話題株ピックアップ【夕刊】(2):グローリー、コムチュア、技研製
■グローリー <6457> 2,885.5円 +65.5 円 (+2.3%) 本日終値
金融・小売向けの紙幣・貨幣処理機器を手掛けるグローリー<6457>が上昇。ATM(現金自動預け払い機)を製品群に持つ沖電気工業<6703>など、新紙幣関連銘柄に買いが集まっている。財務省は28日、2024年7月前半をメドに、新しい日本銀行券の発行を開始すると発表した。特需が今後本格化するとの思惑が広がるなか、財務省の発表を手掛かり材料として、改めて短期資金が流入したようだ。紙幣鑑別機などを提供する日本金銭機械<6418>やATM向け紙幣センサーのユビテック<6662>がしっかり。駅の自動券売機を製造する高見沢サイバネティックス<6424>などが堅調に推移している。
■コムチュア <3844> 2,094円 +42 円 (+2.1%) 本日終値
コムチュア<3844>が3日続伸。この日午前中、伊藤忠商事<8001>との協業の検討を開始すると発表しており、好材料視された。伊藤忠が有する強力な国内外のネットワークやバリューチェーンと、コムチュアが得意とするERP/CRM領域のシステム開発を組み合わせることで、ビジネスの拡大を図るのが狙い。なお、きょう付の日本経済新聞朝刊では、伊藤忠が20億円程度を出資して3%程度の株式を取得すると報じられており、今後の経過開示への注目度も高まっているようだ。
■技研製作所 <6289> 2,063円 +34 円 (+1.7%) 本日終値
技研製作所<6289>が続伸。28日の取引終了後、ブラジル市場でのビジネス構築に向け、2024年をメドに圧入技術を通じた社会課題の解決とビジネスを両立させる事業計画を策定すると発表。グローバルビジネスやブラジルの現地事情に通じた三井物産<8031>とともに、国際協力機構(JICA)の支援を受けながら実施するという。三井物、JICAと共同で市場調査から事業計画の策定まで行い、持続的な市場形成とビジネス体制の構築を目指すとしている。
■東亜道路工業 <1882> 4,690円 +70 円 (+1.5%) 本日終値
東亜道路工業<1882>が4日続伸し年初来高値を更新した。午後1時ごろ、上限を25万株(発行済み株数の2.63%)、または10億円とする自社株買いを実施すると発表しており、好材料視された。取得期間は23年8月25日から24年5月31日までで、資本効率の向上や柔軟な資本政策の遂行により、株主への一層の利益還元を図ることが目的としている。
■アスクル <2678> 2,004円 +25 円 (+1.3%) 本日終値
アスクル<2678>が3日ぶりに反発。28日の取引終了後に発表した6月度(5月21日~6月20日)の月次業績で、単体売上高が前年同月比0.6%増となり、7カ月連続で前年実績を上回ったことが好材料視された。主力のBtoB事業は前年に比べて平日が1日多かったことが寄与し同8.6%増となった。一方のLOHACO事業は、前期の大型販促の反動減やキャンペーン変更の影響、海外需要向け売り上げの減少などで同41.9%減となった。
■ハイデイ日高 <7611> 2,384円 +25 円 (+1.1%) 本日終値
ハイデイ日高<7611>が3日続伸。きょう付の日本経済新聞朝刊で、「2023年3~5月期の単独営業損益は10億円前後の黒字(前年同期は1300万円の赤字)となったことが分かった」と報じられており、3~5月期として4年ぶりの黒字転換となるとの観測が好材料視されたようだ。記事によると、3月に「日高屋」で値上げしたことに加えて、夜間の客数増に伴い短縮していた営業時間を再び延ばしたことなどが寄与したという。なお、決算発表は7月4日の予定だ。
■レゾナック <4004> 2,354円 +19 円 (+0.8%) 本日終値
レゾナック・ホールディングス<4004>が続伸。午前11時ごろ、川崎事業所(川崎市川崎区)における水道向け次亜塩素酸ソーダの生産能力を増強すると発表したことが好材料視された。次亜塩素酸ソーダは、同社ソーダ電解事業の主力製品で上下水道をはじめとした水処理の殺菌・消毒等で主に使用されている。今回、関東圏の自治体で液体塩素から次亜塩素酸ソーダへの切り替えや、品質の観点から自製のものから市販のものへの切り替えによる新たな使用が計画されており、この需要拡大に対応するために生産能力を増強するという。なお、増強時期は24年末を計画しており、生産能力は現行比で3割以上引き上げる予定としている。
■住友大阪セメント <5232> 3,686円 +14 円 (+0.4%) 本日終値
住友大阪セメント<5232>が続伸、75日移動平均線を足場に上放れる動きをみせている。業績はトップラインが拡大基調を維持していることに加え、セメント販売価格の値上げ効果が利益採算改善に貢献している。そうしたなか、同社は28日取引終了後に24年3月期最終損益見通しの修正を発表、従来予想の60億円から95億円(前期は57億1900万円の赤字)に大幅増額した。保有する上場有価証券1銘柄の売却に伴う売却益計上に伴うものだが、同社は政策保有株式の純資産に占める割合を今期に20%未満とすることを目標としており、その方針の一環としている。最終損益の上方修正により一株利益は277円強に達し、PERの低下を材料に買いを誘導している。また、PBRも0.7倍前後と割安感がある。
■武蔵精密工業 <7220> 1,779円 +6 円 (+0.3%) 本日終値
武蔵精密工業<7220>が堅調。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は28日、同社株のレーティングの「オーバーウエート」と目標株価1950円を継続した。同社はホンダ<7267>系のサプライヤーだが、「ホンダ内外での拡販は順調に進展」していることを評価している。特に、最近は中国市場において中華系のBEV(バッテリー式電気自動車)や日産自動車<7201>のe-POWERなどの電動車向けのデファレンシャルアッセンブリィや足回り部品で新規受注を獲得。業績予想は保守的とみており、24年3月期の連結営業利益は前期比約2.1倍の160億円(会社計画110億円)を予想している。
■ispace <9348> 1,560円 -106 円 (-6.4%) 本日終値
ispace<9348>が軟調。東京証券取引所が同社株について、29日付で制度信用銘柄の選定を取り消すと発表した。株式の売買自由度が制限されるとの見方から、需給面への影響を警戒した売りが出たようだ。日本証券金融も同社株について、貸借取引対象銘柄の選定を29日付で取り消すと発表している。
株探ニュース