話題株ピックアップ【昼刊】:JSR、東応化、郵船
■JSR <4185> 3,934円 +700 円 (+21.6%) ストップ高買い気配 11:30現在 東証プライム 上昇率トップ
JSR<4185>がカイ気配スタート。24日付の日本経済新聞朝刊は、「政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)は半導体材料のJSRを約1兆円で買収する」と報じた。同日、JSRは「本件を検討していることは事実」としたうえで、26日に開催する取締役会に付議する予定とのコメントを開示した。買収時に株価に上乗せされるプレミアムを期待した買いが集まった。報道によると、海外を含めた競争当局の審査を経て、JICは早ければ年内にJSRへのTOB(株式公開買い付け)を実施する。手続きが順調に進めば、2024年中に上場廃止となる見込みという。
■大阪有機化学工業 <4187> 2,640円 +282 円 (+12.0%) 11:30現在 東証プライム 上昇率2位
大阪有機化学工業<4187>はマドを開けて買われ年初来高値更新。昨年6月以来、およそ1年ぶりの高値に浮上した。同社は塗料や電子材料に使われるアクリル酸エステルを手掛ける化学メーカーで、半導体材料のフォトレジスト向けに強みを持つ。今期業績は電子材料向け需要の低迷で冴えない見通しにあるが、増配や自社株買いなど株主還元には手厚い姿勢をみせている。この日の株式市場では産業革新投資機構(JIC)によるJSR<4185>の買収報道が話題となっているが、大有機は主要顧客の一つにJSRを有しており、JSRとともに関心が高まる格好で思惑的な物色が向かっているようだ。
■東京応化工業 <4186> 8,958円 +925 円 (+11.5%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
東京応化工業<4186>が買われているほか、大阪有機化学工業<4187>、トリケミカル研究所<4369>など半導体材料を手掛ける企業群に投資マネーが集中的に流入している。東応化は年初来高値を更新した。ここ相場の柱を担っていた生成AI関連特需で潤う半導体関連に目先利益確定の動きが出ている一方、同分野で相対的に出遅れている素材関連にマーケットの視線が集まっている。市場では「政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)がJSR<4185>を約1兆円で買収するとの報道を受け、同社株がストップ高カイ気配に買われているが、この連想で業態的に類似する半導体材料株に個人投資家を中心とした短期筋が攻勢をかけている」(中堅証券ストラテジスト)という。特に東応化は半導体フォトレジストで世界トップクラスの商品競争力を誇っており、国策に乗る銘柄としてにわかに存在感を高めている。
■日本郵船 <9101> 3,106円 +66 円 (+2.2%) 11:30現在
日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>など大手をはじめ海運株が軒並み買われる展開となっている。半導体関連などハイテク系グロース株への買いが一服するなか、低PBRのバリュー株に対する物色意欲が再燃している。新型コロナ特需の反動によるコンテナ船市況の悪化は株価面で織り込みが進んだ。また、中国経済の減速が取り沙汰されるなかも鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は6月上旬以降、戻り足を鮮明としている。外部環境の厳しさを嫌気した売りが一巡し、低PBR・高配当利回り株へのリターンリバーサルの流れを映す形で買い戻しが進んでいるもようだ。
■淺沼組 <1852> 3,230円 +50 円 (+1.6%) 11:30現在
淺沼組<1852>が底堅い。前週末23日の取引終了後に自社株買いの実施を発表し、株価の支えとなった。同社は取得総数5万株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.31%)、取得総額1億6000万円を上限とする自社株買いを6月26日から9月30日までの間に実施する。東京証券取引所における市場買付けにより取得する。
■ツルハホールディングス <3391> 10,750円 +145 円 (+1.4%) 11:30現在
ツルハホールディングス<3391>が3日ぶりに反発し、年初来高値を更新した。前週末23日の取引終了後、23年5月期の連結決算発表にあわせ、24年5月期の業績予想を開示した。最終利益は前期比2.5%増の258億9800万円を見込む。更に、前期の期末配当を直近の予想から27円増額したうえで、今期の配当については前期比7円増配の267円を計画する。増益見通しと株主還元姿勢を好感した買いが集まったようだ。今期の売上高は前期比6.5%増の1兆330億円と、初の1兆円台を見込む。ドミナント展開による店舗網の拡充を図るうえで、126店の出店を計画する。23年5月期の売上高は前の期比5.9%増の9700億7900万円、最終利益は同18.1%増の252億5800万円だった。
■オリエンタルランド <4661> 5,351円 +71 円 (+1.3%) 11:30現在
オリエンタルランド<4661>が全般軟調地合いに流されず頑強な値動き。世界的なインフレが続くなか国内でも製品やサービス価格の上昇傾向が強まっている。そうしたなか、東京ディズニーリゾートを運営する同社も、今年10月1日から入場料金の値上げを行うことを前週末23日に発表した。混雑時の価格は従来比1500円の値上げで大人1日券が1万900円となり、初めて1万円を超える。テーマパークなどのレジャー関連は、インバウンドによるコト消費需要などを追い風に強気の価格設定を打ち出しやすくなっている。同社も料金値上げによる収益改善効果に期待した買いが足もとの株価に反映されている。
