中国の大型刺激策への期待は失望に終わるとの見方
市場では中国の大型刺激策を期待する声も出ているが、ＩＭＦの元副専務理事である朱民氏は、大型刺激策を期待している向きは失望するとの考えを示した。朱氏は「中国政府がさらなる刺激策を実施するとの期待が非常に高まっているが、現実のものになるとは思わない」と述べた。
中国政府は今年、小規模な刺激策しか打ち出せないとの見方が高まっており、朱氏もこれに同調している。すでに債務が極めて高水準にあるなど、中国政府の手足を縛る複数の要因に言及。
中国のＧＤＰに対する債務比率は昨年、過去最高を記録。地方政府や不動産開発業者は債務返済に窮しており、５５兆ドル規模の銀行システムの健全性を脅かしている。
朱氏はいかなる政策もマクロ経済に関する大きな問題ではなく、構造問題に焦点を当てたものになるだろうとの見方を示した。