話題株ピックアップ【昼刊】:セイノーHD、GAテクノ、全固体電池関連
■セイノーHD <9076> 2,045.5円 +400 円 (+24.3%) ストップ高買い気配 11:30現在 東証プライム 上昇率トップ
セイノーホールディングス<9076>がストップ高。12日の取引終了後、取得総数2100万株(自己株式を除く発行済み株式総数の11.2%)、取得総額300億円を上限とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は6月13日から2024年6月12日まで。また、24年3月期の年間配当を前期比39円増配の95円にする計画を示した。これらを好感した買い注文が集まっている。同社はあわせて、経営の方向性を示した中期ロードマップを公表した。PBR(株価純資産倍率)1倍超の早期実現に向けて、3~5年でROE(自己資本利益率)を8%以上とする目標を掲げた。配当方針も変更した。今後はDOE(自己資本配当率)4%以上を目安に年間配当を実施する。これまでの方針は1株年間11円を下限とし、DOE2.4%と連結配当性向30%のいずれか高い金額を目安に配当を実施する、というものだった。更に同社は、消却前の発行済み株式総数(自己株式を含む)の9.6%に相当する2000万株を23年6月27日に消却することも決めた。
■GAテクノ <3491> 1,613円 +300 円 (+22.8%) ストップ高買い気配 11:30現在
GA technologies<3491>が急騰。12日の取引終了後に23年10月期上期(22年11月~23年4月)の決算を発表。最終損益が前年同期の赤字から3億7700万円の黒字に転換して着地しており、これが好感されている。売上高は前年同期比29.7%増の634億1100万円だった。ネット不動産投資サービスなどを手掛ける主力のRENOSYマーケットプレイス事業が好調に推移した。なお、通期見通しは据え置いている。
■アクシージア <4936> 1,452円 +232 円 (+19.0%) 11:30現在 東証プライム 上昇率2位
アクシージア<4936>が大幅続伸。12日の取引終了後、22年8月~23年4月期(第3四半期累計)の決算を発表。売上高が前年同期比40.2%増の78億9200万円、営業利益が同22.2%増の13億4000万円と増収増益で着地しており、これを好感した買いが集まっている。越境ECを含め中国国内での売り上げが好調だったことが寄与。インバウンド需要回復を見据え、「羽田エアポートガーデン店」をオープンするなど各種取り組みも進めた。なお、通期の見通しは据え置いている。
■オハラ <5218> 1,469円 +218 円 (+17.4%) 11:30現在
オハラ<5218>やマクセル<6810>、三櫻工業<6584>など全固体電池関連と位置付けられる銘柄群が軒並み高となっている。トヨタ自動車<7203>は13日、技術説明会「Toyota Technical Workshop」の内容についてホームページ上で公開した。このなかで、現行のリチウムイオン電池に比べて航続距離を大幅に伸ばすことが可能な全固体電池を搭載した電気自動車(EV)に関し、「2027~28年の実用化にチャレンジする」との計画を示しており、関連銘柄の刺激材料となった。車載電池を手掛けるジーエス・ユアサ コーポレーション<6674>や、独自製法の全固体電池を開発した日立造船<7004>も堅調に推移。全固体電池向けの固体電解質を開発した三井金属<5706>や、ジルコニウム化合物の供給拡大が期待される第一稀元素化学工業<4082>などが高い。
■トーホー <8142> 2,878円 +418 円 (+17.0%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
12日に決算を発表。「上期経常を一転74%増益に上方修正・22期ぶり最高益、通期も増額」が好感された。
トーホー <8142> [東証P] が6月12日大引け後(15:00)に決算を発表。24年1月期第1四半期(2-4月)の連結経常利益は前年同期比3.8倍の15.4億円に急拡大した。併せて、2-7月期(上期)の同利益を従来予想の13億円→25億円(前年同期は14.3億円)に92.3%上方修正し、一転して73.7%増益を見込み、一気に22期ぶりに上期の過去最高益を更新する見通しとなった。
同時に発表した「5月売上高は15.6%増」も買い材料。
