話題株ピックアップ【昼刊】:川崎汽、JSR、マイクロ波
■川崎汽船 <9107> 3,700円 +342 円 (+10.2%) 11:30現在 東証プライム 上昇率トップ
川崎汽船<9107>が10%を超える上昇で3500円台に買われたほか、日本郵船<9101>、商船三井<9104>、NSユナイテッド海運<9110>など海運株が軒並み高に買われている。「海運」は業種別騰落で33業種中、断トツの値上がり率となっている。前日の米国株市場ではハイテク系グロース(成長)株への売り圧力が強まり、ナスダック総合株価指数の下げが目立った。これを受けて東京市場でもグロース株に向かい風の強い地合いとなっている。一方、これと入れ替わる形で低PBR銘柄などバリュー株を物色する動きが再燃している。海運株は川崎汽をはじめ低PBR、高配当利回り銘柄の宝庫で、資金シフトの有力対象となっている。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数が6月上旬を境に底入れ反転を明示し、前週末時点で1240と約1カ月ぶりの水準まで戻していることも追い風となっている。
■JSR <4185> 4,233円 +299 円 (+7.6%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
JSR<4185>は前日に続き物色人気が集中している。前日は大量の買い注文で取引時間中に商いが成立せず、ストップ高で買い物を残す展開となったが、きょうも気配値のまま株価水準を切り上げる展開に。政府系ファンドの産業革新投資機構(JIC)が同社を約1兆円で買収するとの報道を受け、上値を見込んだ投資マネーを呼び込んだが、前日取引終了後には産業革新投資機構がTOB(株式公開買い付け)を実施し、非公開化を目指すことを発表した(買い付け開始時期は12月下旬メド)。TOB価格は1株4350円で26日終値を10.6%上回る水準であり、ここを視野に入れた短期マネーが流入している。
■マイクロ波化学 <9227> 1,985円 +114 円 (+6.1%) 11:30現在
マイクロ波化学<9227>が続伸。この日朝方、三井物産<8031>との間でマイクロ波を用いた低炭素リチウム鉱石製錬技術の共同開発契約を締結したと発表しており、これが買い手掛かりとなっている。この共同開発ではリチウム製錬におけるCO2排出の主要因となっている煆焼(かしょう)のプロセスを電化し、環境負荷の低い、世界初となるマイクロ波を利用したリチウム製錬技術の確立に取り組む。2026年の商用化を目指す。
■壱番屋 <7630> 5,670円 +210 円 (+3.9%) 11:30現在 東証プライム 上昇率6位
壱番屋<7630>が続伸し、年初来高値を更新した。同社は26日取引終了後、24年2月期第1四半期(3~5月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比2.4倍の12億5800万円となり、上半期計画の18億1000万円に対する進捗率が69.5%に達したことが好感されているようだ。売上高は同14.2%増の128億9400万円で着地。直営店とフランチャイズ加盟店を合計した国内店舗の既存店ベースの売り上げが好調だったほか、前期に実施したベースのカレーソースと一部のトッピングなどの値上げ効果で客単価が上昇したことなどが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想については従来計画を据え置いている。
■フォーラムE <7088> 1,192円 +10 円 (+0.9%) 11:30現在
フォーラムエンジニアリング<7088>が続伸している。午前9時30分ごろ、インド子会社のコグナビインディアが、インドにAIテクノロジーマッチングを駆使した就職支援サイト「Cognavi(コグナビ)」をオープンしたと発表しており、好材料視されている。同社によると、インドでは新卒学生と企業を直接つなぐインフラがまだ整備されていないことなどを要因として新卒学生の就職率は40%程度にとどまっていることから、「Cognavi」はまず人口7000万人、300校以上の大学を有するタミル・ナドゥ州から新卒学生の就職活動を支援するサイトとしてオープン。その後、インド全土へとサービス展開エリアを広げるとしている。なお、AIマッチング技術を活用したジョブポータルサイトはインドでは初めてとなる。
■そーせいグループ <4565> 2,460円 -700 円 (-22.2%) ストップ安売り気配 11:30現在 東証プライム 下落率トップ
そーせいグループ<4565>がウリ気配スタート。同社は27日、米ファイザー<PFE>が「ロティグリプロン」の開発を継続しないことを決めたと発表した。減量薬のロティグリプロンは、そーせいとの研究開発提携を通じ、ファイザーにより第2相臨床試験が行われていた。発表を受け、失望感が広がったようだ。ファイザーは糖尿病と肥満に対するもう1つの治療薬である「ダヌグリプロン」の開発を優先する。そーせいは、ロティグリプロンの臨床開発に関する費用を負担していないことから、23年12月期の業績に及ぼす重大な影響はないと見込む。今後開示すべき事項があれば、速やかに公表するとした。
■瑞光 <6279> 1,198円 -98 円 (-7.6%) 11:30現在 東証プライム 下落率4位
瑞光<6279>が大幅安で4日続落した。26日の取引終了後に発表した24年2月期第1四半期(2月21日~5月20日)の連結決算は、売上高が前年同期比12.8%増の40億1900万円。一方、営業損益は3億6100万円の赤字となった。同社は例年、第1四半期の業績が落ち込む季節性があるが、営業赤字額が前年同期(2億2200万円)から拡大したことが嫌気されたようだ。受注済み案件が順調に売り上げとして計上され、大幅な増収となった。大人用紙おむつ製造機械が引き続き好調に推移したという。半面、難易度の高い受注案件において追加改造が発生し、原価率が上昇。損益を押し下げる要因となった。
■さくらインターネット <3778> 1,110円 -74 円 (-6.3%) 11:30現在 東証プライム 下落率5位
