29日の米国市場ダイジェスト:米国株式市場はまちまち、景気後退懸念が緩和
■NY株式:米国株式市場はまちまち、景気後退懸念が緩和
ダウ平均は269.76ドル高の34,122.42ドル、ナスダックは0.42ポイント安の13,591.33で取引を終了した。
連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長がスペイン中銀で行った講演でも少なくとも年内2回の利上げが必要となる可能性に言及し、金利先高観が重荷として働いた。一方、1-3月期国内総生産(GDP)や個人消費の確定値が予想を上回ったほか、FRBのストレステストを全対象銀行が通過し金融セクターが買われたことでダウ平均は終日堅調に推移した。他方、長期金利の上昇でハイテクは伸び悩んだ。セクター別では銀行や保険が上昇、メディア・娯楽が下落した。
銀行のJPモルガン(JPM)、バンク・オブ・アメリカ(BAC)、ウェルズファーゴ(WFC)などは昨日引け後にFRBが発表したストレステストを通過し深刻なリセッションにも耐えうることが明らかになったほか、株主還元策の発表などを期待した買いで上昇。オンライン家庭用品小売りのオーバーストック・ドット・コム(OSTK)は知的財産とモバイル・プラットフォームを落札したベッド・アンド・バス・ビヨンドのブランドを再起動する計画が好感されて大幅高。エネルギ―資源会社のオキシデンタル・ペトロリアム(OXY)は著名投資家バフェット氏が運営する保険のバークシャー・ハサウェイ(BRK)が同社株の保有を今週さらに追加したことが明らかになり、買われた。一方、スパイスメーカーのマコーミック(MKC)は第四半期の調整後1株利益は予想を上回ったものの売り上げが市場予想に満たず下落。
スポーツ用品メーカーのナイキ(NKE)は取引終了後に四半期決算を発表。1株利益が予想を下回り時間外取引で売られている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:ドル続伸、強い米経済指標を受けて追加利上げ織り込む
29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、144円15銭から144円90銭まで上昇し、144円80銭で引けた。米1-3月期GDP、個人消費確定値が予想以上に上方修正され景気の強さが示されたほか、週次新規失業保険申請件数が予想外に減少し、労働市場の強さを示す新たな証拠となったため米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げを織り込むドル買いが優勢となった。
ユーロ・ドルは、1.0941ドルまで上昇後、1.0860ドルまで反落し、1.0864ドルで引けた。6月消費者物価指数(CPI)速報値が予想以上の伸びとなったため欧州中銀(ECB)の追加利上げを織り込むユーロ買いが優勢となったのち、良好な米経済指標を受けたドル買いに押された。ユーロ・円は157円85銭から157円31銭まで下落。ポンド・ドルは、1.2667ドルへ上昇後、1.2591ドルまで反落。ドル・スイスは0.8946フランから0.9002フランまで上昇した。
■NY原油:小幅高で69.86ドル、一時70.60ドルまで強含み
NY原油先物8月限は小幅高(NYMEX原油8月限終値:69.86 ↑0.30)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物8月限は、前営業日比+0.30ドルの69.86ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは68.93ドル-70.60ドル。米国市場の前半にかけて70.60ドルまで買われた後、一時68.93ドルまで反落したが、供給超過の懸念は後退しつつあることから、押し目買いが観測され、反転。通常取引終了後の時間外取引で69.96ドルまで戻した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 28.66ドル +0.59ドル(+2.10%)
モルガン・スタンレー(MS) 85.24ドル +1.25ドル(+1.49%)
ゴールドマン・サックス(GS)323.09ドル +9.43ドル(+3.01%)
インテル(INTC) 32.91ドル -0.66ドル(-1.97%)
アップル(AAPL) 189.59ドル +0.34ドル(+0.18%)
アルファベット(GOOG) 120.01ドル -1.07ドル(-0.88%)
メタ(META) 281.53ドル -3.76ドル(-1.32%)
キャタピラー(CAT) 244.24ドル +2.37ドル(+0.98%)
アルコア(AA) 33.76ドル +0.10ドル(+0.30%)
ウォルマート(WMT) 154.28ドル -1.05ドル(-0.68%)
《ST》