REITの下落が目立つ パウエル議長の発言を嫌気=米国株個別
米株式市場で不動産投信(REIT)の下落が目立っており、不動産セクターはS&P500の中で最悪のパフォーマンスとなっている。パウエルFRB議長がこの日の上院での議会証言で「商業用不動産の問題が深刻化していることを非常に認識している」と発言したことが嫌気されている模様。
特にオフィスのREITはこのセクターの最大の足かせとなっており、S&Pコンポジット1500オフィスREIT指数は3%下落している。
また、調査会社MSCIリアル・アセッツのレポートによると、米商業不動産業の不良資産の総額は1-3月(第1四半期)に10%増加し約640億ドルに膨らんだと報告した。近い将来に問題となり得る商業用不動産は1550億ドル近くに上るという。
借り入れコストの上昇が商業不動産業界に打撃となっており、価格が下落し、デフォルト(債務不履行)を選択する所有者もいる。問題となり得る資産の大半は借り換えが必要なビルに関連しているが、複数の米地銀の破綻を受け、銀行は与信を引き締めつつあるという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美