5月売上高は前年同月比15.6%増と増収基調が続いた。
■AI inside <4488> 7,580円 +1,000 円 (+15.2%) ストップ高 11:30現在
AI inside<4488>が前日に続いてストップ高まで買われ、新値追いとなっている。同社は12日、人工知能(AI)開発・実装に求められるデータ基盤・学習基盤・運用基盤をすべて包含したAI統合基盤「AnyData」の提供を開始したと発表。これが新たな買い手掛かりとなっているようだ。また、AIテクノロジーとその事業化に深い知見を持つプロフェッショナル人材を結集した経営層向けAI実装コンサルティングチーム「InsideX」も同時に発足。経営活動につながる潜在的なビジネス課題の発見から、ビジネス変革を実現するAI技術のアセスメント・構想・要件定義・AI実運用まで、「AnyData」や生成AI・大規模言語モデル(LLM)を活用して一気通貫で支援し、全社最適・新規事業創出につながる本質的なデジタルトランスフォーメーション(DX)やデータを活用した経営の実現に貢献するとしている。なお、8日には生成AI及びLLMの研究開発と社会実装を行う「XResearch(エックスリサーチ)」を創設したことを明らかにしている。
■ネットプロ <7383> 368円 +23 円 (+6.7%) 11:30現在
ネットプロテクションズホールディングス<7383>が大幅高で3日続伸。この日、連結子会社が海外向けに提供する後払い(BNPL)決済サービス「AFTEE」について、5月下旬時点で台湾での会員数が100万人を突破したと発表した。同時に、ベトナムでも同サービスの提供を開始したとしており、業績へのプラス効果を見込んだ買いを集めたようだ。AFTEEは、商品購入時に携帯電話番号を登録することで利用できるサービスで、1カ月分の買い物代金をまとめて支払ったり、最大24回の分割払いにしたりできる。クレジットカードを持たない人でもショッピングが可能となり、事業者にとっては幅広い顧客獲得が期待できるという。
■ispace <9348> 1,625円 +91 円 (+5.9%) 11:30現在
ispace<9348>が続急騰した。日本経済新聞電子版が12日夜、「政府は国立研究開発法人の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が民間ビジネスに投資できるための法改正に乗り出す」と報じた。月面開発を目指す同社の事業には前向きな動きとの受け止めが広がり、買いを集めたようだ。日経電子版の報道によると、政府はJAXA法に民間事業者を支援するための基金を作る規定を設ける。秋の臨時国会への同法改正案の提出を目指すとしている。
■ソフトバンクグループ <9984> 6,327円 +332 円 (+5.5%) 11:30現在
ソフトバンクグループ<9984>が続伸している。12日夜、同社の孫正義会長兼社長と、「チャットGPT」を開発した米オープンAIのサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)が面会したと伝わった。NHKによると、アルトマンCEOは記者団に対し、ソフトバンクGと共同で事業を模索していることを明らかにしたという。ソフトバンクG株に対しては、生成AI関連での事業拡大につながるとの思惑が広がる格好となり、幅広い投資家からの買い注文を集めている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,161円 +92 円 (+4.5%) 11:30現在
トヨタ自動車<7203>がマドを開けて買われ4日続伸。今月7日につけた高値2078円50銭を上回り2100円台まで上昇し、年初来高値を更新した。6月に入ってから株価の上昇基調が鮮明となっている。あす、14日に株主総会を控えており、その動向も耳目を集めるなか株価は上値指向が強い。同社は2027年にも次世代電池の本命とされる「全固体電池」を搭載した電気自動車(EV)を投入すると13日付の日経新聞が報じた。同社は新社長のもとでEV戦略を一段と強化する構えで、その基幹部品である2次電池分野の新境地開拓も株価の刺激材料となっている。
■レーザーテック <6920> 21,990円 +830 円 (+3.9%) 11:30現在
