20日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場は続落、パウエルFRB議長の証言前に調整売り
■NY株式:米国株式市場は続落、パウエルFRB議長の証言前に調整売り
ダウ平均は245.25ドル安の34,053.87ドル、ナスダックは22.28ポイント安の13,667.29で取引を終了した。
5月住宅着工件数が予想を上回り、連邦準備制度理事会(FRB)による年内の利上げ再開に対する懸念が強まり、寄り付き後、下落。中国人民銀行が回復が遅れている景気を刺激するため利下げに踏み切ったことも世界経済の減速懸念を強め、相場を一段と押し下げた。また、今週予定されているパウエルFRB議長の半年に一度の金融政策報告に関する議会証言を控えた調整的な売りも目立ち終日軟調に推移。セクター別では自動車・自動車部品が上昇した一方で、エネルギー、耐久消費財・アパレルが下落した。
電気自動車メーカーのリビアン・オートモーティブ(RIVN)は同業テスラ(TSLA)との契約締結で同社の充電規格を採用、国内最大の充電ネットワーク利用が可能となることが明らかになり上昇。テスラ(TSLA)も買われた。バイオのダイス・セラピューティクス(DICE)は、製薬会社のイーライリリー(LLY)が開発中の免疫疾患向け経口治療薬取得のため同社を約24億ドルで買収すると発表し上昇。イーライリリー(LLY)も買われた。
一方、スポーツ用品メーカーのナイキ(NKE)はアナリストが今月29日に発表が予定されている決算で、同社の2024年通期見通しが市場予想に満たないと悲観的な分析をもとに目標株価を引き下げたため売られた。石油化学メーカーののエクソンモービル(XOM)は中国の需要鈍化を懸念して下落。
運送会社のフェデックス(FDX)は取引終了後に四半期決算を発表。調整後の1株利益は予想を上回ったが、需要が弱く2024年の見通しが予想を下回り時間外取引で下落している。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:日本当局の円安けん制や中国経済低迷で円反発
20日のニューヨーク外為市場でドル・円は、141円75銭へ上昇後、141円21銭まで下落し、141円43銭で引けた。米5月住宅着工件数や住宅建設許可件が予想を上回ったため年内の利上げ再開の思惑に金利上昇に伴うドル買いが優勢となった。その後、根強い日本の当局による円売り是正の介入警戒感を受けた円の買戻しやパウエル議長の議会証言を控えた利食いのドル売りに押された。
ユーロ・ドルは、1.0936 ドルから1.0893ドルまで下落し、1.0917ドルで引けた。ドイツのPPIの伸びが2年ぶり最低となったためユーロ売りが優勢となった。同時に欧州中央銀行(ECB)の9月追加利上げ観測も根強く、下値も限定的となった。ユーロ・円は154円68銭から154円05銭まで下落。中国経済成長への悲観的見方でリスク回避の円買いが優勢となったほか、日欧金利差拡大観測に伴うユーロ売りが優勢となった。ポンド・ドルは、1.2714ドルまで下落後、1.2768ドルまで上昇した。ドル・スイスは0.8965フランから0.9001フランまで上昇した。
■NY原油:下落で71.19ドル、一時70ドルを下回る
NY原油先物8月限は下落(NYMEX原油8月限終値:71.19 ↓0.74)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比-0.74ドルの71.19ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは69.76ドル-72.38ドル。ロンドン市場の序盤にかけて72.38ドルまで買われたが、中国の需要増加への期待は後退し、米国市場の前半に69.76ドルまで反落。株安も嫌気された。ただ、押し目買いも入っており、通常取引終了後の時間外取引で71.39ドルまで戻している。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.87ドル -0.32ドル(-1.10%)
モルガン・スタンレー(MS) 86.73ドル -1.36ドル(-1.54%)
ゴールドマン・サックス(GS)330.72ドル -7.59ドル(-2.24%)
インテル(INTC) 35.00ドル -1.37ドル(-3.77%)
アップル(AAPL) 185.01ドル +0.09ドル(+0.05%)
アルファベット(GOOG) 123.85ドル -0.21ドル(-0.17%)
メタ(META) 284.33ドル +3.33ドル(+1.19%)
キャタピラー(CAT) 241.15ドル -4.12ドル(-1.68%)
アルコア(AA) 34.22ドル -1.40ドル(-3.93%)
ウォルマート(WMT) 154.16ドル -1.37ドル(-0.88%)
《ST》