ダウ平均は7日ぶりに反落 ヘルスケアが下落 全体的にはFOMCの結果待ち=米国株前半
NY株式14日(NY時間12:55)
ダウ平均 34109.54(-102.58 -0.30%)
ナスダック 13629.63(+56.31 +0.41%)
CME日経平均先物 33545(大証終比:-5 -0.01%)
きょうのNY株式市場でダウ平均は7日ぶりに反落。全体的にこのあとのFOMCの結果待ちといった雰囲気が強まる中、ヘルスケア株の下落がダウ平均を圧迫している。
ダウ採用銘柄のユナイテッドヘルス<UNH>のレックスCFOが証券会社主催のコンファレンスに出席し、「最近の手術やその他の医療行為の増加が予想以上に経費を押し上げる可能性がある」と述べたことが嫌気されている。CVSヘルス<CVS>やヒューマナ<HUM>といった、他のヘルスケア株にも売りが広がっている。
FOMCについては、前日の5月の米消費者物価指数(CPI)がインフレの鈍化傾向を示したことで、今回は利上げを一時停止することが確実視されている。ただ、FRBは利上げを一時停止するものの、声明や経済見通し、FOMC委員の金利見通し(ドット・プロット)、そして、パウエル議長の会見などから、もう一段の追加利上げの可能性を示唆する見られている。市場も7月FOMCでの0.25%ポイントの利上げの確率を65%程度で見ている状況。
米国では、急速な利上げによる副作用として、銀行や商業用不動産の問題が指摘されている中、景気をソフトランディングさせたいFRBとしては、利上げサイクルをそろそろ終了させたい意向が強いと見られる。しかし、米雇用統計に強い内容が相次ぐなど、米労働市場は依然としてタイトな状況が続いており、高インフレの粘着性への警戒感も残る状況。
そのような中で、今回のFOMCは追加利上げに対するFRBのトーンを確認したいところでもあり、その意味ではドット・プロットで金利見通しをどう修正して来るか注目される。
前回3月FOMCのドット・プロットでは、今年末の金利見通しを現行水準の5.00-5.25%を示唆する5.125%を示してきた。今回は上方修正が予想されるが、あと1回の利上げを示唆するのか、それとも、あと2回を示唆するのかで市場の反応も変わりそうだ。市場では、あと1回の利上げの示唆に留めることが有力視されている。
なお、取引開始前に5月の米生産者物価指数(PPI)が発表され、前日のCPI同様にインフレの鈍化傾向を示した。ただ、FOMCを控えていることもあり、株式市場の反応は限定的。
米生産者物価指数(5月)21:30
結果 -0.3%
予想 -0.1% 前回 0.2%(前月比)
結果 1.1%
予想 1.5% 前回 2.3%(前年比)
結果 0.2%
予想 0.3% 前回 0.2%(コア・前月比)
結果 2.8%
予想 3.0% 前回 3.1%(3.2%から修正)(コア・前年比)
ナイキ<NKE>が上昇しており、ダウ平均の下値をサポート。同社株の値上がり率は今年最大となり、このまま終了すれば、終値は約1カ月ぶりの高値となる勢い。一部からは、5月の米国のオンライン消費動向の軟化も報告されているが、これは欧州の好調な動きによって一部相殺されたとの指摘が出ている。欧州の動向はコンセンサス予想の上振れを示唆しているという。
ユナイテッドヘルス<UNH> 456.41(-34.90 -7.10%)
ヒューマナ<HUM> 449.40(-63.23 -12.33%)
CVSヘルス<CVS> 67.82(-4.44 -6.14%)
ナイキ<NKE> 113.05(+6.27 +5.87%)
アップル<AAPL> 184.05(+0.74 +0.40%)
マイクロソフト<MSFT> 337.66(+3.37 +1.01%)
アマゾン<AMZN> 126.25(-0.41 -0.32%)
アルファベットC<GOOG> 124.16(-0.28 -0.22%)
テスラ<TSLA> 258.98(+0.27 +0.10%)
メタ・プラットフォームズ<META> 272.14(+0.82 +0.30%)
AMD<AMD> 126.52(+1.99 +1.60%)
エヌビディア<NVDA> 418.90(+8.68 +2.12%)
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美