話題株ピックアップ【夕刊】(1):MSOL、ABEJA、Aバランス
■MSOL <7033> 3,740円 +700 円 (+23.0%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
マネジメントソリューションズ<7033>がストップ高。14日の取引終了後に発表した23年10月期第2四半期累計(22年11月~23年4月)の連結決算は、営業利益が前年同期比3.6倍の8億100万円となった。2~4月期では同19倍と、第1四半期(22年11月~23年1月)の営業増益率(16.6%)を大きく上回った。また、同日にプロジェクトマネジメントソフトウェア「PROEVER」(プロエバー)で、生成AIを活用したAIコンシェルジュ機能の提供を開始するとも発表しており、これらを材料視した買いが集まったようだ。第2四半期累計の売上高は同54.3%増の80億3300万円だった。取引先企業数が増加したことに加え、採用エージェント以外での採用を強化したことで、採用費の抑制にも成功した。
■ABEJA <5574> 6,140円 +1,000 円 (+19.5%) ストップ高 本日終値
13日に東証グロース市場に新規上場したABEJA<5574>がこの日も買われた。AI開発の領域で事業を展開する話題性に加え、IPO直後で株式の需給面でのシコリもないことから、値動きの軽さに着目した値幅取り狙いの買い注文が集まったようだ。
■Abalance <3856> 10,630円 +940 円 (+9.7%) 本日終値
Abalance<3856>が後場に急伸した。15日、連結子会社のWWBが、ヤマダホールディングス<9831>のグループ企業であるヤマダトレーディングと、住宅用蓄電池の販売に関する業務委託契約を締結したと発表した。協業と取引拡大の体制が整ったといい、これを材料視した短期資金が流入。株高に弾みがついた。WWBは低圧発電所を中心とする太陽光発電事業を展開し、太陽光パネルや産業用及び住宅用の蓄電池などの販売も手掛けている。今回の業務委託契約の締結で、WWBは特定顧客層への家庭用蓄電池の販売ルートの確保につながるという。23年6月期業績への影響は軽微とする一方、24年6月期以降の業績には寄与する見込みとしている。
■Gセキュリ <4417> 7,120円 +540 円 (+8.2%) 本日終値
グローバルセキュリティエキスパート<4417>の上値指向が鮮明だ。前日は一時500円以上の上昇をみせ年初来高値7170円まで買われた後に値を消し、上ヒゲをつける形となっていたが、きょうは改めて買い直され再び7000円台に乗せてきた。同社は中堅・中小企業を主要顧客にサイバーセキュリティーコンサルやソリューションサービス、セキュリティー関連の教育サービスなどをワンストップで提供し、業績は高成長路線をまい進している。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)シフトの動きと合わせ、サイバー攻撃対策の重要性が高まっており、特に対策で出遅れる中堅・中小企業を対象とした潜在的市場規模は大きく、同社の活躍余地が大きいとみられている。同社は中期経営計画として26年3月期に営業利益22億円(前期実績比3倍)を数値目標として掲げており、これを評価した投資資金の流入が続いている。
■フジ・コーポレーション <7605> 1,511円 +103 円 (+7.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率7位
フジ・コーポレーション<7605>は大幅高。2018年3月高値の1485円(株式分割考慮後)を上回り、約5年3カ月ぶりに上場来高値を更新した。14日の取引終了後、自社株買いと消却を実施すると発表しており、これを好感した買いが入った。取得上限は100万株(自己株式を除く発行済み株数の5.1%)、または14億円。期間は6月19日から来年6月18日まで。取得した株式のすべてを消却する見通し。
■エイチ・アイ・エス <9603> 2,063円 +119 円 (+6.1%) 本日終値 東証プライム 上昇率10位
エイチ・アイ・エス<9603>は大幅高で底値離脱の気配を漂わせている。14日の取引終了後に22年11月~23年4月期(上期)決算を発表し、営業損益は前年同期から赤字幅縮小となる33億5800万円の赤字となった。四半期ベースでみると直近2~4月期は13四半期ぶり黒字転換を果たしており、これを好感した買いが入った。上期の売上高は前年同期比50.3%増の1029億1300万円だった。政府の観光支援策「全国旅行支援」や各国の入国規制緩和を追い風に主力の旅行事業が大きく改善。ホテルやバス事業も回復した。なお、通期見通しは引き続き未定とした。
■ライフネット生命保険 <7157> 1,067円 +51 円 (+5.0%) 本日終値
ライフネット生命保険<7157>が大幅高で5連騰。14日の取引終了後、香港の投資ファンドであるオアシス・マネジメントがライフネット株の買い増しに動いたことが明らかとなり、これを思惑視した買いを集めたようだ。同日に財務省に提出された変更報告書によると、オアシスの保有比率は6.50%から9.71%に上昇した。報告義務発生日は6月7日。保有目的は「ポートフォリオ投資および重要提案行為」としている。
■野村ホールディングス <8604> 550.2円 +23.2 円 (+4.4%) 本日終値
野村ホールディングス<8604>が大幅に3日続伸。大和証券グループ本社<8601>も買われ、連日で年初来高値を更新した。PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る銘柄が集まる証券セクターに対しては、相対的な出遅れ感も意識されており、循環物色の一環として資金が流入している。日経平均株価が33年ぶりの高値圏にあり、連日で上昇する強い動きとなっていることもあって、株式市場が活況になることに伴う収益押し上げ効果に対する思惑も証券株への買いを誘う要因となっているようだ。水戸証券<8622>やマネックスグループ<8698>、岡三証券グループ<8609>、東洋証券<8614>、東海東京フィナンシャル・ホールディングス<8616>がいずれも大幅高。東証の業種別指数で証券・商品先物取引業は一時4%を超す上げとなり、上昇率でトップとなっている。日本取引所グループ<8697>も高い。
■ローランド <7944> 4,300円 +90 円 (+2.1%) 本日終値
ローランド<7944>が5連騰で年初来高値を更新した。SMBC日興証券は14日、同社の目標株価を7000円から7200円に引き上げた。投資評価は「1」を継続した。同証券は業績予想における為替前提を見直し、23年12月期の営業利益の予想を120億円から130億円に増額した。不確実性が高い事業環境のなかでも機動的な経営が実行されていると指摘。株式の流動性の低さが株価のディスカウント要因との見方が多いとしたうえで、企業価値を高めるための変化の可能性に注目したいとコメントした。
■アドバンテスト <6857> 19,550円 +360 円 (+1.9%) 本日終値
アドバンテスト<6857>など半導体製造装置関連が高いほか、SoC(システム・オン・チップ)開発のソシオネクスト<6526>も切り返すなど、半導体の主力銘柄が頑強な展開となっている。前日の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>やインテル<INTC>が大きく買われるなど半導体セクターが堅調で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は5日続伸と上値追い基調を続けた。東京市場でも前日は先駆した半導体関連に利益確定の売りが出たものの総じて押しは浅く、海外投資家の根強い買いが続いていることを示唆している。
株探ニュース