レーザーテック<6920>、東京エレクトロン<8035>がともに3日続伸しているほか、アドバンテスト<6857>は4連騰で上場来高値を更新するなど半導体製造装置関連の物色人気が際立つ。前日の米国株市場では、FOMC開催を前にFRBによる政策金利引き上げが見送られるとの思惑からグロース(成長)株に買いが向かい、特に半導体関連株への買いが目立った。インテル<INTC>が5.5%高に買われるなど人気化し、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3.3%高と大幅な上昇を示した。生成AIによる半導体需要の喚起が観測されるなか、半導体関連株への投資資金流入に弾みがついている。東京市場でも商品競争力の高い大手製造装置メーカーを中心に、半導体セクターに機関投資家とみられる大口の買いが継続している。
■弁護士ドットコム <6027> 4,115円 +125 円 (+3.1%) 11:30現在
弁護士ドットコム<6027>が4連騰で、年初来高値を連日で更新した。12日の取引終了後、契約マネジメントプラットフォーム「クラウドサイン」の導入自治体数が6月1日時点で100自治体を突破したと発表した。サービスの成長を評価した買いを集めたようだ。同社によると、クラウドサインの国内の自治体における導入シェア率は約8割に上った。一方、自治体における電子契約の導入率(他社を含む)は7%にとどまっているという。
■タマホーム <1419> 3,370円 -120 円 (-3.4%) 11:30現在
タマホーム<1419>は3日ぶりに反落した。12日の取引終了後、5月度の受注速報を発表した。注文・建売・リフォームの合計受注額は前年同月比10%減となった。単月の受注額の前年割れは3カ月連続となる。今後の業績への影響を懸念した売りが優勢となっている。内訳をみると注文は同11%減、建売は4%減。リフォームは横ばいだった。
■INPEX <1605> 1,565.5円 -12.5 円 (-0.8%) 11:30現在
INPEX<1605>や石油資源開発<1662>が安い。12日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の7月限が前日比3.05ドル安の1バレル=67.12ドルに下落。13~14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利が据え置かれるが、次回7月会合では0.25%の利上げが行われるとの見方が強く、原油需要が減少することを警戒する見方が強まった。中国の需要減速懸念も原油価格の上値を抑える要因となった。
■レカム <3323> 112円 +30 円 (+36.6%) ストップ高 11:30現在
レカム<3323>がストップ高。12日の取引終了後、電気製品・部品の販売を手掛けるマレーシアのSin Lian Wah Electric(SLWE)社の全株式を取得し、子会社化すると発表した。SLWE社は卸業者や小売店など幅広い流通ネットワークを通じて400社近い顧客を抱えているといい、業績へのポジティブな効果を期待した買いが集まったようだ。レカムは2021年に照明機器販売を手掛けるマレーシアのSin Lian Wah Lighting(SLWL)社を子会社化した。SLWL社とSLWE社を合算した売上金額は年間40億円を超える見込みという。マレーシアにおけるプレゼンスの確立が企業価値の向上につながると判断した。
■レナサイエンス <4889> 520円 +80 円 (+18.2%) ストップ高 11:30現在
レナサイエンス<4889>が急騰。同社は東北大学発のバイオベンチャーで、低分子化合物を活用した治療薬開発を行っている。12日取引終了後、同社はNEC<6701>と人工知能(AI)の医療応用に関する共同研究契約を締結することを決定したと発表、これを材料視する買いを呼び込んでいる。AIのリーディングカンパニーであるNECとの協業によって、最先端のAI技術を活用し、医療ソリューションの研究開発を加速する方針。診断や治療に役立つさまざまなプログラム医療機器開発を推進していく構えにあり、今後の業容拡大への期待が投資資金の食指を動かした。
●ストップ高銘柄
インフォネット <4444> 2,079円 +400 円 (+23.8%) ストップ高 11:30現在
大日光 <6635> 637円 +100 円 (+18.6%) ストップ高 11:30現在
など、7銘柄
●ストップ安銘柄
なし
株探ニュース