株価指数先物【寄り前】 米ハイテク株上昇が安心感につながり、ボリンジャーの+1σをサポートとしたショートカバーへ
大阪9月限ナイトセッション
日経225先物 33430 +260 (+0.78%)
TOPIX先物 2303.5 +13.0 (+0.56%)
シカゴ日経平均先物 33445 +275
(注:ナイトセッション、CMEは大阪の日中終値比)
22日の米国市場は、NYダウが小幅に下落した一方で、 S&P500、ナスダックは上昇。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は前日の下院金融委員会に続き上院銀行委員会で証言し、追加利上げが適切になる可能性があるとの見解を繰り返した。金融引き締め長期化への懸念から売りが先行したが、売り一巡後は前日に下げが目立っていたハイテク株を中心に買い戻され、S&P500、ナスダックが上昇に転じ、NYダウも下げ幅を縮小した。S&P500業種別指数は小売、自動車・同部品、テクノロジー・ハード・機器が上昇した半面、銀行、不動産、エネルギーの弱さが目立った。
シカゴ日経平均先物(9月限)清算値は、大阪比275円高の3万3445円だった。日経225先物(9月限)のナイトセッションは、日中大阪比20円安の3万3150円で始まり、その後3万3110円まで売られた。売り一巡後は3万3110円~3万3270円辺りで保ち合い、米国市場の取引開始後にレンジを上放れ、3万3360円~3万3420円での推移となった。終盤にかけて3万3490円まで買われる場面も見られ、3万3430円でナイトセッションの取引を終えた。
シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、買い優勢の展開になりそうだ。米国市場ではハイテク株を中心に買い戻されており、前日に指数の重荷となっていた東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]など、値がさハイテク株のリバウンドが日経平均型を下支えすることが期待されそうだ。
日経225先物は19日に付けた3万3950円をピークに緩やかな調整を継続しているが、ボリンジャーバンドの+2σから+1σの支持線水準まで下げたことで、リバウンドが意識されやすいタイミングとなる。米国市場の動向次第では+1σを下放れる可能性があっただけに、米ハイテク株の上昇は安心感につながろう。引き続き+1σ水準がサポートとして意識されやすく、ショートカバーを誘う流れにより、オプション権利行使価格の3万3250円~3万3750円辺りのレンジを想定する。
VIX指数は12.91と、2020年1月以来の13.00を割り込んだ。金融引き締め長期化への懸念が根強いながらもリスク選好の流れは継続しているため、ショートは避けたい。為替市場ではドル円が1ドル=143円台に乗せてきており、海外投資家による金利差を狙った資金流入が継続するなか、押し目狙いのロング対応に向かわせそうだ。
昨日のNT倍率は先物中心限月で14.48倍に低下し、25日移動平均線水準まで一気に下げた。ハイテク株売りに対して金融株買いのリバランスの動きが明確に出た格好である。ボリンジャーバンドのバンドが収斂するなかでトレンドが出始めているが、米国市場の流れからは、いったんNTショートを巻き戻す動きが優勢になろう。
株探ニュース