明日の株式相場に向けて=「日銀」と「内閣不信任案」に揺れる相場
15日の日経平均株価は一時200円を超える上昇となったが、引けにかけ失速し結局前日比16円安の3万3485円で取引を終えた。
前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)ではドットチャートで年内2回の利上げが示唆されたものの、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がハト派寄りの姿勢を示したことで強弱観が対立した。そんななか、日経平均株価は前日までの連日高をものともせず一時3万3700円台まで上昇する場面があったが、3万4000円に接近する勢いのなか、さすがに利益確定売りに押された。
今晩は、欧州中央銀行(ECB)理事会が開催され0.25%利上げが有力視されている。明日は日銀金融政策決定会合の結果が発表される。日銀会合に関して、市場では「金融政策は現状維持が予想される」(市場関係者)との見方が一般的だ。市場の関心を集めた中銀ウィークを通過することで安心感が広がるのか、それともいったん手仕舞い売りが優勢となるのかが関心を集めている。
その一方で、15日には立憲民主党が「岸田内閣に対する不信任案を16日に衆院に提出する意向を固めた」との報道が流れた。内閣不信任案が出された場合、岸田首相は衆院解散で応じるかが焦点となりそうだ。週末16日の相場は「日銀」と「内閣不信任案」に揺れる相場となりそうだ。
個別銘柄では、トヨタ自動車<7203>の急騰で物色の輪が広がるかが注目される。デンソー<6902>や豊田自動織機<6201>も歩調を合わせて上昇しており自部品株などが注目される展開も期待される。今晩は米6月ニューヨーク連銀製造業景気指数や米5月鉱工業生産などが発表される。また、政府は明日にも「骨太の方針」を閣議決定する見込みだ。
最終更新日:2023年06月15日 17時58分