33000円辺りでの底堅さがみられるようだと、ショートカバーを伴っての上昇が期待される/オープニングコメント

市況
2023年6月29日 8時32分

29日の日本株市場は、やや買い優勢の相場展開になりそうだ。28日の米国市場は、NYダウが74ドル安、ナスダックは36ポイント高だった。パウエルFRB議長が欧州中央銀行(ECB)フォーラムでの討論会で、追加利上げを示唆したため警戒感から売り先行の展開。ただし、リセッションが最も高い可能性のシナリオだとは思わないと、経済の柔軟性を強調すると相場は下げ止まった。金利低下からハイテク株の一角が買われた。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比100円高の33240円、円相場は1ドル144円30銭台で推移している。

シカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや買い先行で始まることになりそうだ。パウエルFRB議長の発言については想定されていた内容として、通過材料になりそうである。一方で、バイデン米政権が新たな半導体輸出規制を検討との報道を受けた米半導体株の動向が注目されたが、エヌビディアやAMDは小幅な下げにとどまっており、安心感につながりそうである。また、マイクロンテクノロジーは取引終了後に決算を発表。サプライチェーン問題の緩和で強い見通しを示し、時間外取引で買われていることが材料視されそうだ。

日経225先物はナイトセッションで33000円辺りでの底堅さが意識されるなか、一時33320円まで買われた。ボリンジャーバンドの+1σを捉えてきたことから、リバウンド機運が高まる。昨日の日経平均は25日線からの理想的なリバウンドを見せるなか、節目の33000円回復以降も強い値動きが継続した。四半期末に伴うリバランス売りについては、昨日の強い上昇のなか、一巡したといった見方がされていた。ボリンジャーバンドの+1σは33315円辺りに位置しており、これを捉えてくるようだと、ショートカバーの動きを強めてくる可能性はありそうだ。

7月上旬にはパッシブ型ETFの決算を控えているため、分配金支払いのための売り需要が警戒されている。積極的な上値追いの動きは期待しづらいものの、予想されている売り需要に向かう形での押し目買いは意識されやすく、33000円辺りでの底堅さがみられるようだと、ショートカバーを伴っての上昇が期待されそうだ。物色の流れとしては米ハイテク株の底堅い値動きを背景に、指数インパクトの大きい値がさハイテク株が指数をけん引しそうである。先高期待が高まるなか、個人主体による中小型株への物色も活発になりそうだ。

《AK》

提供:フィスコ

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