株価指数先物【引け後】 節目の3万3000円を回復、海外勢による押し目買いでショートカバーが一段と強まる

市況
2023年6月28日 18時16分

大阪9月限

日経225先物 33140 +570 (+1.75%)

TOPIX先物 2295.0 +42.0 (+1.86%)

日経225先物(9月限)は、前日比570円高の3万3140円で取引を終了。寄り付きは買いが先行したものの、3万2680円とシカゴ日経平均先物清算値(3万2800円)を下回って始まった。現物の寄り付き直後に3万2830円まで買われた後はショートが強まり、前場中盤に3万2590円まで上げ幅を縮めた。ショートの要因だが、「バイデン米政権が新たな半導体輸出規制を検討」と報じられ、時間外でエヌビディア<NVDA>やアドバンスト・マイクロ・デバイセズ<AMD>が下落したことが買い一巡後の仕掛け的な売りを誘ったようだ。しかし、東京エレクトロン <8035> [東証P]やアドバンテスト <6857> [東証P]などへの影響は限られたほか、グローベックスの米株先物もマイナス圏での推移ながら小幅な下げにとどまったため、前場半ば以降はショートカバーが強まった。

さらに、ランチタイムで一段高となり、後場の取引開始後には節目の3万3000円を回復。いったんは達成感から利食いも見られたが、3万3000円を挟んで底堅さが意識されるなか、終盤にかけて一段とショートカバーを呼び込み、3万3140円と日中の高値で取引を終えた。また、後場に入っての先物主導の上昇では、四半期末に伴う年金のリバランス売りが一巡したとの観測に加え、前日までの25日移動平均線水準までの調整で過熱感が後退したとの見立てから、海外投資家による押し目待ち狙いの買いが入ったとの見方も聞かれた。

何はともあれ、25日線までの調整を経て、米国同様に理想的なリバウンドとなった。ボリンジャーバンドの+1σは3万3330円辺りに位置しており、節目の3万3000円処での底堅さが意識されてくるようだと、+1σを目先的なターゲットとしつつも、+2σが位置する3万4230円辺りを想定したロングの動きが強まる可能性はありそうだ。タイミングとしては7月上旬のパッシブ型ETFの決算通過後になろうが、売り需要は予想されているだけに、これに向かう形での押し目待ち狙いの買い意欲は強そうだ。

まずは新たな対中輸出規制を検討との報道を受けた、米国市場の動向を確認したいところであろう。27日の米国市場でエヌビディアの上昇率は3%を超えていた。この上昇分を解消する程度の下げであれば、ひとまず大きな波乱は避けられそうだ。また、欧州中央銀行(ECB)が主催する金融フォーラムでは、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長などがパネル討論会に参加する予定である。利上げ再開の必要性を示すとみられるが、既に7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ再開の可能性が高まっていることもあり、大きなインパクトはもたらさず通過材料になりそうだ。

NT倍率は先物中心限月で14.44倍と小幅に低下した。一時14.38倍まで下げる場面があり、ボリンジャーバンドの-2σに接近している。バンドが収斂するなか、-3σが位置する14.29倍辺りを狙ったNTショートに向かわせやすいだろう。

手口面では、日経225先物は野村証券が1903枚、UBS証券が1003枚、日産証券が940枚、フィリップ証券が664枚の買い越しに対して、ABNクリアリン証券が2552枚、ソシエテジェネラル証券が1359枚、SMBC日興証券が990枚、ドイツ証券が797枚の売り越しだった。TOPIX先物は野村証券が1187枚、ゴールドマン証券が975枚、SMBC日興証券が814枚、大和証券が793枚の買い越しに対して、バークレイス証券が2437枚、JPモルガン証券が1476枚の売り越しだった。

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