注目銘柄ダイジェスト(前場):東応化、日本オラクル、Jフロンティアなど
東応化<4186>:8958円(+925円)
大幅反発。産業革新機構による買収報道が伝わっているJSRがストップ高買い気配となっており、連想買いの動きが同社には強まっているようだ。産業革新機構の買収は、半導体産業の囲い込みの動きとも捉えられており、フォトレジストではJSRに次ぐ世界シェアを握る同社にも買いが波及する展開に。同社の世界シェアは約21%と推定されており、EUV用フォトレジストなどに強みとされている。
日本オラクル<4716>:10755円(-945円)
大幅続落。先週末に23年5月期の決算を発表、営業利益は744億円で前期比1.6%増、3-5月期は218億円で前年同期比0.6%増となっている。ほぼ市場予想線上とみられる。一方、24年5月期計画は、売上高が前期比2-6%の増収、EPSが0-3%の増加としており、ネガティブに捉えられているもよう。値上げ効果の拡大などが期待されたことで、市場予想は純利益ベースで8%程度の増益見込みであった。
ツルハHD<3391>:10750円(+145円)
反発。先週末に23年5月期の決算を発表、営業利益は456億円で前期比12.3%増となり、従来計画の427億円を上振れて着地。450億円程度の市場予想もやや上回った。想定以上に粗利益率が改善する形になっている。また、24年5月期は472億円で同3.6%増の見通しで、市場予想を10億円程度上回っている。既存店前提などは明らかにされていないが、想定以上の好業績推移をポジティブに受け止める動きが優勢。
FUJIMI<5384>:10210円(+680円)
大幅続伸。産業革新機構のJSR買収報道を受けて、本日は半導体材料を手掛ける銘柄の上昇が目立っている。同社や東京応化のほか、大阪有機、トリケミカル、扶桑化学、住友ベーク、関東電化などの中小型株が上昇率の上位にランクイン。とりわけ、同社は半導体に使われる超精密研磨材において、世界で約90%と圧倒的なシェアを誇っており、半導体業界において重要な位置づけとなっている。
JSR<4185>:3934円 カ -
ストップ高買い気配。政府系ファンドの産業革新投資機構が同社を約1兆円で買収すると先週末に報じられている。同社は半導体の重要素材となるフォトレジストで世界シェア約3割を握っている。政府では半導体を戦略物資と定めていることで、素材から製品まで半導体サプライチェーンを強化する動きの一環と捉えられる。早ければ年内にTOBを実施する方針のようだ。現在の時価総額は7000億円弱のレベルであり、相応のプレミアムを期待する動きに。
リプロセル<4978>:308円(+4円)
大幅高。GMP(医薬品の製造管理・品質管理基準)グレードのmRNA及び脂質ナノ粒子(LNP)の販売を開始すると発表している。米バイオメディカル企業のバーナル社との独占代理店契約(日本のみ)により、カタログ製品に加えて顧客のプロジェクトに即した受注生産で販売する。GMP製造製品では、がん治療薬やワクチン等の開発・製造など幅広い臨床用途でのニーズに対応していくとしている。
Jフロンティア<2934>:3700円(+345円)
大幅に反発。22年11月7日に発行した新株予約権について、割当先と締結した第三者割当契約に基づき、行使停止指定の通知を行うと発表している。指定期間は26日から8月25日まで。対象となる新株予約権は2467個(潜在株式数24万6700株)。行使停止で株式価値の希薄化懸念が一時的に和らぐとの見方から買われている。また、22日に年初来高値を付けてから株価が下落しており、押し目買いも入っているようだ。
クラシコム<7110>:1759円(+64円)
年初来高値。縫製事業などを手掛けるステイト・オブ・マインド(東京都渋谷区)が運営するファッションブランド「foufou」事業を吸収分割で承継する会社の全株式を取得し、子会社化すると発表している。取得価額は3.05億円、株式譲渡実行日は8月1日の予定。foufouはデザイナーのマール・コウサカ氏が立ち上げたD2Cのファッションブランドで、洋服やアパレル雑貨を販売している。
《ST》