富田隆弥の【CHART CLUB】 「最高値視野も、風雨は強まる」
◆日本株の快進撃が続く。33年ぶりという領域に入った日経平均株価は6月15日時点で3万3767円まで高値を伸ばし、節目であった1990年6月の戻り高値3万3344円を突破した。次に目指すは3万5000円であり、そして1989年12月の史上最高値3万8957円を視野に入れるのも時間の問題と言えるだろう。
◆外国人投資家は、現物と先物合計で6月第1週(6月5日-9日)まで10週連続で買い越している。脱デフレや企業の意識改革を背景に、日本株に対する注目度は増している。ただし、強い流れに従うのは基本だが、1カ月余りで4700円幅(16.3%)と急騰しており、スピードの出し過ぎには注意も必要になってくる。
◆6月は9日のメジャーSQ(先物・オプションの特別清算指数算出日)に伴う先物主導の需給が上昇に弾みを付けたほか、21日の国会会期末を控えて「骨太の方針」など政策面での支援材料もあり、信用取引などで「売り方」は買い戻しを強いられた。なお、米国ではFOMC(連邦公開市場委員会)を通過したが、16日は米国のメジャーSQ(クアドラプルウィッチング:株価指数先物・株価指数オプション・個別株先物・個別株オプションの取引最終日)でもあり、需給面の動向には目を配りたい。
◆快調な日本株だが、皆が強気に傾く状況となってテクニカル指標は過熱を強めており、日経平均株価は1月4日の安値期日(7月4日)が近づく。そして、「8月(お盆)に調整」というアノマリー(経験則)もある。ここから7月にかけては高値圏で風雨が強まり、乱高下しやすくなることは頭に入れておきたい。短期売買であれば「吹き値売り、押し目買い」での対応も一策になると思われる。
(6月15日 記、次回更新は6月24日を予定)
株探ニュース