株価指数先物【寄り前】 米国株高を好感も、国内の政策期待後退で短期ショートを誘いやすい
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 33430 +20 (+0.05%)
TOPIX先物 2295.5 +3.5 (+0.15%)
シカゴ日経平均先物 33465 +55
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
15日の米国市場は、NYダウ、 S&P500、ナスダックの主要な株価指数が上昇。6月のNY連銀製造業景況指数はプラス6.6となり、前月のマイナス31.8から予想外の大幅改善となった。また、5月の小売売上高は前月比0.3%増と、市場予想(0.2%減)に反して上昇するなど景気の底堅さが示された。加えて、新規失業保険申請件数が予想を上回る増加だったことで、金融引き締めの長期化懸念が和らぎ、米長期金利が低下したことも買いを誘った。NYダウの上げ幅は一時500ドルを超す場面も見られた。ナスダックは6営業日続伸で、昨年4月以来の水準を回復。S&P500業種別指数はソフトウエア・サービス、電気通信サービス、運輸、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方で、半導体・同製造装置、自動車・自動車部品の2セクターがさえない。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比55円高の3万3465円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは、日中大阪比110円高の3万3520円で始まり、直後に付けた3万3540円を高値に軟化し、3万3110円まで売られる場面が見られた。売り一巡後は3万3110円~3万3250円辺りでの保ち合いを継続。米国市場の取引開始後にリバウンドが強まり、上昇に転じると3万3520円まで買われた。ただし、終盤にかけて戻り売りに押され、3万3430円と小幅な上昇でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになりそうだ。米国市場ではマイクロソフト<MSFT>やアップル<AAPL>、メタプラットフォームズ<META>、アマゾン・ドット・コム<AMZN>などの大型テック株が買われており、東京市場でも指数インパクトの大きい値がさ株が日経平均株価をけん引する展開が見込まれる。ただし、半導体株の一角が売られてSOX指数は下落したため、東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]などの重荷となる可能性はありそうだ。
また、米国市場のリバウンド基調が強まるなか、海外投資家による米国への資金回帰の動きが意識されてくることも考えられる。衆議院の解散を巡り岸田首相は「今国会での解散は考えていない」との考えを示したと報じられている。足もとで解散総選挙への可能性から政策期待に絡んだ買いもあったため、短期的にはショートを誘いやすいだろう。
日経225先物は、ナイトセッションでボリンジャーバンドの+2σを下回っており、+1σとのレンジに沿った上昇トレンドは継続するものの、やや利食いが強まる展開を想定しておきたい。もっとも、日銀の金融政策決定会合では大規模緩和を維持する見通しであり、発表後は改めて米国や欧州との金利差を意識した資金流入への思惑が高まりやすいだろう。そのため、押し目狙いでのロング対応は継続し、オプション権利行使価格の3万3125円~3万3625円処のレンジを意識しておきたい。
VIX指数は14.50と前日(13.88)から上昇した。ボトム圏での推移ではあるが、NYダウが一時500ドルを超える上昇を見せるなかでの上昇であり、投資家心理をやや神経質にさせそうだ。
なお、昨日のNT倍率は先物中心限月で14.57倍に低下した。一時14.63倍まで上昇する場面も見られたが、ファーストリテイリング <9983> [東証P]やソフトバンクグループ <9984> [東証P]の下げが日経平均型の重荷となった。本日は半導体株の一角が弱含む可能性があり、目先的にはNTロングの巻き戻しが入りやすいだろう。
株探ニュース