■エイベックス <7860> 1,501円 +7 円 (+0.5%) 11:30現在
エイベックス<7860>が4日ぶりに反発した。前週末23日の取引終了後、海外100%子会社のAvex Asia(シンガポール)がサウジアラビアにおいて新会社を設立することを決めたと発表。これを手掛かり視した買いが入ったようだ。イベント企画・制作・運営や音楽事業などを展開するAvex Saudi Arabia Entertainment(リヤード州)を8月に設立する予定。サウジアラビアや中東全域での事業拡大を狙う。
■日本ビジネスシステムズ <5036> 1,662円 +2 円 (+0.1%) 11:30現在
日本ビジネスシステムズ<5036>が反発した。前週末23日の取引終了後、グループ会社のネクストスケープによる複合現実(MR)活用のロボット導入支援ソリューション「RoboLens」について、デンマークのユニバーサルロボット(UR)から、UR製協働ロボットの周辺機器プラットフォーム「UR+」製品として認証されたと発表し、材料視されたようだ。RoboLensは、米マイクロソフト<MSFT>のMRゴーグル「HoloLens2」を活用し、効率的・直観的にロボットの現場導入を支援するもの。今回の認証により、ユーザーの拡大が今後期待できるという。
■日本オラクル <4716> 10,755円 -945 円 (-8.1%) 11:30現在
日本オラクル<4716>が急落している。前週末23日の取引終了後に23年5月期の単体決算を発表した。経常利益は前の期比1.5%増の746億8100万円と、過去最高益を更新した。未定としていた前期の年間配当は162円と、前の期比2円増配とした。一方、直近3カ月間の3~5月期の経常利益は微減益となっており、業績のモメンタム鈍化を懸念した売りが出たようだ。23年5月期の売上高は前の期比5.7%増の2269億1400万円だった。3~5月期でも増収となったが、セグメント別では「クラウド&オンプレミスライセンス」と「サービス」が減収となった。24年5月期は、売上高で前期比2.0~6.0%増、1株当たり純利益で406~418円と予想する。
■ミスミグループ本社 <9962> 2,954.5円 -94.5 円 (-3.1%) 11:30現在
ミスミグループ本社<9962>が続落している。前週末23日の取引終了後に月別売上高実績を発表した。5月の連結売上高は前年同月比3.5%減の294億6300万円となった。減収で着地したことを嫌気した売りが膨らんだ。事業別では、VONA事業が同5.1%減の134億4300万円、FA事業が同4.5%減の94億3900万円と落ち込んだ。一方、金型部品事業は同1.3%増の65億8100万円と増収となった。
■富士通 <6702> 18,300円 -250 円 (-1.4%) 11:30現在
富士通<6702>が軟調。同社が出資する富士通クライアントコンピューティングのノートパソコンの販売を巡り、景品表示法違反(有利誤認表示)が認められたとして、消費者庁が前週末23日に措置命令を行ったと発表しており、株価の重荷となったようだ。消費者庁によると、「LIFEBOOK」ブランドの15商品について、自社ウェブサイトで販売実績のないWEB価格を表示しながら、更に安いキャンペーン価格を表示した。同庁は再発防止策の構築などを求めている。
■ボルテージ <3639> 392円 +80 円 (+25.6%) ストップ高 11:30現在
ボルテージ<3639>が急騰。前週末23日の取引終了後、「ニンテンドースイッチ」向けタイトルの累計販売本数が10万本を突破したと発表しており、これを材料視した買いが入っている。同社はこれまで移植タイトル16本、オリジナルタイトル1本を配信しており、日米をはじめとした世界への配信など各種施策により販売を伸ばしてきた。今後も新作投入や国内外でのプロモーションを継続し、スイッチ向けタイトルの拡大を促進させていく予定だ。
■木村工機 <6231> 2,576円 +291 円 (+12.7%) 11:30現在
木村工機<6231>が大幅続伸となっている。同社は23日取引終了後、3万株(自己株式を除く発行済み株式総数の0.84%)、8100万円を上限とする自社株取得枠を設定したと発表。これが買い手掛かりとなっているようだ。取得理由は、経営環境に応じた機動的な資本政策を遂行するため。取得期間は7月3日から10月31日までとなっている。
■レナサイエンス <4889> 604円 +27 円 (+4.7%) 11:30現在
レナサイエンス<4889>は一時12%を超える上昇で650円まで値を飛ばす場面があった。今月14日につけた年初来高値を約2週間ぶりに更新した。東北大発の創薬ベンチャーで低分子化合物を活用した医薬品開発を手掛ける。人工知能(AI)技術を採り入れた医療ソリューションを標榜し、バイオセクターのAI関連株としてマーケットでも注目度が高まっている。直近では、前週末23日の前場取引終了後に、メラノーマ治療の臨床試験(第2相)で良好な結果を得られたことを開示し、株高を後押しする格好となった。
●ストップ高銘柄
など、2銘柄
●ストップ安銘柄
アイデミー <5577> 3,860円 -700 円 (-15.4%) ストップ安 11:30現在
以上、1銘柄
株探ニュース