを強化するため、米規制当局が米大手銀に対し、必要な自己資本要件を平均20%引き上げる新たな規則を計画していると伝わった。
サイバーセキュリティのパロアルト・ネットワークス<PANW>が上昇。先週末にS&P500の算出銘柄に組み入れられることが発表された。
医療機器のベレロフォン・セラピューティクス<BLPH>が86%急落。線維性間質性肺炎の治療を目的とした「INO・pulse」のリビルド試験(第3フェーズ)が主要評価項目を達成できなかったと発表した。
サイバーセキュリティのクラウドフレア<NET>が下落。アナリストが「売り」でカバレッジを開始した。
在宅看護などヘルスケアサ-ビスのアメディシス<AMED>が大幅高。ユナイテッドヘルス<UNH>傘下のオプタムから1株100ドルの現金での未承諾の競合買収提案を受け取ったと述べた。
バイオ医薬品のブループリント・メディシンズ<BPMC>が大幅安。アナリストが、リスク・リワードが下方に偏っているとして、投資判断を「売り」に引き下げ、目標株価も従来の48ドルから43ドルに引き下げた。
ユニティ・ソフトウエア<U>が大幅高。アップル<AAPL>が新しいMRヘッドセット「ビジョン・プロ」で同社と協力していると発表。
パロアルト・ネットワークス<PANW> 226.79(+9.55 +4.40%)
ベレロフォン・セラピューティクス<BLPH> 0.94(-6.12 -86.64%)
アメディシス<AMED> 91.74(+12.27 +15.44%)
ブループリント・メディスン<BPMC> 56.02(-2.20 -3.78%)
ユニティ・ソフトウエア<U> 36.32(+5.32 +17.16%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美