さくらインターネット<3778>は大幅5日続落している。東京証券取引所が26日の取引終了後、信用取引による新規の売り付け及び買い付けに係る委託保証金率を27日売買分から50%以上(うち現金20%以上)とする臨時措置を実施すると発表。また、日本証券金融も貸借取引自己取引分及び非清算参加者ごとの清算取次貸借取引自己取引分の貸借担保金率を27日売買分から50%(同20%)にすると発表した。これらの発表を受けて、信用取引による取引負担の増加で、個人投資家からの資金流入が細るとの警戒感から売られているようだ。
■オークワ <8217> 842円 -33 円 (-3.8%) 11:30現在
オークワ<8217>が反落している。26日の取引終了後に24年2月期第1四半期(2月21日~5月20日)の決算を発表し、営業利益は前年同期比97.7%減の600万円と大幅減益だった。通期で増益を見込んでいるだけに、これが嫌気され売られている。新規出店による初期投資費用が響いた。売上高は同0.2%増の582億3800万円だった。なお、通期の増収増益見通しは据え置いている。
■野村不HD <3231> 3,410円 -109 円 (-3.1%) 11:30現在
野村不動産ホールディングス<3231>や住友不動産<8830>、三菱地所<8802>が軟調。東証の業種別指数で不動産業は下落率トップとなっている。日本経済新聞電子版は26日夜、「国税庁が『マンション節税』や『タワマン節税』の防止に向け、相続税の算定ルールを見直す方針を固めた」と報じた。マンション市況への影響などを警戒した売りが出たようだ。報道によると、タワーマンションは高価格の高層階ほど実勢価格と評価額の差が大きくなる。この差を使った節税策について、相続税負担の不公平性が指摘されるなか、実勢価格を反映する新たな計算方式を導入。評価額と実勢価格の乖離が約1.67倍以上の場合には評価額が上がり、税額が増える見通しとなるという。同庁は財産の評価方法を定めた通達を今年中に改正し、2024年1月1日以降の適用を目指すとしている。
■しまむら <8227> 13,685円 -360 円 (-2.6%) 11:30現在
しまむら<8227>が3日続落した。26日の取引終了後に発表した24年2月期第1四半期(2月21日~5月20日)の連結決算は、売上高が前年同期比5.2%増の1571億500万円、営業利益が同0.6%減の145億3300万円となった。これまで公表された月次の売上速報では増収基調を維持したとあって、市場の一部では営業増益での着地を見込む向きもあったが、減益の結果となったことを嫌気した売りが膨らんだ。朝安後は押し目買いが入りプラスに転じる場面もあったが、5日移動平均線を上回る水準を定着しきれず、再び軟化した。賃上げの実施により人件費が増加したほか、電気料金の値上げも響き、販売費及び一般管理費が増加した。会社側は粗利確保の施策は順調に進行しており、販売管理費も巡航速度内との見方を示している。
■日経レバ <1570> 19,800円 -390 円 (-1.9%) 11:30現在
NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570>は一時2%を超える下落で2万円大台を下回ってきた。ここ全体相場が調整色を強めるなか、同銘柄は日経平均株価に変動率2倍で連動するETFとして個人投資家の売り買いが活発化している。前日もザラ場に1万9000円台をつけたが、大引けは2万円台をキープした。きょうは再び売り直される展開で、2週間ぶりに終値で2万円台を割り込むかどうかが注目される。信用取組は買い残が増加する一方、売り残の整理が急速に進んでいる。ここ最近はひと頃と比べ強気筋が増加傾向にあったことを物語っているが、直近データで信用倍率は0.85倍と依然として売り長状態にある。また、日証金ベースでは貸借倍率が0.61倍と一段とタイトだ。
■三東工業社 <1788> 4,460円 +700 円 (+18.6%) ストップ高 11:30現在
三東工業社<1788>はカイ気配スタートしている。26日の取引終了後、23年6月期の期末一括配当予想について、60円から90円(前期70円)へ引き上げたことが好感されている。普通配当60円に加えて、特別配当30円を実施する。
■THEグローバル社 <3271> 258円 +40 円 (+18.4%) 一時ストップ高 11:30現在
THEグローバル社<3271>が一時ストップ高に買われている。同社は首都圏を主軸にマンション分譲を展開するほか、京都などを中心にホテル事業も展開している。マンション販売が好調なほか、収益物件売却も会社側想定を上回って推移しており、26日取引終了後に23年6月期業績予想の上方修正を発表した。最終利益は従来計画の8億3800万円から14億6500万円(前期比3.2倍)予想へ大幅増額しており、これがサプライズとなって株価を押し上げている。時価予想PERは5倍前後と株価指標面からも割安感が顕著となっている。
■ショーケース <3909> 401円 +49 円 (+13.9%) 一時ストップ高 11:30現在
ショーケース<3909>が急反発し一時ストップ高の432円に買われている。26日の取引終了後、オンライン本人確認/eKYCツール「ProTech ID Checker」の新機能として、開発不要の公的個人認証サービス機能「ProTech マイナンバーIC認証」をリリースしたと発表しており、好材料視されている。「ProTech マイナンバーIC認証」は、SaaS型のオンライン本人確認/eKYCツール「ProTech ID Checker」が提供する公的個人認証サービス機能で、WebサイトにJavaScriptのタグを挿入するだけの開発不要でサービス利用が可能であることに加えて、エンドユーザーがマイナンバーカードを持っていない場合や、公的個人認証サービスに必要なパスワードを覚えていない場合などに、別の本人確認書類を用いた認証方法を促すことが可能な点が特徴。まずは、NOVASTO(大阪府吹田市)の小売・リユース業専門クラウドPOSシステム「ReCORE」へ採用が予定されている。
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など、1銘柄
●ストップ安銘柄
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