話題株ピックアップ【夕刊】(1):ジーエヌアイ、さくらネット、キヤノン
■ジーエヌアイグループ <2160> 1,397円 +300 円 (+27.4%) ストップ高 本日終値
ジーエヌアイグループ<2160>はストップ高。15日の取引終了後、子会社Cullgen(カルジェン)がアステラス製薬<4503>との間で、革新的なタンパク質分解誘導剤創出に向け共同研究と独占的オプション契約を締結したと発表。今後の展開を期待した買いが膨らんでいる。カルジェンはアステラスから契約一時金3500万ドル(1ドル=140円換算で49億円)を受領する。また、アステラスがリードプログラムに関するライセンスオプションを行使した場合に8500万ドル(同119億円)、更にライセンスオプションとプログラムの進捗に応じたマイルストン最大19億ドル(同2660億円)と製品の売り上げに応じたロイヤルティーを受領する可能性がある。
■さくらインターネット <3778> 856円 +150 円 (+21.3%) ストップ高 本日終値 東証プライム 上昇率トップ
さくらインターネット<3778>がストップ高。世界的に生成AIの市場拡大が進むなか、国内でも国策として同分野のインフラ整備に注力する動きが出始めている。そうしたなか、経済産業省が国内での生成AI開発の基盤づくりに乗り出し、さくらネットが近く整備するスーパーコンピューターの経費の半額を補助すると日本経済新聞が報じており、これを材料視する買いが集中した。AI開発向けで国内最高の計算能力を持つとされ、さくらネットはクラウドを通じて生成AIの開発を手掛けるスタートアップなどにスパコンの計算能力を安価で提供するのを条件に、経産省から財政支援を受ける形で2024年以降にサービスを開始、日本の生成AIの開発力底上げにつなげると日経新聞は伝えている。市場では「(さくらネットは)クラウド関連でスパコン周辺企業との認識はあったが、ピンポイントで国策絡みの支援材料が出るというのは予想されていなかったので、それだけにサプライズが大きかった」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれた。
■フィックスターズ <3687> 1,601円 +270 円 (+20.3%) 本日終値 東証プライム 上昇率2位
フィックスターズ<3687>が急騰。顧客企業のソフトウェアを高速化させる技術で群を抜く競争力を誇る。富士通<6702>と協働するスーパーコンピューター分野での展開や、将来的に生成AI技術の成長ドライバーとして注目される量子コンピューター分野でも関連最右翼としてマーケットの視線を集めている。業績も絶好調で22年9月期営業利益は前の期比67%増益を達成、23年9月期も前期比23%増益の20億円と連続ピーク利益更新を見込むが、一段の上振れも視野に入る。きょうは、さくらインターネット<3778>がAI開発向けスパコン開発で経済産業省が資金支援するとの報道を受けて、大量の買い注文を集めストップ高人気となっており、同社株にもその連想が働き物色人気を助長している面もあるようだ。
■サンウェルズ <9229> 3,715円 +335 円 (+9.9%) 本日終値
サンウェルズ<9229>が大幅高、上場来高値を更新した。パーキンソン病専門の有料老人ホームを展開するほか、介護サービスにも力を入れている。老人ホームは脳神経内科病院と連携し、継続的な専門的治療を受けられるほか、リハビリプログラムも充実、看護師による服薬管理などのサポートなどで高評価を得ている。ニッチトップ企業の強みを生かして新規開設を加速させており、業容拡大による収益成長に期待が大きい。23年3月期は営業利益段階で前の期比2.9倍と変貌したが、24年3月期も同利益は前期比倍増の29億4700万円を予想。更に25年3月期も施設数拡大効果でトップライン、利益ともに高水準の伸びが見込まれる状況にある。
■スパイダープラス <4192> 869円 +73 円 (+9.2%) 本日終値
スパイダープラス<4192>が急伸築図面・現場管理者アプリを手掛け、建設業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)に貢献する。15日取引終了後、同社が開発した「SPIDERPLUS PARTNER」に「ChatGPT」を組み込んだ人工知能(AI)支援機能の提供を開始することを発表、これを材料視する買いを誘導した株式需給面では信用買い残の整理が進んでおり、その分上値が軽くなっている。
■ケアネット <2150> 1,076円 +66 円 (+6.5%) 本日終値
ケアネット<2150>は6日続伸。株価は今月初めに805円の年初来安値をつけたが、ここをターニングポイントに戻りに転じ、特に今週に入って上値追いを加速させ13日ザラ場に約1カ月半ぶりとなる4ケタ大台を回復した。医師・医療従事者向け会員制サイト「ケアネット・ドットコム」をプラットフォームに医薬品メーカーのマーケティング支援を行うが、業績は医療業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要を捉え、大幅増収増益トレンドが続いている。株式需給面では外資系証券経由の貸株調達による空売りが溜まっていたが、その買い戻しも株価の押し上げに寄与しているもようだ。テクニカル的には5日移動平均線をサポートラインとする急勾配の戻り足で、中期波動の分水嶺である75日移動平均線もクリアした。
■ビジョナル <4194> 8,530円 +430 円 (+5.3%) 本日終値
ビジョナル<4194>が反発、3月中旬以来の高値に上昇した。転職支援サイト「ビズリーチ」の関連収益が拡大しており、第3四半期累計(22年8月~23年4月)の連結営業利益は前年同期比38.4%増の99億6400万円と好調だった。プロフェッショナル人材に対する需要の強さが業績を押し上げている。23年7月期の同利益は前期比50.9%増の125億円と最高益が見込まれているが、市場には130億円前後への増額修正観測が出ている。
■ispace <9348> 1,713円 +82 円 (+5.0%) 本日終値
ispace<9348>が続伸。15日の取引終了後、米国の連結子会社のCEO(最高経営責任者)に、米航空宇宙局(NASA)の元宇宙飛行士のロナルド・ギャレン氏が就任したと発表した。米国での事業展開に弾みがつくとの思惑から買いが集まったようだ。これまで同子会社のCEOは、アイスペースの袴田武史CEOが兼務していた。ギャレン氏は通算で178日の宇宙滞在記録を持ち、直近ではアリゾナ州の新興宇宙開発企業のプレジデントを務めたという。
■キヤノン <7751> 3,788円 +178 円 (+4.9%) 本日終値
キヤノン<7751>は大幅反発し年初来高値を更新した。15日の取引終了後に自社株買いを実施すると発表したことが好感された。上限を1600万株(発行済み株数の1.60%)、または500億円としており、取得期間は6月16日から8月21日まで。資本効率の向上を図るとともに、将来の株式交換など機動的な資本戦略に備えることが目的としている。
■ヤクルト本社 <2267> 9,472円 +392 円 (+4.3%) 本日終値
ヤクルト本社<2267>が切り返し急。16日、「Newヤクルト」など一部商品の価格改定を発表した。原材料価格や物流費が上昇するなか、収益改善効果を期待した買いを集めたようだ。「Newヤクルト」の税抜き価格は現行の1本40円から48円に値上げする。「Newヤクルトカロリーハーフ」と「佐賀の神埼 そば」も値上げ対象となる。価格改定日は9月1日。NewヤクルトとNewヤクルトカロリーハーフの値上げは、2013年11月4日以来、9年10カ月ぶりの値上げとなる。
株探ニュース